- 人生ゲーム/秘密結社コドモA
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1.人生ゲーム
2.父ロマンティック
3.頭を振る男
UNDER CODE PRODUCTIONのピコピコ系バンド、秘密結社コドモA。
コテコテ系が多いレーベルにおいて、最後まで異質を通していましたね。
このバンドは、メンバーチェンジに伴い、キボウ屋本舗と改名しますが、2008年に解散してしまっています。
Vo.のエイジさん、Gt.タッケンさん、Baのコウタさんは、現在、サンドイッチで120分?にて活動中。
キボウ屋本舗になってからは、ツインボーカル編成をとっており、従来よりボーカルを張るエイジさんに加え、マイナス人生オーケストラにて活動しているハルさんが在籍していました。
音楽性は、この辺りから想像していただければ大きく外れることはないかと。
表題曲である「人生ゲーム」は、マイナーコードで疾走感のある王道的展開をピコピコで再現したような、刹那系メロディアスナンバー。
これがなかなかハマっています。
地下線バンドならではの流れるようなメロディと、ピコピコバンドならではの、電子音とエフェクトボイスが満載のアレンジ。
一見交わりそうもないサウンドが、見事に融合して、どちらの音楽のファンでも満足できるような仕上がりになっているのでは。
この手のバンドには珍しく、ギターソロも叙情的に奏でられ、良い意味で型破りさが成功している。
ベストアルバムにも入っているし、彼らの作品の中でも、もっともプレス数が多かった音源と記憶していますので、代表曲と言ってよいかもしれません。
「父ロマンティック」は、ピコピコを強めに押し出した一曲。
ボーカルのエフェクトが強めで、インストの中にボーカルも紛れ込んでいるといった印象です。
ただし、メロディが目立っていないかといったらそんなこともなく、しっかりと歌として成立している。
サビで、明るく開けてしまうのが、個人的には残念。
1曲目からの流れもあるので、このまま、切なくダウナーに展開してほしかった。
まぁ、ピコピコ系としては、ポップさがあったほうが王道なのかもしれませんけれど。
最後の「頭を振る男」は、タイトルから推定できるように、激しい楽曲です。
バンドの毛色として、コミカルな要素も強いけれど、電子音に混ざって、しっかりドラムやベースのタイトなフレーズを織り込んでくるあたりはさすが。
電子音等とのバランスもあり、重低音はあまり効いてはいないけれど、これまた、間奏ではギターがグイグイ主張してくる。
カナキリ声での煽りや、乾いたドラムの音が、二倍速でCDを聴いているような、不思議な気持ちにさせるのも、ある意味では個性でしょうか。
ボーカルが若干こもった感じで、高音への抜けが弱いのがもったいない。
楽曲としては、気持ち良さがあるテンポの良いナンバーがそろっているだけに、気になってしまいます。
上モノの使い方や、そこへ生音のギターを持ち込むスタイルは上手いですね。
もうちょっとバンドメインの曲があっても良かったのかな。
ドラムが終始軽いので、ピコピコ系というイメージは確固たるものになっているけれど、もうちょっとメリハリを付けて、重厚なフレーズを聴かせてくれる場面もあれば、更に幅広な層に支持されるきっかけになったのかもしれません。