- paradiselost(初回B-TYPE)/Kαin
- ￥3,360
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1. paradiselost
2. the END -of the WORLD-
3. die
4 you
4. 羽根
5. 聖痕
6. inpain
7. inlandempire
8. lost
9. -if-
10. 深淵の月
11. 無の底
12. 希望の欠片
13. east of eden
BONUS DISC
1. FLAW
ex-D≒SIRE、ex-JILSのYUKIYAさん率いるkαinの1stフルアルバム。
A-TYPEにはDVD、B-TYPEには1曲入りのBONUS DISCがついてきます。
ギターにENDLESSのSHIGEさん、ベースにex-JILSのICHIROさんなど、メンバーは身内で固めた感はありましたけれど、Manipulator担当が在籍していたり、斬新な部分もありましたね。
その後も、チェリストをメンバーに加えるなど、V系バンドの垣根を飛び越えた編成は、魅力のひとつでした。
音楽的には、ひたすらダウナー。
ずっしりと心に圧し掛かるような、どんよりとした暗さが全体的に漂っています。
ヘビィなサウンドを用いているとか、そういう形式的な重さではなく、精神面から浸食されていく重苦しさ。
ソフビの王道とも言うべき、キャッチーでメロディアスなJILSを期待していたファンには、衝撃的な内容だったのではないでしょうか。
全体的に暗いという意味では、同じくダウナー感があったD≒SIRE時代の楽曲と比べられることも多い本作。
確かに、あの頃に近い空気感のある楽曲も、いくつか見られます。
しかしながら、D≒SIREにあった刺々しくも繊細な攻撃性は薄れており、むしろ、虚無の中で、痛みに鈍感になってしまった様子を描いているような印象。
抑揚があまりないため、聴き込みが甘いと、同じような曲に聴こえたり、途中で飽きてしまうことはあるのかもしれませんが、実は、暗い曲ばかりといっても、一辺倒ではなく、バリエーションが多岐に渡っていることに気付かされる。
マニアックという言葉で片付けてしまうのは惜しいぐらい、聴き込めば聴き込むほど、発見があるのですよ。
もっとも、聴き込むには、相応のパワーがいるのだけれど。
「羽根」や、「-if-」のように、その中でも開けた楽曲があるのもポイント。
精神的にヘビィなナンバーが続くこともあり、疲れてくる頃の、ちょうどよいタイミングで箸休め的な耳触りの良い曲があるから、気持ちを仕切りなおすことができます。
1stアルバムとしては、だいぶコア向けな印象で、ふるいにかける作品になっていた部分はあったのかも。
BONUS DISCの「FLAW」は、もともと配信限定で発表されていた楽曲なのですが、これが聴きやすいメロディアスチューンだったというのも、音楽性を誤解させる要因になってしまっていたりして。
JILSからの流れを意識せず、フラットな状態で聴くことができれば、再評価されてもいいであろう名盤。