藤井六冠応援ブログ

藤井六冠応援ブログ

藤井七冠の対局速報などを発信しています。

※登場する人物・団体名等は、架空のもので実在しません。

 

 

新作です。オリジナル・ジャズバラードです。

 

 

【これまでの主な登場人物】

雲母 岳
36歳独身
ランキングEクラス棋士四段
大記録を目指して奮闘中





 
町田 凛子
31歳独身
女流棋士
雲母とは、錬成会の同期
雲母の活躍を心から願う存在
居酒屋「凜」の女将


 
臥龍岡 拓磨
名人位、龍将位、十段位の三つを保持している棋界の第一人者
雲母とは錬成会の同期






 
水原 連
元錬成会三段
東都大学の准教授
将棋AIソフト「水蓮」の作者
雲母の後輩






 

中根 誠
将棋連合会会長
第20世名人
雲母の師匠






 

 

 

将棋小説「背徳の棋譜」バックナンバー

 

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プロローグ⑥

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プロローグ④

プロローグ③

プロローグ②

プロローグ①

 

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【第67期王位戦 第2局】
藤井聡太王位の完勝譜
   ~激闘の一局を振り返る

 藤井聡太王位に伊藤匠二冠が挑戦する「伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦七番勝負」の第2局が7月15、16日の両日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で行われ、藤井王位が伊藤二冠を100手で下して今シリーズ初白星を挙げました。この結果、七番勝負の成績は両者1勝1敗のタイとなりました。

  序盤:静かな幕開けに潜む火花

 王位戦第2局の幕が上がった朝、盤上にはまだ静けさが漂っていました。しかしその静けさは、嵐の前の静けさにほかならなかったのです。伊藤二冠は《2六歩》《2五歩》と、迷いなく飛車先を伸ばし、攻めの意志を早々に盤上へ刻みつけました。藤井王位は《8四歩》《8五歩》と応じ、飛車先交換から《8六歩同歩同飛》と進めて《8五飛》へ。軽やかに浮いたその飛車は、まるで風を読む鳥のように、盤上の気配を敏感に捉えていました。

伊藤二冠は《7八金》《3八銀》と、玉を固める前に前線へ駒を繰り出します。攻めの姿勢を隠さないその構えは、若き二冠の気迫そのものです。一方、藤井王位は《5二玉》《3二金》と、柔らかく玉を落ち着かせ、無理に反発せず、相手の出方を静かに見つめます。

序盤の焦点となったのは《8五飛》の位置取りでした。軽さと柔らかさを兼ね備えたこの一手が、伊藤二冠の攻め筋を限定し、藤井王位の構想に広がりを与えます。静かな序盤の中にも、両者の気迫が交錯し、盤上にはすでに熱が宿り始めていました。

 図1:29手目 ▲75飛 の局面 
 

  中盤:角交換の火花が散る~形勢を引き寄せた4九角

 中盤に差し掛かると、盤上の空気は一気に張り詰めていきます。伊藤二冠が《3七桂》と跳ねた瞬間、局面は動き出しました。藤井王位はその桂跳ねを受け止めるのではなく、逆に利用するように《8八角成》と踏み込みます。角交換を強行するその一手は、静かに見えて大胆で、藤井王位らしい構想力が滲み出ていました。

 角が盤上から消えたあと、伊藤二冠は《5五角》《6六角》と鋭い角打ちを連発し、主導権を握りにいきます。盤上に角の軌跡が交差するたび、観る者の胸にも緊張が走ります。しかし藤井王位は《同飛》《同歩》と受け止め、さらに《4九角》と打ち込んで飛車の横利きを遮断します。この《4九角》は、攻めと受けを兼ねた妙手であり、局面の流れを後手へと引き寄せる決定打となりました。

 伊藤二冠は《2四飛》《2六飛》と飛車をさばこうとしますが、藤井王位は《2三歩》《5五角》と角を捌き切り、駒の働きで優位を築いていきます。角交換戦は、両者の構想が激しくぶつかり合う名場面でしたが、最後に主導権を握ったのは藤井王位でした。盤上には、静かにして確かな差が生まれ始めていました。

図2:56手目 △4九角 の局面 

 

 中盤後半、藤井王位の構想が静かに形を帯びていきます。《1七角成》で生まれた馬は、盤上の空気を一変させる存在でした。《2七馬》《1六馬》《3八馬》と、馬がゆっくりと、しかし確実に先手陣へ食い込み、伊藤二冠の駒組をじわりと分断していきます。

 劣勢を悟った伊藤二冠は、反撃の糸口を求めて《8四桂》と跳ねます。端から飛び出した桂は、藤井陣の要所を狙う鋭い一手であり、続く《4五桂》にも若き二冠の気迫が宿っています。しかし藤井王位は《4五同歩》と冷静に桂を払うと、すぐさま《7六桂打》を投入します。駒台から打ち込まれたこの桂は、馬と連動しながら先手玉へ圧力をかける、藤井王位らしい柔らかさと鋭さが同居した一着でした。

 さらに藤井王位は《7四香打》と香を打ち込み、7筋から攻めの速度を一段と上げます。伊藤二冠は《7九玉》とかわし、《9七銀》と銀を上がって受けの形を整えますが、藤井王位は《2九と》と食い込み、攻めの流れを途切れさせません。先手は《同飛》《4九飛》と粘りますが、藤井王位は《3八馬》《同馬》と馬を自在に操り、盤上の支配力をさらに強めます。

続く《8三角打》は伊藤二冠の勝負手で、盤上の空気は一段と張り詰めていきます。しかし藤井王位の駒組は揺らぐことなく、馬・角・飛車が美しく連動し、終盤戦への扉が静かに開いていきました。

図3:78手目 △7六桂 の局面 

  終盤:角成と飛成が描く、静かな決着

 終盤戦に入ると、盤上の駒たちは一気に速度を増して動き始めます。《8三角打》と放った伊藤二冠の角は、藤井玉をにらみつける鋭い一手でした。藤井王位はそれを正面から受け止めるのではなく、さらに踏み込む選択をします。《3九飛打》。先手陣の深部へ飛車を打ち込み、攻めの継続を図ります。

伊藤二冠は《6一角成》と角を成り込み、藤井玉に迫りますが、藤井王位は《同玉》と落ち着いて応じます。続く《4一飛打》は、玉頭を叩く厳しい一手。しかし藤井王位は《5一角打》と受けの角を打ち、飛車の利きを遮断します。ここで受けの形が整い、後手玉は一気に安定感を増していきます。

 伊藤二冠は《6九金打》と自玉を補強しつつ、攻防の要を作ろうとしますが、藤井王位は《8八歩打》と一歩を打ち、先手陣の逃げ道を狭めていきます。続く《3一飛成》は伊藤二冠の最後の攻めの拠点づくりでしたが、藤井王位は《5八馬》と馬を進め、金を奪いながら先手玉の周囲をさらに重くします。

 伊藤二冠は《7二銀打》と粘りを見せますが、藤井王位は《5二玉》とかわし、《2二龍》にも《4二角》と応じて、攻めを完全に受け切ります。最終局面では、藤井王位の馬・角・龍が盤上に残り、先手玉は重く、逃げ道も乏しい形となっていました。静かな手つきで積み上げられた受けと攻めが、やがて確かな勝利の形となって結実した終盤でした。

図4:投了図

 

 同学年のライバルである伊藤二冠の勢いを止め、シリーズ成績を即座にタイに戻した藤井王位。両者の意地とプライドが激しくぶつかる黄金カードは、ここからさらに熾烈を極めることになります。
 注目の第3局は7月29、30日の両日、北海道登別市の「祝いの宿 登別グランドホテル」で行われます。

 

【癒やしのCover】新作です。是非、聴いてみてください。よろしくお願いします!!

 

 

 

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【第97期棋聖戦第3局】
藤井聡太棋聖が3連勝で7連覇
~序盤・中盤・終盤の三部構成で振り返る

 2026年7月1日に行われました第97期棋聖戦五番勝負・第3局は、藤井聡太棋聖が服部慎一郎七段に87手で勝利し、3連勝で7連覇を達成しました。
 本稿では、棋譜に沿いながら「序盤・中盤・終盤」の三部構成で、この一局の魅力を丁寧に振り返ってまいります。

  序盤:角交換から静かに始まる駒組みの緊張

 藤井棋聖の▲2六歩、▲2五歩という角換わりを示す出だしに対し、服部七段は△8四歩〜△8五歩と飛車先を伸ばし、角交換を誘う姿勢を見せます。10手目の△7七角成から▲同銀で角交換が成立すると、盤上は「角換わり腰掛け銀」の典型形へ向かいます。

 ここから両者は、互いに玉を深く囲い、金銀を丁寧に配置する静かな駒組みへと入っていきます。服部七段は△3二金〜△3三銀と銀を腰掛け銀に据え、さらに△6二銀〜△6三銀と玉頭を厚くする構えを選びます。玉は△6二玉〜△7二玉と移動し、金も△6一金〜△5一金〜△4二金〜△5二金と、後手陣は「金銀の壁」を築くように固められていきます。

 一方の藤井棋聖は▲4八銀〜▲4七銀と銀を前に出しつつ、▲6八玉〜▲7九玉〜▲8八玉と玉を深く囲い、▲7八金・▲6八金・▲5九金・▲4九金と金を総動員して盤全体のバランスを整えます。特に▲4六歩(15手目)と▲3六歩(19手目)は、中央と右辺の位を確保し、後手の銀の進出を牽制する意味を含む布石であり、後の中央戦の伏線となります。

 序盤は互いに戦いを急がず、しかし一手一手が後の衝突に直結する“静の緊張”が張り詰めていました。

 図1:29手目 ▲75飛 の局面 
 

  中盤:4筋・5筋で火花が散る。局面を揺らした△4六飛

 中盤の戦いは、▲4五歩(53手目)で中央の位を取った瞬間から一気に動き出します。服部七段は△5五歩(54手目)と即座に反発し、盤上は静から動へと転じます。続く▲4四歩(57手目)に△同銀(58手目)と応じると、中央が大きく開き、両者の銀・金・歩が複雑に絡み合う乱戦へ突入します。

 この乱戦の最高潮が、64手目の△4六飛です。先手が▲5六歩〜△同歩〜▲同銀と銀を前に出した直後、その頭を叩くように飛車を打ち込んだこの一手は、銀の進出を咎め、4筋の歩を狙い、さらに先手陣の急所を直撃する三重の意味を持つ渾身の勝負手でした。形勢はここで大きく揺れ動き、後手が主導権を握ったようにも見える場面でした。

 しかし藤井棋聖は、▲4五桂(65手目)で飛車の利きを遮断し、中央の制空権を奪い返します。さらに▲5八飛(67手目)で飛車を活用し、乱戦の中でも攻めと受けの均衡を崩しません。服部七段は△5五歩打や△5一銀打などで粘り強く応じますが、藤井棋聖は▲5三歩成〜▲5二とと確実に駒を前線へ送り込み、局面の主導権を徐々に取り戻していきます。

 中盤は、両者の読みが交錯する濃密な攻防であり、特に△4六飛を境に形勢が大きく揺れたことが本局のドラマを生みました。

図2:64手目 △46飛 の局面 

 

 この46飛は、銀取りと飛車なりを見た当然の一手に思われました。しかし、これは、藤井棋聖が仕掛けた「毒まんじゅう」だったのです。服部七段は、先手の次の一手を軽視していたのかもしれません。ここでは、62銀とじっくり構えておくのが正解でした。

図3:65手目。▲45桂の局面
 
 この45桂に対して、56飛と浮いている銀を取る手は、▲5三桂成(45) △同 金(52) ▲4五銀打 の順で、先手が優勢になります。

  終盤:金の動きと角成りが収束を決める、藤井棋聖の精密な勝ち切り

 終盤は、藤井棋聖の精度が一気に表面化する時間帯となりました。服部七段が△7五歩〜△同歩で端を絡めて粘りを見せる中、藤井棋聖は▲5五金打(77手目)と力強く金を前線へ投入します。この金は▲6四金(81手目)と進出し、後手の攻め駒を分断する要所を次々と押さえていきます。金の動きによって後手の龍・銀・飛車の連携が崩れ、局面は先手優勢へと傾きます。

 服部七段は△4七飛成(78手目)で龍を作り反撃しますが、藤井棋聖は▲5六飛(79手目)で冷静にぶつけ、攻めの勢いを削ぎ落とします。さらに▲7四歩打〜▲7三歩成と端攻めを絡めて後手玉の逃げ道を狭めていき、△同銀と取らせた瞬間に▲7一角成(87手目)を放ちます。

 この角成りは、後手玉の退路を完全に封鎖する決定打であり、詰めろ級の厳しい一手でした。ここで服部七段は投了し、藤井棋聖が87手で勝利を収めました。

図4:投了図

 

 藤井六冠のタイトル獲得数はこれで36期となりました。うち4割以上の15回がストレート勝利(王将戦2、名人戦1、竜王戦3、叡王戦1、王位戦1、王座戦1、棋王戦2、棋聖戦4=いずれも千日手、持将棋を除く)で、圧勝ぶりがひときわ目立ちます。

 

【癒やしのCover】新作です。是非、聴いてみてください。よろしくお願いします!!

 

 

 

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