十三月ノ明晰夢 第三夜 「散美花」 /Crucifixion
1. 散美花
十三月ノ明晰夢 第四夜「Hexenprozess」/Crucifixion
1. Hexenprozess
Crucifixionの12ヵ月連続で発表されたコンセプトCDの第三弾、第四弾。
ライブ会場と通販限定のワンコインシングルです。
第一夜で白、第二夜で黒を表現してきた彼ら。
第三夜となる「散美花」は、その中道とも言える疾走ナンバーで攻めてきました。
スピーディーなリズムに重ねられる、流麗なメロディ。
ヴィジュアル系ど真ん中のギターリフも含めて、黒系、白系、どちらのバンドであってもこういう曲がキラーチューンになるよね、といった内容に仕上げており、90年代リスナーのツボを突く曲構成は相変わらずですね。
この曲に限った話ではないのだけれど、古き良きをなぞりつつも、古臭くはない現代シーンとの共通項を見つけてくるのが上手い。
間奏で入るキメの多用などは、ともすればダサくなってしまうのだけれど、あえての"必要な無駄打ち"感が出ていて、とても趣深いのですよ。
終盤、アコーディオンで奏でるようなレトロ調のアレンジが入るのも気が利いているかと。
第四夜にセレクトされた「Hexenprozess」は、彼らの代表曲の再録バージョンです。
オリジナルも1曲入りシングルでのリリースだったことを踏まえれば、アルバムの中の1曲やカップリングでの発表のほうが妥当だった気がしないでもないのですが、現体制でのリテイクは嬉しい限り。
サウンドは厚くなり、同期もスケールアップしているので、純粋なレベルアップとして楽しめるでしょう。
両極に振り切った楽曲と、その真ん中を出した後なので、どこに振っても問題ない。
逆に言えば、どこに振っても中途半端と捉えられかねないタイミング。
少し趣向が変わる再録音源を織り込むことで、インパクト不足を解消するという発想も見事でした。
どうせそのうち、12曲をまとめたアルバムが出ると思っていたのに、どうもそうではないらしい。
同じように買いあぐねていた人もいそうだけれど、そろそろ腹を括る時期なのでしょうか。
<過去のCrucifixionに関するレビュー>