愚問 / umbrella | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

愚問/umbrella

 

1. 愚問

 

 

空間系オルタナティブバンド、umbrellaの8thシングル。

 

加えて、ライブ会場と通販限定で、Tシャツ付きCDとしてもリリース。

気軽に聴きたいファンと、現物を所有したいコアなファンとの住み分けをはっきりさせる、最近増えてきた販売形態でのドロップとなりました。

なんでも、リリース日となった6月11日は、傘の日なのだとか。

"心に傘を"をテーマとしている彼ら。

梅雨入りとタイミングを同じくして、umbrellaがシーンに欠かせない存在であることを主張しているようです。

 

発表された「愚問」は、アグレッシブな演奏が印象的なギターロックチューン。

空間的な広がりを意識したギターのリフと、隙間を埋めるように畳み掛けるハードなドラムが、ノスタルジックに疾走する曲調に見事にハマった形ですね。

バランスをとるように、自由に動き回ったり、しっかりリズムを支えたりと柔軟に役割を変えるベースのフレーズも効いていて、それぞれベクトルが異なるアプローチをしているにもかかわらず、バンドとしてまとまってパワーを引き出していました。

 

溜まっていた想いを一気に解放するような、とにかく気持ちが良いメロディラインも特徴で、オクターブ違いのコーラスを強めに乗せることで、囁くような優しさと、高音に伸びる清々しさ、両者の美味しいところ取り。

攻撃的なサウンドの中に爽やかな余韻を残すことで、妙に切なく青臭い空気感を引き連れているのだよな。

結成11周年、熟成期に入ってもおかしくないのに、この衝動性。

ここにきて代表曲を更新するのでは、なんて期待値も高まる1曲でした。

 

<過去のumbrellaに関するレビュー>

ダーウィン

モノクローム

アマヤドリ