府中市美術館で「長谷川利行展 七色の東京」(後期)を観てきました。観に行ったのは、6月12日のことでした。
昨年3月に、NHKEテレで下記の番組を観ました。これを観て一気に僕の長谷川利行の理解が深まりました。
さて、府中市美術館の「長谷川利行展」、展覧会の構成は、以下の通りです。
Ⅰ 上京―1929 日暮里:震災復興の中を歩く
Ⅱ 1930-1935 山谷・浅草:街がアトリエになる
Ⅲ 1936―死 新宿・三河島:美はどん底から生じる
Ⅰ 上京―1929 日暮里:震災復興の中を歩く
Ⅱ 1930-1935 山谷・浅草:街がアトリエになる
Ⅲ 1936―死 新宿・三河島:美はどん底から生じる
「長谷川利行展 七色の東京」
関東大震災から太平洋戦争の直前まで、昭和初期の東京を歩き回り、怒濤のように描きまくった画家がいました。近代化が進む荒川・隅田川沿い、千住のガスタンクやお化け煙突。隅田公園にできたばかりの屋外プール。あるいは浅草の神谷バー、カフェ、地下鉄の駅の賑わい。その街に暮らす、カフェの女給や浅草の芸人、質屋の子守といった無名の人々。復興進む大東京の光と影を、七色に輝く絵の具で描きとめました。
長谷川利行(はせかわとしゆき、1891-1940)、通称リコウ。京都に生まれ、20代は短歌の道を志し、30歳を過ぎてから上京。ほとんど独学と思われる油絵が二科展や1930年協会展で認められます。しかし生活の面では、生来の放浪癖からか、浅草や山谷、新宿の簡易宿泊所を転々とするようになり、最後は三河島の路上で倒れ、板橋の東京市養育院で誰の看取りも無く49年の生涯を閉じます。
利行の絵はその壮絶な生き様からは想像できないほど、明るい輝きに満ちて、時に幸福感さえ感じさせます。奔放に走る線、踊るような絵の具のかたまりが、行く先々の現場で描いた利行の目と手の動きをそのまま伝えます。本展では、近年の再発見作《カフェ・パウリスタ》《水泳場》、約40年ぶりの公開となる《夏の遊園地》、そして新発見の大作《白い背景の人物》など、代表作を含む約140点で利行の芸術の全貌を紹介します。
「長谷川利行展」
図録
編集:
福島県立美術館
府中市美術館
碧南市藤井達吉現代美術館
久留米市美術館
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発行:
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