藤井七冠応援ブログ

藤井七冠応援ブログ

藤井七冠の対局速報などを発信しています。

※登場する人物・団体名等は、架空のもので実在しません。

 

 運命の大一番の日の朝、雲母は東部会館近くのホテルのロビーにいた。何故か、緊張感もさほど感じることなく、昨夜はぐっすりと睡眠を取ることができた。ほろ苦いコーヒーを飲みながら、対局開始時間までをゆったりと過ごしていた。すると、水原連が声をかけてきた。
「雲母先輩!おはようございます。」
「おおっ、水原君、奇遇だねえ。」
「ですねえ。私も先輩を見かけるとは思いませんでしたよ。」
「このホテルに泊まっていたのかい?」
「そうなんですよ。昨日ここで、情報技術関係の学会があったんですよ。」
「そうかあ。」
「先輩は対局ですか?」
「うん、大一番の日だよ。」
「ああ、そうでしたか。先輩、今日はきっと勝てますよ。何か、凄いオーラを感じます。」
「そうかい!いやあ、嬉しい言葉だねえ。頑張るよ。」
「先輩には、もっと上に上がってもらって、臥龍岡名人を叩き落としてほしいですから・・。」「水原君、君は・・・。」
「ええ、私は彼だけは許せませんから。そして、将棋界に対する恨みも消えていません。」
 その言葉を聞いて、雲母は暫し言葉が出なかった。
「君の思い、しっかりと受け止めたよ。きっと勝つからな。」
「吉報を待ってます。では、これから大学です。失礼します」
「じゃあ、また。」
 雲母は、水原の思いを知り、改めて身の引き締まる思いに包まれた。そして、しっかりとした足取りで、東部会館へと歩き出した。

 今日の対局相手は、羽柴九段であった。前代未踏の全冠制覇を成し遂げた棋界の象徴たる存在である。今は無冠ではあるが、衰えぬ棋力は、今もなお輝きを放っている。雲母は、最後になるかもしれない対局の相手が、羽柴九段であることに喜びすら感じていたのである。会館のロビーで、対局場を確認した雲母は、控え室で和服に着替えた。正に、タイトル戦のような正装であった。それだけ、この一番にかける思いが尋常ではないということの表れであった。



 

 

 

【これまでの主な登場人物】

雲母 岳
35歳独身
ランキング外棋士四段
ランキング外所属10年目で引退が迫る





 
町田 凛子
30歳独身
女流棋士
雲母とは、錬成会の同期
雲母のランキング昇格を心から願う存在
居酒屋「凜」の女将


 
臥龍岡 拓磨
名人位、龍将位、十段位の三つを保持している棋界の第一人者
雲母とは錬成会の同期






 
水原 連
元錬成会三段
東都大学の准教授
将棋AIソフト「水蓮」の作者
雲母の後輩






 

中根 誠
将棋連合会会長
第20世名人
雲母の師匠






 

 

 

写真ブログもよろしくお願いします

 

 

第65期王位戦7番勝負第2局 2日目 速報

 藤井聡太王位に、渡辺明九段が挑む「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負」の第2局2日目が、18日午前9時から北海道函館市のホテル「湯元啄木亭」で行われます。
 1日目は、互角の戦いが進み、53手目を渡辺九段が封じました。本日は、激しい駒のぶつかり合いが繰り広げられることでしょう。


 

時 間 状     況     等
7:30 おはようございます。2日目の朝です。

封じ手の局面です。私の予想は、「同角」ですが、どうなるでしょうか。
9:00 封じ手は、34角。予想が当たりました。
△同銀 ▲24飛 △23歩 ▲26飛 △25銀 ▲28飛 △34議
9:58 ▲74歩
10:40 後手の考慮中です。候補手としては、
①51金 ②37歩成
形勢は、先手がやや指しやすい。
11:12 △37歩成 ▲同銀 △38歩
この38歩は、悪手という判定です。形勢は、先手、有利です。
11:36 先手の考慮中です。候補手としては、①35歩の一手かと。歩成を防ぐ手もありますが、同飛はあると思います。流石に銀を引く手は・・・。
11:58 後手は、74の歩を取れないようでは非常に苦しいです。先手はいろんな手があって、困らない状況。先手は、この有利な局面をしっかりとものにしたいところです。
12:01 ▲35歩
12:30 昼食休憩。後手は、35歩を見落としたのでしょうか。この銀は、どう指し手も上手くいきません。とすれば、放置するのか。何れにしても、先手優勢に近い局面と言えます。
15:30 △同銀 ▲34歩 △45桂 ▲25飛 △44角
15:40 ▲46銀 △36銀 ▲45銀 △25銀 ▲44銀 △同歩 ▲21角
17:08 △31銀 ▲33歩成 △同金 ▲65角成 △89飛 ▲75馬
△83飛 ▲17桂 △44銀 ▲45歩 
17:30 △45銀 ▲65桂 △42銀 ▲25角 △43金 ▲53銀
△同銀 ▲43角成 △同玉 ▲55桂
まで、先手の勝ち
   
   
   
   
   
   
将棋小説「背徳の棋譜」絶賛連載中!!
構想3年。ブログ主オリジナルの長編小説です。

写真ブログもよろしくお願いします

 

 

第65期王位戦7番勝負第2局 速報

 藤井聡太王位に、渡辺明九段が挑む「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負」の第2局が、17日午前9時から北海道函館市のホテル「湯元啄木亭」で行われます。
 6、7日に名古屋市で指された第1局は、後手番の渡辺が藤井の仕掛けをうまく封じ、千日手になりました。指し直し局では勝勢になった渡辺が詰みを見逃し、藤井が逆転勝ちしました。
 本局は藤井王位が連勝してシリーズの流れをつかむのか、渡辺九段がタイに戻して巻き返すのか注目の一番です。


 

時 間 状     況     等
8:52 藤井王位が駒箱を開けて、駒並べが始まりました。本局は、渡辺九段の先手番です。どのような戦型になるのか、興味津々です。
9:00 先手は飛車先の歩。後手も追従して、戦型は相掛かり模様になっています。
9:33
11:11
第1局とは違って、落ち着いた感じです。じりじりとした中盤戦が続きそうです。形勢は、互角です。
11:30 後手の考慮中です。候補手としては、
①95歩 ②33桂
11:50 △33桂 ▲46銀 △74歩
12:30 昼食休憩。
 対局場の「湯元 啄木亭」は北海道の三大温泉郷に数えられる湯の川温泉にあるホテルです。最上階の露天風呂からは函館の景色が楽しめます。函館空港から車で約10分の距離にあり、近くには日本で最も長い歴史を持つ競馬場の函館競馬場があります。

【昼食メニュー】
  • 藤井聡太王位

    道南大地の恵み二段重箱、紅茶

    渡辺明九段

    幸極膳、アップルジュース

 
13:45 ▲35歩
14:52 △同歩 65分の長考でした。
15:37
▲58金 △75歩 
15:55 ▲56角
後手の考慮中です。候補手としては、
①88歩 ②86歩
16:39 △36歩 ▲26飛 △34角
18:00 53手目を渡辺九段が封じました。
封じ手予想は、「同角」とします。さて、明日はどのようなてんかいになるのでしょうか。楽しみですね。今日も、ありがとうございました。