【第84期名人戦第3局】
形勢判断&速報
2日目が始まりました。さて、展開はどのように進むのでしょうか。終局まで、目が離せませんね。
もうすぐ9時になりますので、封じ手の開封です。
封じ手開封
難解な中盤
形勢やや後手に傾く
先手優勢
華麗な即詰み
【癒やしのCover】新作です。是非、聴いてみてください。よろしくお願いします!!
将棋小説「背徳の棋譜」絶賛連載中!!
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※登場する人物・団体名等は、架空のもので実在しません。
二日後、雲母は将棋会館の対局室にいた。早指しの銀河王戦の予選であった。この棋戦は、早指しのため、勝てばもう一局すという変則的なものだ。今日連勝できれば、連勝記録更新に大きく前進する。対戦相手は、糸山八段。糸山八段は早指しで知られる強豪で、ランキングA に所属するトップ棋士である。午前九時、対局が始まった。先手は、糸山八段である。初手、1六歩。いきなり変則な一手が飛び出した。しかし、雲母は驚く様子もなく、淡々と飛車先の歩を伸ばした。この変則的な初手を、雲母は何度か経験していたからである。雲母の8四歩を待って、糸山八段はさらに端歩を伸ばした。雲母も8五歩と飛車先を伸ばした。二十一手目、先手は飛車を5八へと移動させた。雲母は、7六飛車の横歩取りから二筋へと飛車を転回させた。この時点で、形勢は後手の雲母が指しやすいものとなっていた。
この対局を検討していた若手棋士たちは、雲母の飛車の動きに注目していた。
「後手の飛車が十字に活躍しているなあ。これは、糸山八段は苦しいかも・・・。」
「そうですねえ。この後、後手の飛車は8筋に戻り、局面をさらに有利に持って行けそうで すね。」
「それにしても、端歩の連打には驚きましたねえ。」
「ですねえ。まあ、糸山八段ならやりそうですけれどね。」
局面は、中盤を迎えていた。先手陣は、5筋に飛車と角が縦に並ぶ珍しい形になっていた。形勢は、後手の雲母の有利な展開であった。先手は、飛車を3筋に移動させ局面の打開を図るが、この構想がやや無理筋で、後手の有利が拡大してしまった。終盤、先手の1筋からの攻めが続いたが、雲母が冷静に先手玉を追い詰めることに成功。136手で糸山八段が投了を告げた。
「5六に飛車を浮いた手が悪かったですかねえ。」
「うーん。この局面では、3六歩、3七桂という手順がちょっと気になっていました。」
「なるほど。右桂の活用ですか・・・」
感想戦は小一時間ほど続いた。不思議なことに初手からの歩の連打については、全く触れらなかった。午前十一時三十分、感想戦が終わったとこで、銀河王戦担当者から連絡が入った。
「雲母先生、午後の対局は十三時からとなります。昼食は控え室にご用意しましたので。午 後の対局室は、三階の特別室です。よろしくお願いします。」
「承知しました。ありがとうございます。」
難敵を下し連勝記録を26と伸ばした雲母は、控え室に行く途中会長室へ向かった。
「先生、いらっしゃいますか?」
「おう、雲母君か。どうぞ、どうぞ。」
「先生、お元気そうで何よりです。」
「心配かけたねえ。この通り、ピンピンしてるよ。幸い、何処も悪いところなしだよ。」
「そうですか。よかった。よかった。」
「それはそうと、対局はどうだったかな?」
「はい。何とか一勝を加えました。」
「おお、それは素晴らしい。じゃあ、午後も対局だね。」
「はい。十三時からです。」
「連勝を祈ってるよ。」
「ありがとうございます。気を引き締めていきます。では、また。」
会長室を出た雲母は、清々しい気分で控え室へと向かった。
新作です。カバー曲を作りました。
【これまでの主な登場人物】
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第84期名人戦七番勝負第2局は、シリーズの流れを大きく左右する重要な一戦となりました。藤井聡太名人が先勝して迎えた本局は、糸谷哲郎九段がどのように反撃の糸口をつかむのか、将棋ファンの注目が集まっていました。序盤は相掛かりの出だしから中央の主導権争いが激しく展開し、早い段階で角や銀がぶつかる力戦模様へと突入します。中盤では1筋での角の連打や香の取り合いが続き、盤面全体が緊張感に包まれる乱戦に。さらに終盤では、後手の玉頭からの猛攻に対し、藤井名人が冷静な受けで応じる高度な攻防が繰り広げられました。
本ブログでは、序盤・中盤・終盤の3つの項目で、対局の様子を振り返ります。
この応酬は、単なる歩の突き合いではなく、双方の“中盤以降の構想”がぶつかる重要な分岐点です。後手は中央を押さえて攻めの含みを持たせたい。一方、先手は中央を明け渡すと角の働きが鈍り、飛車の展開にも制約が生まれるため、ここで強く反発する必要がありました。結果として、中央は互角のまま乱戦へと突入し、局面は一気に複雑化します。序盤からこれほど主導権争いが激しくなる将棋は珍しく、両者の気迫が伝わる立ち上がりでした。
この乱戦の中で、藤井名人の▲2三飛成が勝負の分岐点となります。後手の守備駒が薄くなった瞬間を見逃さず、飛車を成り込んで主導権を握りにいく鋭い踏み込み。これにより、先手は攻めのリズムを取り戻し、後手は受けに回らざるを得ない展開となりました。1筋の攻防は形勢が何度も揺れ動く難解な戦いでしたが、最終的には先手が一歩抜け出す結果となり、本局の勝敗に直結する重要な局面となりました。
その後も先手は▲3三角打〜▲4四角成と馬を作り直し、後手の守備駒を削りながら着実に優勢を拡大。△2九飛成〜△4九龍と後手も粘りを見せましたが、▲5二歩成〜▲6一とと寄せの形を作り、最後は▲5九歩打で龍の利きを遮断して勝勢を確立しました。
