dilemma / umbrella | 安眠妨害水族館

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dilemma/umbrella

 

1. dilemma

 

umbrellaが"傘の日"である6月11日にリリースしたデジタルシングル。

 

Vo&Gt.唯さんが作詞・作曲を担当したオルタナロック。

さらりと聴いた感触では、ノリの良いダンサブルなアッパーチューンに仕上がっています。

軽快なリズムに、爽やかに突き抜けるようなメロディ。

現代的なロックサウンドとして、非常に聴きやすいな、というのが直感でした。

 

しかしながら、なかなかどうして奥が深い。

まず耳を奪われるのは、Gt.柊さんの緻密なリフと、パッション全開のギターソロ。

同期が入っているのかと思ったら、これ、全部生音なのか!と驚くこと請け合いの情報量の多さです。

Ba.春さん、Dr.将さんにしても、全部が見せ場と言わんばかりにテクニカルなフレーズを連発。

気持ち良く進行しているな、と気を抜いていると、急に変態的なリズムを噛ませてきては、癖を作っていくのですよ。

複雑だから良い、ということではないのだけれど、第一印象でのキャッチーさの裏側に、職人気質なフレーズが散りばめられていたとしたら、そりゃ何度も聴いてみたくなるというものでしょう。

 

ソロ活動により、ファルセットでの表現にコクが出てきた唯さんの歌声も、更に味わいを増しています。

すっきり、澄んだトーンであるにも関わらず、薄味で印象に残らないなんてこともなく、緩急をつけて感情を駆り立てる表現の巧みさは、演奏陣と同等、あるいはそれ以上のテクニックに裏付けられているのかと。

 

なお、MVについても、唯さん自らが監督を務めたのだとか。

光の当たり具合ひとつにまで照明にこだわった意欲作。

楽曲の二面性と、シンプルな演奏シーンにおける光と影の対比。

これもまた、umbrellaにハマっているなと見る者を唸らせる納得の1曲です。

 

 

 

<過去のumbrellaに関するレビュー>

「HALO」「orbit」

「群」「アメイジング」

愚問

ダーウィン

モノクローム

アマヤドリ