Psycho Neuropathy~人格障害ノ君ト精神異常ノ僕~/Călătorie-カラトリア-
Psycho Neuropathy ~人格障害ノ君ト精神異常ノ僕~ 200円 Amazon |
1. Psycho Neuropathy~人格障害ノ君ト精神異常ノ僕~
the Bottom of Despair/Călătorie-カラトリア-
the Bottom of Despair [Explicit] 200円 Amazon |
2. the Bottom of Despair
ヴィジュアル博士のるによる2nd&3rdデジタルシングル。
いずれも配信限定でのリリースとなります。
毎月1曲、12ヵ月連続で作品を発表していく"3×4プロジェクト"。
各々、彼のルーツとなっている異なるタイプの楽曲を送り込む計画のようで、どちらもまったく違った毛色のナンバーとなっていますね。
「Psycho Neuropathy~人格障害ノ君ト精神異常ノ僕~」は、90年代のコテ系がモチーフ。
第一弾、「罪に咲く華~affection of cruelty~」も、大まかに言えば同じモチーフだったわけだけれど、コテ系の中に確かに存在する細分化されたジャンルを、しっかり表現してくれるあたりが博士らしい。
第一弾が顕在化した激しさであれば、第二弾は、内面から込み上げる激しさ。
歌うようなベースに、ウネウネと絡みつくギター、キメの多いドラム。
フレーズ重視でマニアック性を高めて、サビではメロディアスさも押し出していくスタイルは、90年代回帰ブームにおいてもあまり取り上げられてこなかったニッチさもあって、当時を知るリスナーにはたまらないでしょう。
音楽性に合わせて、無機質的に歌おうとしているのも、きめ細かい。
武器である高音域での歌唱は抑え目になってしまうが、あえて地声に近い細めの声質にすることで、再現度を高めていました。
「the Bottom of Despair」は、00年代の拳系をテーマに。
メタ的要素も強まったコテ系に比べて、オマージュとしてこの手の曲調に挑戦するというバンドは、そもそも稀有。
その意味では、目から鱗的な衝撃がありました。
楽曲のタイプだけでなく、歌声までガラっと変わってしまうから面白いもので。
こちらは、太めの、少し内にこもらせるような歌い方で、まさに"拳系バンドのボーカル"の声になっているのですよ。
クリーントーンと比べて、シャウトは苦手分野なのかと思われますが、デスヴォイスが主流になる前の、やや軽いタッチのシャウトを意識しているのだとしたら恐ろしい。
音楽性がバラバラという、このプロジェクトの面白さが、ここにきて表面化してきたといったところ。
楽曲単体での再現度を突き詰めていく聴き方も楽しいのですが、並べて聴いたときに、ひとりV系史とも言える網羅性を実現してくれそうで、そちらへの期待も高まってしまいます。
<過去のCălătorie-カラトリア-に関するレビュー>