渋谷区立松濤美術館で「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」を観てきました。
類似の展覧会としては、国立西洋美術館の「ローマの景観・そのイメージとメディアの変遷」を、11月の初めに観に行ってきました。
国立西洋美術館で「ローマの景観・そのイメージとメディアの変遷」を観た!
「廃墟」を描いた、といえば、ピラネージとユベール・ロベールの二人は外せません。ユベール・ロベールは、「廃墟の画家」とまで言われたという。ピラネージは、西洋美術館と町田市国際版画美術館が数多く所蔵していますし、ユベール・ロベールは西洋美術館が所蔵しています。
「廃墟」とは何か? 「遺跡」とは何か? よく分からないままに、観て歩きましたが、圧巻だったのは、以下の二カ所です。これらはもちろん実在するものです。
以前、「廃墟」と関連付けて、磯崎新を取り上げたことがありました。
廃墟と言えば、磯崎新の「ふたたび廃墟となったヒロシマ」(1968年)を思い出します。また「つくばセンタービル―廃墟」(1983年)もありました。いつの時代も廃墟や遺跡は、なぜか人の心をとらえて離さないものです。
展覧会の構成は、以下の通りです。
Ⅰ章 絵になる廃墟:西洋美術における古典的な廃墟モティーフ
Ⅱ章 奇想の遺跡、廃墟
Ⅲ章 廃墟に出会った日本の画家たち:
近世と近代の日本の美術と廃墟主題
Ⅳ章 シュルレアリスムのなかの廃墟
Ⅴ章 幻想のなかの廃墟:昭和期の日本における廃墟的世界
Ⅵ章 遠い未来を夢見て:いつかの日を描き出す現代画家たち
Ⅰ章 絵になる廃墟:西洋美術における古典的な廃墟モティーフ
Ⅱ章 奇想の遺跡、廃墟
Ⅲ章 廃墟に出会った日本の画家たち:
近世と近代の日本の美術と廃墟主題
Ⅳ章 シュルレアリスムのなかの廃墟
Ⅴ章 幻想のなかの廃墟:昭和期の日本における廃墟的世界
「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」
栄華や文明の痕跡を残しながら崩れ落ちようとする建造物や遺跡。「廃墟」は西洋美術のなかで、、風景画の一角にくりかえし描かれていました。18世紀から19世紀にかけて興味深いことに、いわゆる廃墟趣味が流行すると、「廃墟」は絵画の主役の地位を確立していきます。「廃墟」を愛でること、描くこと―この美学は、近代に日本の美術のなかにも伝播しました。廃墟の画家として名をはせた18世紀のユベール・ロベール、版画家ピラネージから、19世紀のコンスタブル、20世紀のアンリ・ルソー、マグリット、デルヴォー、そして江戸時代から日本の近現代の画家たち、亜欧堂田善、藤島武二、岡鹿之助、元田久治、大岩オスオスカール、、野又穫まで、廃墟の主題は描き継がれているのです。なぜ人々は、流れる時間のなかで滅びた、またはいつかは滅びてしまう、遠い昔のあるいは遠い未来の光景に、惹きつけられるのでしょう。この展覧会では、西洋古典から現代日本までの廃墟・遺跡・都市をテーマとした作品を集め、これら「廃墟の美術史」をたどります。
「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」
図録
編集・発行:渋谷区立松濤美術館
発行日:2018(平成30)年12月3日
「ピラネージ版画展2008
―未知なる都市の彼方へ」
図録
編集:町田市立国際版画美術館
発行:2008年10月4日
町田市立国際版画美術館
「ユベール・ロベール―時間の庭」
図録
編集:国立西洋美術館
福岡市美術館
静岡県立美術館
東京新聞
発行:国立西洋美術館/西洋美術振興財団
福岡市美術館
静岡県立美術館
東京新聞
©2012
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