十三月ノ明晰夢 第一夜 「Innocent World」/Crucifixion
1. Innocent World
Crucifixionの12ヵ月連続で発表されたワンコインシングル第一弾。
ライブ会場と通信販売限定でのリリースでした。
2015年に一度活動を休止するも、数ヵ月後には新メンバーを揃えて第2ションとして再始動。
オリジナルメンバーは、Vo.二人静さんのみとなりましたが、新体制の指針を示したのが、この「Innocent World」。
コンセプトシングルということで、必ずしも王道を詰め込んだというわけではないにしても、まずはこれを、という作品になっていたのは間違いありません。
収録曲は、表題曲1曲のみ。
光を感じさせるジャケットイメージから想像できるとおり、幻想的なシンセのフレーズからスタートする白系的なナンバーとなっています。
バンドサウンドに移行すると、クリーントーンのギターが引っ張っていくあたりは、往年のKreisレーベルのバンドたちを彷彿とさせますね。
懐古主義的なベタなコテコテ感は、従来の楽曲に比べて薄れたものの、それでもギミックにはこだわりあり。
シャウトを用いないメロディアスな楽曲であるにも関わらず、ドラムが必要以上にツタツタとまくし立てるあたりは、いかにも90年代風。
メロディに特化した代表曲になりうるナンバーをドロップしたよ、といったところなのだけれど、激しく攻める楽曲も控えているのだよ、というメッセージも隠されているような。
12ヵ月連続リリース、という企画を打つことによって、1発目の楽曲に極端さも求めても良くなるというアイディアは面白い。
仮に本作が琴線に触れなくても、極端に振ったうちの1曲だし、ということで判断は保留される。
一方で、ハマってしまえば万々歳。
第二ションとなったCrucifixionは、なかなか格好良いぞ、と見えてくる。
1枚揃えたら他のCDも持っていたい、という消費者心理も手伝って、なかなかあざとい戦略だったのでは。
ちなみに、12枚全部揃えると、未発表曲がもう1曲、という企画だったと思うのだけれど、どうなったのかしら。
詳細が見つけられず、時間が経ってしまいました。
まだ間に合うのかはわかりませんが、今からでも全部揃えてみようかな。
<過去のCrucifixionに関するレビュー>