渋谷区立松濤美術館「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」! | とんとん・にっき

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渋谷区立松濤美術館で「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」を観てきました。観に行ったのは昨年暮れの12月17日のことでした。チラシには「約70年の陶磁器デザインを161件で一気にお見せします」とあります。


「陶磁器」といえば、生活用品である食器類をまず思い浮かべますが、もちろんほとんどが食器や皿、香炉や花瓶、ですが、それだけではなく、「装飾電燈台」や「鉄釉練炭ストーブ」が出ていて、見ただけではどういうふうに使われるのかさっぱりわかりませんでしたが、形は見事、それだけで一級の美術品でした。


陶磁器といえば、建築部材としても使われています。まずは、いわゆるタイルですね。タイルと言えば伊奈製陶、INAXがトップですが、そうなんですよ、ダントー、思い出しました、淡陶タイルもありました。伊奈も淡陶も、ショールームに何度も見本のタイルをを取りに行きましたよ。東洋陶器、TOTOはタイルではどちらかと言えば後発でした。驚いたことに、「帝国ホテル装飾ブロック」や、「同潤会代官山アパートメント洗面台」も出ていましたね。


「有田」については小さなメーカーがたくさんあったようで、「有田400年」ということであちこちで展覧会などイベントが開催されていました。東武百貨店で開催されたものが大規模な、そして日用品から芸術作品までくまなく網羅したものでした。

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また同じ有田でも、もうちょっと芸術作品として陶磁器を取り上げた、そして万博との関連での展覧会が、泉屋博古館分館で開催されました。まさに「超絶」な作品です。

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展覧会の構成は、以下の通りです。


Ⅰ 近代化の歩み

Ⅱ 産地の動向

Ⅲ 発展・展開

Ⅳ 終章









「セラミック・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」

本展は、近代の日本で作られた陶磁器のデザインを概観する初めての展覧会です。幕末から明治時代初期にかけて開催された万国博覧会への出店などによって日本の浮世絵や工芸品は一躍脚光を浴び、西洋ではジャポニスム(日本趣味)がわき起こりました。陶芸においては、京都や九谷などの江戸時代から続く産地以外に、東京や横浜、名古屋などでも、日本画的な装飾をまとった陶磁器が大量に作られ、海外へ輸出されていきました。その後、日本の美術や工芸などを厳選としたアール・ヌーヴォーが欧米で大流行すると、明治時代後期には日本でもこの影響を受けて陶磁器の分野でも図案研究などが盛んとなりました。大正時代以降は、こうしたデザイン活動が広く展開されるとともに、制作者の個性が大きく反映されていきます。国内においても生活用敏である陶磁器にも暮らしに彩りを添えるための新たなデザインが求められるようになりました。また、陶磁器メーカーでは国内外向けの製品が量産され、食器以外にタイルなどの建材も生産られました。

本展では、明治維新から第二次世界大戦までの約70年に及ぶ、近代日本陶磁器の創意あふれたデザインの流れを161件の作品で紹介します。


「渋谷区立松濤美術館」ホームページ


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