tres flores,/Călătorie-カラトリア-
1. Althaea rosea
2. Myosotis
3. Hydrangea
ヴィジュアル博士のるによるソロプロジェクト、Călătorie-カラトリア-の3曲入りシングル。
"花"を冠したコンセプト作。
特に連作にする意図で制作していたわけではないようですが、タイトルの統一感に加えて、アレンジの方向性を揃えたことで、作品としてのまとまりを生んでいました。
ピアノ&ストリングスというシンプルなアンサンブルに、歌唱力で勝負できるのるさんのヴォーカリゼーション。
結果的に、この3曲が繋がったことで、化学反応というのか、相乗効果というのか、グッと深みが増した印象です。
収録された楽曲は、配信限定で3ヶ月連続リリースされていたもの。
そのため、個々の楽曲については過去のレビューをご参照、といったところなのですけれど、大きく変わっているのはミックスの部分。
L-THE WORLD、LAER PROJECTのVo.LAERさんによってリミックスが施されていて、配信で発表されていたものよりも随分と音がすっきりとしているのですよ。
少しぼやけた音像で、ベールがかかったようなオリジナルヴァージョンも良さはありますが、基本的にはレベルアップといって差し支えないであろう変化。
リミックスひとつでこうも雰囲気が変わるものか、という驚きがあり、聴き比べも楽しい作品と言えるでしょう。
感心すべきは、これが無料配布作品であるということ。
一定の条件を満たしたうえで応募すると、作品が郵送される仕組みになっていました。
プレス盤ではないCDR仕様ではあるものの、歌詞カードの印刷はしっかりとした作りになっていて、アートワークへのこだわりが伺える。
現物が手元に届くことで、思い入れが深まることもありますし、そこで出を抜かないあたり、ツボがわかっているなと。
サブスクリプションサービスで配信後であるにも関わらず、あえてCDを求めるリスナーに向けて、手に取る意味を与えてくれる1枚です。
<過去のCălătorie-カラトリア-に関するレビュー>
「琥珀の花 -alius fabula-」「[kˈəʊmə]」
「 AMNESIA ~鏡に映る偽りの愛の中で~ 」「 栃の葉ヱレジィ ~愛憎編~ 」