Hexenprozess / Crucifixion | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Hexenprozess/Crucifixion
 

1.Hexenprozess

黒装束から、目だけを出したヴィジュアルが話題となったCrucifixion。
会場限定でリリースされた、1曲入りのシングルです。

Madeth gray'llの「黒装束ノ調ベ」を彷彿とさせる衣装。
音楽性も、目指すところは近いのかもしれません。
ゼンマイを巻く音からオルゴールのSE・・・という、ベタなイントロから、ツタツタしたバンドサウンドになだれ込む。
歌詞も、宗教的、背徳的な路線を狙っているようで、90年代後半のダークバンドさながらです。

サビに移行する前に挿入されたシャウトの掛け合いが、実に懐かしい。
呟くようなメロディと、発狂シャウトが、交互に押し寄せ、最終的には、呟きパートも、シャウトしながらの感情の吐露に変わっていきます。
待ちに待ったサビでは、耽美なメロディアス路線に振り切れるという展開も含めて、あの頃の王道そのままのアプローチ。
歌い終わりで、シャウト気味の語りが重なってくるあたりは、想像通りではあるのだけれど、こう来てほしい!と思った通りに進行していくという意味では、音楽性は別として、スカっと気持ちが良いとも言えるのかも。

まぁ、1曲だけでの判断は困難でしょう。
本作を聴いた限りでは、激しさやシャウトも押し出しつつ、ベースとしては耽美なメロディ部分を際立てようと意識しているイメージ。
なので、Madeth gray'llというよりは、現代版Eliphas Leviといった印象でした。
全体としては、どういう触れ幅を持っているのだろう。

最近、増えてきた90年代懐古系のバンドと言ってしまったらそれまでなのだけれど、直接的に似ているバンドがあるわけではないし、上手すぎず下手すぎず、V系らしいボーカルも、なんだか応援したくなる。
こうなってくると、はやく次の作品が待たれるところ。
衣装は、ずっとこのままなのですかね。

さて、残念ながら、Gt.憩さんが脱退してしまったため、3人となってしまった彼ら。
新メンバーが加入するのか、しばらくは現体制で活動を続けるのか。
活動そのものは止めないということですので、今後の動きには、引き続き注目しておきたいバンドです。