府中市美術館で「ふつうの系譜」(後期)を観た!その1 | とんとん・にっき

府中市美術館で「ふつうの系譜」(後期)を観た!その1

「ふつうの系譜」チラシ
 

「ふつうの系譜」案内板
 
「ふつうの系譜」案内板
 
「ふつうの系譜」案内板
 

*2020年に新型コロナウイルス感染症の影響により途中閉幕となった展覧会を再度開催いたします。

2022年3月12日(土曜日)から5月8日(日曜日)まで

 前期:3月12日(土曜日)から4月10日(日曜日)
 後期:4月12日(火曜日)から5月8日(日曜日)

 

*本展は、2020年3月に開幕し、途中閉幕となった同題展覧会を再開催するものです。前期・後期の展示予定を見直して再構成していますので、ご注意ください。

この展覧会、途中閉幕になる前に僕は観に行ってます。

 

以下、「ふつうの系譜」(後期)

 

府中市美術館で「ふつうの系譜」(後期)を観てきました。観に行ったのは、4月20日のことでした。

 

府中市美術館は、「誰もがきれいだと思うような、ふつうに美しいものを作った画家が取り上げられています」。題して「ふつうの系譜」です。

奇想があるなら「ふつう」もあります…と、サブタイトルが付いています。

 

作品は、ほとんど全部が敦賀市立博物館の江戸絵画コレクションから。でも難しい、「奇想」と「ふつう」の分かれ目が…。

 

 
以下、美術館のホームページから…。
 
「ふつう」の絵画史とは?
「奇想」への注目によって「ふつう」になってしまった江戸時代の「きれいなものづくり」──そこには、豊かな歴史と美の手法が生きています。そんな「ふつう」の魅力を知れば、奇想も、そして「日本美術史」という更なる広い世界も、もっともっと輝いて見えることでしょう。
 
美術史のメインストリーム(=ふつう)を俯瞰する
若冲ら「奇想」に対する「ふつう」の絵画とは? 土佐派や狩野派、円山四条派など、美術界のメインストリームで「きれいなものづくり」に情熱を傾けた画家たちの仕事を紹介します。
 
「敦賀コレクション」は「美しい絵」の宝庫
ただただ美しいこと。それも美術との出会いにおける大切な「驚き」のひとつです。敦賀市立博物館の江戸絵画コレクションから、選りすぐりの「美しい」作品群がやってきます。
 
「ふつう」と「奇想」の間にあるユニークな画家の作品も揃う
これは「奇想」?それとも「ふつう」? そんな、ちょっと迷ってしまうような作品も、あえてご覧いただきます。今は「奇想」に見えても昔は「ふつう」だった、あるいはその逆の作品もあるかもしれません。
 
動物絵画もたくさん揃う
「春の江戸絵画まつり」では、これまでにも江戸時代の動物絵画を取り上げてきました。今回は、動物絵画における「ふつう」について考えてみます。
 

展覧会の構成は、以下の通りです。

作品数が多いので、その1とその2にわけて載せます。

(その1)

Ⅰ ふつうの絵画史

 1 専門は「まろ画」 土佐派とやまと絵

 2 専門は「中国」を見せること 狩野派

 3 「斬新」から、あっという間に「ふつう」へ

(その2)

 4 パーフェクトな形 原在中と原派

 5 「奇想」と「ふつう」の間 岸駒と岸派

 6 「ふつう画」のゆくえ 明治以降の画家

Ⅱ ふつう画の楽しみ方

 1 「精密さ」と「たゆたう感じ」

 2 「絵の具の美しさ」と墨の深さ「」

 

 

「ふつう」でないもの、たとえば又兵衛と蕭白

 

伝岩佐又兵衛「妖怪退治図屏風」右隻、個人蔵

 

伝岩佐又兵衛「妖怪退治図屏風」左隻、個人蔵

 

  

左:曽我蕭白「鍾馗図」
中:曽我蕭白「山水図」
右:曽我蕭白「騎驢馬人物図」
 

Ⅰ ふつうの絵画史

 1 専門は「まろ画」 土佐派とやまと絵

 

土佐光ざね「仙洞御所修学寺御幸図」

 

土佐光文「清涼殿前歌舞図」

 

土佐光成「七夕図」

 

土佐光起「菊鶉図」

 

板谷広長「業平東下り図」
 

 

冷泉為恭「高台・日・月図」

 

田中訥言「鶴包丁図」

 

 2 専門は「中国」を見せること 狩野派

 

狩野探幽「朝陽鷹図」

 

狩野探幽「山水図」

 

狩野常信「東方朔・獅子・諫鼓図」

 

狩野養信「日月岩波図」

 

3 「斬新」から、あっという間に「ふつう」へ

 

円山応挙「相生松図」

 

円山応挙「狗子図」

 

源琦「菊慈童図」

 

源琦「藍釆和図」

 

森狙仙「藤下遊猿図」

 

  

松村景文「月・山桜小禽・山茶花鴛鴦図」

 

左:呉春「柳枝小禽図」
右:松村景文「合歓花小禽図」

 

以下、その2

 

ふつうの系譜

「奇想」があるなら「ふつう」もあります

京の絵画と敦賀コレクション

いま、江戸時代の画家の中で、伊藤若冲や曽我蕭白ら「奇想の画家」が人気です。鮮やかな色やおかしな形にあふれた若冲の絵も、蕭白の奇怪な人物画も、強烈で奇抜で、心を揺さぶります。
しかし考えてみれば、「奇想」という魅力は、「そうではないもの」、つまり「ふつう」があって初めて成り立つのかもしれません。
美術はすべて「驚き」です。奇想の作品のように、呆気にとられたり気持ち悪かったりすることもあれば、きらきらした美しさにときめいたり、あるいは、穏やかな夢心地を味わえる絵もあります。描き手たちは、一枚の平らな画面の上に、見た人の心をさまざまに動かすための技術や工夫を込めてきたのです。
「奇想」への注目によって「ふつう」になってしまった江戸時代の「きれいなものづくり」ですが、そこには、豊かな歴史と美の手法が生きています。そんな「ふつう」の魅力を知れば、奇想も、そして「日本美術史」という更なる広い世界も、もっともっと輝いて見えることでしょう。

 

「府中市美術館」ホームページ

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

 

ふつうの系譜

「奇想」があるなら「ふつう」もあります

京の絵画と敦賀コレクション

図録

主催:府中市美術館

特別協力:敦賀市立美術館

発行日より:2020年3月14日

発行:府中市美術館

 

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