府中市美術館で「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」を観てきました。タイトルの後に「どこまで本気なのか?」がついてます。観に行ったのは、桜が咲き始まった3月28日のことでした。
自分が「へそまがり」なもので、こういう「へそまがりの感性」を切り口にした展覧会は、大好きです。「ゆるい」、最高!「朴訥」、最高!「ヘタウマ」最高!タガが外れたへそまがりの感性、最高です!
よくぞここまで作品を集めましたね。敢闘賞ものです。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第一章 別世界への案内役・禅画
第二章 何かを超える
一、俳画と南画
二、稚拙みと「ヘタウマ」
三、お殿さまの絵の謎
第三章 突拍子もない造形
第四章 苦しみとおとぼけ
一、苦み
二、おとぼけ感覚
展覧会のみどころは、以下の通りです。
みどころ1
日本初!「へそまがり」で美術史を俯瞰する展覧会。
みどころ2
破壊力のある作品が勢ぞろい!
みどころ3
「奇想の画家」の作品も多数登場!
みどころ4
あの名刹の、あの大作が東京へ。
「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」
第一章 別世界への案内役・禅画
達磨の顔によく似てる龍!
第二章 何かを超える
「素朴み」「稚拙み」、「下手に描く」
胴と手足を別々に作って縫い合わせた人形のよう
お殿さまの絵の謎
以下は「その2」へ
第三章 突拍子もない造形
第四章 苦しみとおとぼけ
「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」
人は、見事な美しさや完璧な美しさに、大きな感動を覚えます。しかしその一方で、きれいとは言いがたいもの、不格好で不完全なものに心惹かれることもあるでしょう。「へそまがりの心の働き」とでも言ったらよいでしょうか。
例えば、禅画に描かれた寒山拾得の二人は、不可解さで見る者を引きつけます。また、江戸時代の文人画ぶんじんがには、思わず「ヘタウマ?」と言いたくなるような作品があります。文人画ぶんじんがの世界では、あえて朴訥に描くことで、汚れのない無垢な心を表現できると考えられていたのです。
あるいは、徳川家光が描いた《兎図》はどうでしょうか。将軍や殿様が描いた絵には、ときおり見た人が「???」となるような、何と言い表せばよいか困ってしまうような「立派な」作品があります。描き手が超越した存在であることと、関係があるのかもしれません。更に近代にも、子供が描いた絵を手本にして「素朴」にのめり込む画家たちがいました。
この展覧会では、 中世の禅画から現代のヘタウマまで、 日本の美術史に点在する「へそまがりの心の働き」の成果をご覧いただきます。へそまがりの感性が生んだ、輝かしくも悩ましい作品の数々を眺めれば、日本美術のもう一つの何かが見えてくるかもしれません。
「府中市美術館」ホームページ
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」
図録
朝日新聞:2019年
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