葬 -so-/Kαin
1. 葬 -so-
無料配布されたKαinのシングル。
CD+DVDの2枚組でパッケージもしっかりしている、まさに太っ腹な作品です。
2016年からライブ会場で配布されていましたが、2017年10月から、ライカエジソンのショッピングバッグに混入させる形式で全国展開。
これまでKαinの音楽に触れていなかった人にも届くようにと、導入となる1曲に位置づけられているようですね。
楽曲の内容としても、こういうのを待っていた!というYUKIYA節。
ほんのりダークで、切なさに溢れ、サビではキャッチーさも出てきます。
マニアックなナンバーも多いKαinですが、メロディアスで疾走感があって、というベタさをあえて押し出したことで、D≒SIREやJILSが好きだった層が出戻るには十分なインパクトを与えていたのでは。
そのうえで、泰山さんのチェロやKENZyさんのキーボードが繊細な美しさを加えていて、バンドとしての進化も見せる。
ギター2本に、ベースにドラム、チェロにキーボードと7人編成の大所帯となりますが、持て余しているパートがひとつもなく、立体的なアレンジが見事。
Kαinの柔軟性を示しました。
歌詞も、"らしい"の一言。
メッセージ性が強く、ライブでは更に感情を込めて歌い上げるYUKIYAさんの姿が想像できるほどですよ。
代表曲になるべくして、なっているのだな、と。
なお、Gt&Vo.SHIGEさんがENDLESSの無期限活動休止を発表。
それに伴い、Kαinについても、10周年ワンマン以降の活動は不透明とのこと。
せっかく本作が門戸を広げるきっかけになりそうだったので、タイミング的には残念と言わざるをえないです。
願わくば、アルバムなどでSHIGEさんがいたKαinの痕跡を、もう少しだけでも残してほしいなぁ。
<過去のKαinに関するレビュー>