Rubia argyi/Călătorie-カラトリア-
1. Rubia argyi
"tres flores,"シリーズの流れを汲む、Călătorie-カラトリア-のデジタルシングル。
"アカネ"を意味する「Rubia argyi」というタイトル。
花の名前を冠してリリースした三部作のスタンスを踏襲しており、ピアノとストリングスのみというアレンジにも、連続性が感じられます。
コンセプトを完結したうえで、これが発表されたということは、晴れて、Călătorie-カラトリア-の音楽性の一部に昇華されたということでしょう。
その「Rubia argyi」は、アレンジを極めてシンプルにしている一方で、アート性はたっぷり。
明確なサビを持たず、もっとも盛り上がるのが、歌詞のないコーラス風のパート。
メロディのリフレインも排除し、ワンコーラスで終わっていく構成も相まって、雰囲気に浸る、余韻を楽しむという狙いがありそうです。
歌声については、あえて掠れ気味で歌うことで、感情表現に振り切っている印象。
強みであったハリのあるロングトーンを抑えてまで、伝えたかった歌詞。
そのメッセージに込められた真意も、深掘りしたいところですね。
2分半というショートチューン。
ただし、それで物足りないということではなく、空白の中に無限のイマジネーションが広がっていくイメージ。
どちらかと言えば、過去をなぞるスタイルだったCălătorie-カラトリア-に、オリジナリティを意識した新機軸が出来上がった瞬間でした。
<過去のCălătorie-カラトリア-に関するレビュー>
「NO VISUAL, NO LIFE~GIANT KILLING~」購入者特典CD
「琥珀の花 -alius fabula-」「[kˈəʊmə]」
「 AMNESIA ~鏡に映る偽りの愛の中で~ 」「 栃の葉ヱレジィ ~愛憎編~ 」