深い森の少女/龍太朗-HOLYCLOCK-
1. 深い森の少女
龍太朗-HOLYCLOCK-による1stデジタルシングル。
アコースティックギターの伴奏に、歌声を重ねる。
ただそれだけの音像が、どうしてこんなにも幻想的な世界観を紡ぐのだろう。
ギターについては、印象的なフレーズを弾くリード役と、コード弾きで支えるバッキング役の2本での構成になっているとはいえ、シンプルだと言って差し支えないサウンドメイク。
にもかかわらず、想像力と紐付いて、広がりをもたらす1曲に仕上がっていたのです。
音数が少ないからこそ、1音1音が個性的に響く。
ピンと張った森の空気感だったり、優しく包み込むような自然のあたたかみであったり。
音と音との隙間から零れ落ちた空白でさえ、演出として取り込んでしまっているのですよ。
サウンドと歌詞の相性も抜群。
龍太朗さんの言葉のセレクトが絶妙で、どこか神秘的な雰囲気が、ファンタジックなギターの音色に溶け込んでいました。
白系ど真ん中の楽曲を、アコースティック編成で再現。
ありそうでなかったニッチな路線だったようで、なんとも不思議で新鮮な感覚を運んできます。
考察したくなった時点で、彼の勝ち。
じっくり浸りたい1曲ですね。
<過去の龍太朗-HOLYCLOCK-に関するレビュー>