Myosotis / Călătorie-カラトリア- | 安眠妨害水族館

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Myosotis/Călătorie-カラトリア-

 

1. Myosotis

 

2ヵ月連続でのリリースとなった、 Călătorie-カラトリア-のデジタルシングル。

 

前作に続き、"花"の名前をテーマにした楽曲。

サウンドアプローチとしても、ピアノとストリングスのみで構築するスタイルを踏襲しており、連作的な意味合いもあるのでしょうか。

あえて比較するとしたら、「Althaea rosea」は未来について歌っていたのに対し、「Myosotis」の背景にあるのは、過去なのかなと。

伸びやかな高音が、痛々しいほどに翳りをもたらしていました。

 

アレンジ面では、ストリングスの存在感が増して、第二のメロディラインを奏でています。

サビの入りから徐々に重ねられ、間奏では、ソロパート的なフレーズも。

歌が入っている部分での音の重ね方など、もう少し工夫の余地はありそうですが、メランコリックで耽美主義的なニュアンスを助長。

世界観の深掘りに一役買っていましたね。

個人的には、このストリングスのパートも含めて、ピアノ1本で再現してみても面白かった気がするな。

 

何はともあれ、Călătorie-カラトリア-最大の武器は、のるさんの深みのある歌唱。

その点については、これ以上ない際立ちっぷりで、ピッチの安定感と、表現の奥行きは、改めて溜め息が漏れるほどのクオリティでした。

ラストシーンでは、盛り上がりも最高潮。

ドラマティックに感情の渦を増幅しきったところで、ビブラートをきかせたロングトーンでしっとりと終わる緩急のつけ方も絶妙です。

1コーラス目と、2コーラス目で、サビ終わりのフレーズが正反対の意味になってしまった切なさといったら。

配信でのリリースではあるけれど、じっくり歌詞にも目を通したくなる1曲。

 

<過去のCălătorie-カラトリア-に関するレビュー>

Althaea rosea

ラストスターサイン

Reminiscence of Rose

「琥珀の花 -alius fabula-」「[kˈəʊmə]」

「WALK」「WoRLD's eND」

「 AMNESIA ~鏡に映る偽りの愛の中で~ 」「 栃の葉ヱレジィ ~愛憎編~ 」

「Whitely」「桃色レイトショウ」

「Psycho Neuropathy」「the Bottom of Despair」

罪に咲く華~affection of cruelty~

琥珀の花