ダイスキ/アマミツゝキ
1. ダイスキ
アマミツゝキによる、3ヶ月連続配信シングルの第二弾。
青春の1ページを思い起こさせるような胸の疼き。
爽やかに疾走するシンプルな音像によって、こうも無限の想像力を駆り立てるものか。
Vo.眞田一航さんの紡ぐ歌詞と、透明感のある瑞々しいメロディは、本作においても輝きを放っていました。
彼の音楽は、淡い色彩に、甘酸っぱい味わい、潮風の匂いや触れる体温......
聴覚だけでなく、あらゆる五感を刺激してきますよね。
綿密なストーリーを共有することで情景を浮かべるような性質ではなく、もっと本能的、感覚的な共感。
無意識的にでもアマミツゝキのサウンドに触れれば、記憶の扉をこじ開けられてしまうほど、心の柔らかい部分にすっと届くのです。
あえて陳腐化したタイトルを持って来たのであろう「ダイスキ」も、その連続性の上にあると言えるでしょう。
序盤は、少ない音数に時計の秒針の音をギミックとして重ね、没入感を高めるアプローチ。
徐々に重なるサウンドが増え、駆け出すかのようなスピード感が生まれています。
サビのフックは、ベタとも言えるメロディ運びではあるものの、聴かせ方が上手いので、ノスタルジックな演出としても機能。
メジャーテイストのある王道ナンバーを、アマミツゝキの世界観で表現してみたといったところで、またひとつ武器を増やしていましたよ。
必然的に第三弾への期待が高まる、切なさ炸裂の1曲。
<過去のアマミツゝキに関するレビュー>