松涛美術館で「御法に守られし 醍醐寺」展を観た! | とんとん・にっき

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松涛美術館で「御法に守られし 醍醐寺」展を観てきました。観に行ったのは10月26日、日曜日、たしかNHK日曜美術館のアートシーンで取り上げられた日でした。僕は醍醐寺については、ほとんどなにも知りませんでした。


それまで山種美術館で奥村土牛の「醍醐」(1972年・昭和47年)は、何度となく観ていました。画家の言葉として、次のようにあります。「醍醐」は昭和38年、小林古径先生の7回忌の法要の帰りに京都へ寄り、三宝院前の土塀にしだれ桜に極美を感じ写生をし、何時か制作したいと考えておりました。


ここに出てくる「三宝院」は「醍醐寺境内図」をみればわかる通り「下醍醐」にあります。それにしても醍醐寺の境内は思っていた以上に大きいことがこの図を見てわかりました。


実はBS11で「京都・国宝浪漫」という番組があり、毎週録画して見ています。ナレーターは藤真利子がおっとりした口調で、僕はたいへん気に入っています。建築の解説も、矢ケ崎善太郎(京都工芸繊維大学准教授)さんが毎回丁寧で分かり易く解説しています。下にある通り、第6回は「醍醐寺」が取り上げらていました。


第6回「夢のまた夢~秀吉と醍醐寺~」

京都・国宝浪漫 第6回「夢のまた夢~秀吉と醍醐寺~」

「醍醐の花見」で知られる世界文化遺産・醍醐寺。200万坪以上の広大な境内に残された国宝の数はおよそ7万点にものぼる。今回は桃山時代の美を今に伝える三宝院の表書院をはじめ、金堂や五重塔、薬師三尊像など国宝の数々をたっぷりと紹介。寺に残る錦絵や日記、秀吉が実際に花見で使っていたと言われる茶碗などの貴重な文献、文化財を通して、秀吉が築いた絢爛豪華な桃山文化の世界を旅する。また秀吉が晩年になって盛大な花見を行った理由について、仲田順和座主の解説を交えながら、真相に迫ると共に、「醍醐味」の語源ともなった「醍醐水」についても取り上げる。秀吉が見続けた「夢のまた夢」とは・・・。解説:仲田順和(醍醐寺座主)


まあ、そんなこんなで、醍醐寺のことはなんとなくわかってきました。チラシによると、以下のようにあります。醍醐寺は、創建以来密教の中核寺院としての役割をになうとともに、文芸や美術工芸の後継者として日本の伝統文化の形成に多大な寄与をしてきました。そこには、貴重な仏像、仏図をはじめとして、歴代座主の画像や江戸慈愛の屏風絵、経典類など約20万点の寺宝が蔵されています。


いや、驚きます。次々と国宝や重要文化財が出てきます。国宝の「過去現在絵因果経」、これがじっくり見るとなかなか面白い。他に仏像や仏画、経典類が次々と展示されています。「醍醐寺」展、思っていた以上に見ごたえがあります。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第一章 み仏のおしえ~「国宝 過去現在絵因果経」と経典類~

第二章 み仏のすがた~密教の彫刻と絵画~
第三章 み仏とつながる~密教法具類~

第四章 醍醐にひらく文雅~桃山・江戸時代の絵画と工芸品~



第一章 み仏のおしえ~「国宝 過去現在絵因果経」と経典類~





第二章 み仏のすがた~密教の彫刻と絵画~




第三章 み仏とつながる~密教法具類~



第四章 醍醐にひらく文雅~桃山・江戸時代の絵画と工芸品~







「御法に守られし 醍醐寺」

京都醍醐寺は、平安時代に創建された世界遺産の寺院で、貞観16(874)年に理源大師聖宝が京都山科の笠取山上に草庵をむすんだことにはじまり、醍醐天皇の御願寺としてその発展の礎をきずくこととなります。醍醐寺は、創建以来密教の中核寺院としての役割をになうとともに、文芸や美術工芸の後継者として日本の伝統文化の形成に多大な寄与をしてきました。そこには、貴重な仏像、仏図をはじめとして、歴代座主の画像や江戸慈愛の屏風絵、経典類など約20万点の寺宝が蔵されています。本展では、釈迦の前世における善行から現世で悟りを開くまでの伝記を、経典に基づいて絵画化した奈良時代の絵巻である国宝の「過去現在絵因果経」を中心に、仏像・仏画・経典を交えて醍醐寺の聖なる姿を伝えると同時に、近世美術工芸品をあわせて展観することで文雅の後援者としての醍醐寺の魅力をご紹介いたします。なお、リニューアル記念の本展は、醍醐寺に伝わる名宝の数々を13年ぶりに東京で展観される貴重な機会となります。


「松涛美術館」ホームページ


daig1 リニューアル記念特別展

「御法に守られし 醍醐寺」

図録

編集・発行:渋谷区立松涛美術館









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