府中市美術館で「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」を観た!その1 | とんとん・にっき

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「へそまがり美本美術」チラシ

 

「府中の森公園」3月28日、桜が咲き始めました。

 

「へそまがり日本美術」案内板

 

「へそまがり日本美術」案内板

 

伊藤若冲「福禄寿図」垂幕

 

府中市美術館で「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」を観てきました。タイトルの後に「どこまで本気なのか?」がついてます。観に行ったのは、桜が咲き始まった3月28日のことでした。

 

自分が「へそまがり」なもので、こういう「へそまがりの感性」を切り口にした展覧会は、大好きです。「ゆるい」、最高!「朴訥」、最高!「ヘタウマ」最高!タガが外れたへそまがりの感性、最高です!

 

よくぞここまで作品を集めましたね。敢闘賞ものです。

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

 

第一章 別世界への案内役・禅画

第二章 何かを超える

  一、俳画と南画

  二、稚拙みと「ヘタウマ」

  三、お殿さまの絵の謎

第三章 突拍子もない造形

第四章 苦しみとおとぼけ

  一、苦み

  二、おとぼけ感覚

 

展覧会のみどころは、以下の通りです。

みどころ1

  日本初!「へそまがり」で美術史を俯瞰する展覧会。

みどころ2

  破壊力のある作品が勢ぞろい!

みどころ3

  「奇想の画家」の作品も多数登場!

みどころ4

  あの名刹の、あの大作が東京へ。

 

「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」

 

第一章 別世界への案内役・禅画

 

雪村周継「あくび布袋・紅梅・白梅図」室町時代(16世紀)

 

左:雪村周継「寒山図」室町時代(16世紀)
右:狩野山雪「松に小禽・梟図」
江戸時代前期(17世紀)
 

海北友雪「雲龍図襖」右

 

達磨の顔によく似てる龍!

海北友雪「雲龍図襖」左

 

白隠慧鶴「布袋図」江戸時代中期(18世紀後半)

 

左:福原五岳「面壁達磨図」天明3年(1783)
右:東嶺円慈「禅経達磨之尊像」
天明元年(1781)

 

左:惟精宗磬「断臂図」大正11年(1922)
右:春叢紹珠「皿回し布袋図」江戸時代中期
~後期(18請求後半~19世紀前半)

 

長澤蘆雪「寒山拾得図」
江戸時代中期(18世紀後半)

 

左:円山応挙「時雨狗子図」
明和4年(1767)
右:長澤蘆雪「狗子図」
江戸時代中期(18世紀後半)
 

第二章 何かを超える

 

左:遠藤曰人「蛙の相撲図」
江戸時代後期(19世紀前半)
右:池大雅「怪鬼弾琴図」
江戸時代中期(18世紀)

 

左:岡田美術館米山人「幽客煎茶図」
文政元年(1818)
右:夏目漱石「柳下騎驢図」
大正時代前半頃(1912~16)

 

左:伊藤若冲「伏見人形図」
寛政10年(1798)
右:忍頂寺静村「坂田金時図」
明治4年(1871)

 

「素朴み」「稚拙み」、「下手に描く」

 

アンリ・ルソー
「フリュマンス・ビシュの肖像」
1893(明治26)年頃

 

胴と手足を別々に作って縫い合わせた人形のよう

三岸好太郎「友人ノ肖像」
大正13年(1924)

お殿さまの絵の謎

 

左:徳川家光「木兎図」
江戸時代前期(17世紀前半)
右:徳川家光「兎図」
江戸時代前期(117世紀前半)

 

以下は「その2」へ

第三章 突拍子もない造形

第四章 苦しみとおとぼけ

 

「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」

人は、見事な美しさや完璧な美しさに、大きな感動を覚えます。しかしその一方で、きれいとは言いがたいもの、不格好で不完全なものに心惹かれることもあるでしょう。「へそまがりの心の働き」とでも言ったらよいでしょうか。
例えば、禅画に描かれた寒山拾得の二人は、不可解さで見る者を引きつけます。また、江戸時代の文人画ぶんじんがには、思わず「ヘタウマ?」と言いたくなるような作品があります。文人画ぶんじんがの世界では、あえて朴訥に描くことで、汚れのない無垢な心を表現できると考えられていたのです。
あるいは、徳川家光が描いた《兎図》はどうでしょうか。将軍や殿様が描いた絵には、ときおり見た人が「???」となるような、何と言い表せばよいか困ってしまうような「立派な」作品があります。描き手が超越した存在であることと、関係があるのかもしれません。更に近代にも、子供が描いた絵を手本にして「素朴」にのめり込む画家たちがいました。
この展覧会では、 中世の禅画から現代のヘタウマまで、 日本の美術史に点在する「へそまがりの心の働き」の成果をご覧いただきます。へそまがりの感性が生んだ、輝かしくも悩ましい作品の数々を眺めれば、日本美術のもう一つの何かが見えてくるかもしれません。

 

「府中市美術館」ホームページ

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

 

「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」

図録

 

朝日新聞:2019年

 

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