安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

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春色ラプソディ/デミアン

 

1. 春色ラプソディ

 

早くも今年3曲目のリリースとなったデミアンのデジタルシングル。

 

Vo.MAYAとBa.LUIによる新たな挑戦。

4月に届けられた「春色ラプソディ」は、彼らなりのサクラソングとなるのでしょう。

キラキラと散りばめられた鍵盤の音色はひらひらと舞う桜の花びらを連想させ、美しさと切なさを連れてきてくれます。

大きな起伏をつけずに淡々と展開していくのが、この楽曲においてはハマっていて、感情の強さは直接的な声量ではなく言葉をリフレインさせることで表現。

MAYAさんの優しい歌声がたまりません。

 

東京に住んでいると、3月末から4月初旬が桜の時期というイメージ。

リリースされた4月中旬は、既に葉桜になってしまっていて、実際に桜を見ながらこの楽曲を聴けなかったのが悔やまれます。

しかし、彼らの拠点は北海道。

東北の地元にいた頃、お花見はGWの少し前という印象でしたし、これはきっとジャストタイムだったのですよ。

音と詞に乗ってありありと再現される春の映像が感動を誘う。

描かれているストーリーは抽象的なのだけれど、だからこそ、自分がそこに入り込める没入感が生まれていました。

 

特に季節感が強調された「春色ラプソディ」を聴いたことで、これまでに発表してきた「Hello」や「時の列車」も、その時期に聴くことで本領を発揮する楽曲だったのだな、と気付かされる。

ジャンルとしての音楽性や歌詞のテーマ性ではなく、季節に寄り添うことが彼らの根幹なのだな、と。

第四弾となる楽曲のレコーディング中との情報もあるので、次はどんな情景を運んでくれるのか、今から楽しみです。

 

 

 

<過去のデミアンに関するレビュー>

時の列車

Hello

レッドシグナルデイ/umbrella

 

1. レッドシグナルデイ

 

2013年にリリースされた、umbrellaのライブ会場&通販限定シングル。

 

ジャケットや歌詞カードは存在せず、デザインはレーベル印刷された盤面のみ。

umbrellaにしては少し寂しいのでは、と思いたくなる仕様ですが、あくまでそれは音源の話。

本作は、Tシャツとセットでのパッケージとなっていて、Tシャツのデザインがそのままジャケットを兼ねる形となっていました。

 

収録されたのは、「レッドシグナルデイ」1曲。

彼ららしいオルタナサウンドで、少しシリアス。

Vo&Gt.唯さんの透明感のある歌声と、ディストーションの歪みによって鋭さを増幅させたギターのアンサンブルは、言葉にすると正反対に見えて、とてもマッチしているのですよね。

どっしりと地に足のついた安定感と、無限に空へ広がっていく解放感の両立。

寄り添うところとバトルするところのバランスも絶妙です。

 

なお、この楽曲は後にシングル「ヨルノカーテン」のカップリングとして再録。

サブスクリプションサービスにも対応しており、入手難易度の高い楽曲ではなくなりましたが、コアなファンであればオリジナルとの聴き比べも楽しみたいところ。

わかりやすい再録ヴァージョンとの違いは、楽曲が終了後にドラムのリズムが再開され、そのままフェードアウトしていくというギミックがあることでしょうか。

粗削りというほどではないにしても、スタジオで音を合わせているような生々しさを感じられるのも特徴で、熱量を感じずにはいられない。

バンドサウンドの格好良さを凝縮した1曲です。

 

Tシャツをメインと捉えるか、CDの付属品ととらえるかで3,000円という価格に対するハードルが変わってくる作品。

その点でファンアイテムとなってきますが、グッズ扱いとなっているのか、オフィシャルのディスコグラフィに掲載されていないのは不遇と言えるのかもしれません。

 

<過去のumbrellaに関するレビュー>

solitude

dilemma

「HALO」「orbit」

「群」「アメイジング」

愚問

ダーウィン

モノクローム

アマヤドリ

残月(2nd PRESS)/Kαin

 

1. 残月

2. 残月(Inst)

3. 残月 20230502LiveVer.

 

2022年にリリースされた「残月」が完売したことを受け、2023年末に発表された2nd PRESS。

 

ライブ会場を中心にした閉じたマーケットでの販売ながら、初回盤の1,000枚を完売。

しばらく入手困難となっていた作品が、オリジナルカラオケとライブテイクを追加しての再販となりました。

アートワークも一部変更になっていて、初回盤を持っていても購買意欲を唆るパッケージにしてくるのがYUKIYAさんらしいですね。

 

収録された「残月」は、Kαin流の哀愁レトロといった様相。

ジャジーなリズムに、お洒落なギターリフ。

どことなくオールドスクール的なケバケバしさも感じさせます。

ある種、本質の不変性を武器としているバンドではありますが、本作については、挑戦と進化を象徴している楽曲。

ヴォーカルラインが淡々としているのも、感情表現を重視する彼らにとっては珍しいと言えるかもしれません。

 

興味深いのは、ライブテイク。

スタジオ音源を聴いた段階で、こういうライブスタイルになるとは想像できなかったな、と。

しっかり煽り、しっかり盛り上げる。

そして、こういう大人びたナンバーでもYUKIYA節は健在で、同じ曲とは思えないほどの没入感があるのですよ。

前言撤回、やはりYUKIYAさんの、もといKαinの魅力は感情表現。

歌唱に感情が乗っていくのに引っ張られて、演奏全体がエモーショナルに展開していきます。

 

相変わらず、マーケットとしてはコアなファンにのみ開かれている印象ではあるものの、その分の熱狂は充満。

価格設定的に、曲数が増えたうえにグッズとのセット販売でなくなったことで手を伸ばしやすくなったのもポイントでしょう。

メルマガ会員を対象に門戸を開いてくれて、ありがたい限り。

制作経過はときどき伝えられるものの、ほぼ完成する気配がないアルバムも待ち遠しいです。

 

 

<過去のKαinに関するレビュー>

NOWHERE

ræcy

Instrumental#1

Hane/Again e.p.

NUMBER SIXXX.

葬 -so-

paradiselost