松涛美術館で「最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて」を観た! | とんとん・にっき

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松涛美術館で「最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて」を観てきました。石黒宗麿、恥ずかしながら、まったく存じ上げませんでした。しかも「人間国宝」、「重要無形文化財保持者」の人を「人間国宝」というのだそうです。「陶芸」の分野でも、たくさんの人間国宝がいるようです。


石黒宗麿の年譜を見ると、以下のようにあります。

・大正7年、曜変天目茶碗(稲葉天目)を見て感動し、陶芸を志します。

・昭和27年、天目釉の技で国の無形文化財に選定されます。

・昭和30年、鉄釉陶器で人間国宝に認定されます。


展覧会の構成は、以下の通りです。このタイトルを見ただけでも、陶芸の技法がたくさん詰まっています。もちろん会場では、タイトルとともに丁寧な解説がそれぞれ施されています。今回は図録を購入していないので画像もなく、詳細はわかりません。


1.三彩釉

2.鈞窯

3.磁州窯

4.刷毛目

5.柿釉

6.金彩

7.黒釉

8.唐津

9.宋赤絵

10.チョーク描

11.彩瓷

12.楽

13.その他 辰砂・織部・志野

14.線刻

15.型の使用

16.書画

参考古陶磁


展覧会場の解説文のなかに、興味深い個所が二つありました。

一つは、石黒宗麿のスケッチブックに、「竹内栖鳳、宋赤絵」というメモがあったそうです。竹内栖鳳がどのような石黒の宋赤絵を所蔵していたかは、いまとなってはわからないようです。
もう一つは、昭和27年、大本教、王仁三郎の娘・直日と尚江に手ほどきをした、とあります。あの出口王仁三郎の娘です。直日は、大本教三代目教主となります。多芸多才な直日について、後々、石黒宗麿は、以下のようにいったという。少し長いが、以下に引用しておきます。


「平凡と凡庸とは隣りあわせに存在する。しかし、平凡にして凡庸ならざるものには、言いしれぬ深さと気高さがにじみ出てくる。その人の本質、すなわち《人柄》と《心境》の高さが、作りあげていった《モノ》こそは、突飛な技巧など足もとにもおよばないものである。私が直日さんの陶芸作品を高く評価している所以は、この点にある。何気なく作られた作品の中に驚くべきものを発見することがしばしばある。直日さんの人間性の高さがそこに結晶されている。われわれはそれに頭を下げる」
「始めから悠々と遊ぶ大器の人である。何でも知っていて、その片鱗もひらめかさないし、高い教養を蔵しながら、深く沈潜して発せずという人である。愛情を込めて作られる仕事の悦びは、上手とか下手とか常識ではきめられないものである」


展示された作品の一部




「最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて」

石黒宗麿(1893-1968)は特定の師を持たず、古陶磁に学びながら、独創的な陶芸と書画の世界に生きた陶芸家です。昭和30(1955)年に重要無形文化財保持者(人間国宝)の制度が誕生すると、富本健吉、濱田庄司、荒川豊蔵と共に、初めて認定を受けました。その作品は自由な精神と卓越した技術、感性に裏付けされたもので、単なる伝統の模倣にとどまることはなく、近代感覚に溢れ、生き生きとした独自の世界を創りあげています。なお石黒は大正10(1921)年には松涛に住み、窯を築いており、この地に縁のある人物でもあります。本展は、綿密な作品調査によって選定した陶芸作品約130店と書画約35点を、近年の研究に基づく新たな制作年代順に展示、紹介します。 石黒宗麿の本格的な回顧展は20年ぶりです。自らを異端と称した石黒の斬新で品格のある世界をぜひお楽しみください。


「松涛美術館」ホームページ


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