パノラマ/パノラマトーン
1. パノラマ
パノラマトーンが発表したラストシングル。
仙台を拠点に活動していたものの、2021年9月の主催ライブを持って解散となった彼ら。
もう新曲は聴けないものかと思っていましたが、ラストライブで一度だけ披露された楽曲を音源化。
2022年になって、デジタルシングルとして発表されました。
正真正銘、最後の楽曲となったのは、実質的なセルフタイトルとも言える「パノラマ」。
小気味よく刻むリズムと、大人びたギターのフレーズが印象的なミディアムチューンに仕上がっていて、良い意味で、ラストだからこその気負いがないな、と感じます。
パノラマトーンらしい哀愁を帯びたメロディは健在で、必要以上に歌モノに寄せるでも、光を見せるわけでもない、自然体での音楽。
これを貫いてくれて良かったな、と。
ほんのり暗い影を落としつつ、サビには広がりが待っている構成も絶妙で、エモーショナルに展開する間奏では、思わず鳥肌が立ちました。
なんというか、肌に合うというのは、このことなのだろうな。
なんでこの曲は、自分が作曲したものではないのだろう、という不思議な感想を抱いてしまうほど、しっくりくるのです。
ジャンルは違えど、好きな音楽は共有したい。
哀愁メロとマイナーコードの愛好家には、今からでもぜひ耳にしてほしいバンドです。
<過去のパノラマトーンに関するレビュー>