とても静かな映画でした。
土を喰らう十二カ月
メインの登場人物が少なくて
セリフが少なくて
音楽もほぼなくて。
でも観ていて感じることが
たくさんある映画でした。
以下 映画の内容について
触れていますのでご注意ください。
長野の人里離れた山荘に住む主人公
作家 ツトムさんの日常を
食生活を中心に淡々と映し出していきます。
ツトムさんは幼い頃 禅寺に預けられ
精進料理をつくっていた経験があり
それが人生の土台となっているようで
「献立は自然と相談して決める」
という教えを守り
自らも畑で食材を育てながら
日々 丁寧に食事をつくり食べています。
ツトムさんは極寒でも
素手で!
雪の畑をかき分け
菜っ葉を採り
外の流水で大根の泥を洗う。
そんな時
手袋やゴム手袋 必須の私。
思わず手の痛さを想像して
ひぇ~~~ となった。
食材も 私は菜っ葉を
「くくられた一束」
買うのが当り前だけど
ツトムさんは一食で食べきれる
「ほんの2房」しか掘り出さない。
洗うのが面倒だし
切って当然の根っこも
隅々まで丁寧に洗い
調理し 細かく刻み
すべて余すことなく食す。
山へ入り
体感で季節を感じながら
旬の恵みを1つ1つかごに入れる。
陽の光を浴びながら
植物の輝きに
何よりの幸せを感じる。
畑の土を耕し 種を撒き
せっかく撒いた種を食べられないよう
畑に来る鳩を追い払う。
掘ったタケノコの皮はその場で剥いて
土の肥やしにする。
大鍋でタケノコを茹で
出来たてをホクホクしながら食べる。
畑で育った野菜は実り具合を見て
今 使う分だけ採る。
ぬか床を混ぜ
野菜に塩をまぶし 漬けこむ。
手作りの味噌を分け合う。
山に生えるなめこの
ツヤツヤした美しさに
心を躍らせる。
梅の実を拾い 洗い
1つずつ竹串でヘタを取る。
シソの葉を塩で揉みこみ
梅干を漬ける。
そして 気長に天日で干す。
総じて 作物が育つ過程
食すまでの工程に心が入り
長い時間と手間暇をかける。
こうした接し方が
自然と話をする
ことなのだろうな。
私もこの中のいくつかは
体感と記憶で残っているけれど
すっかり思い出になっている。
食材はスーパーで買うもの
手に入れるにはお金が必要
それが当り前になって。

ツトムさんが日々 丁寧に
自然と話をする姿を観ていたら
人はどれだけ
自然からいただいているのだろう
自然はどれだけ
私たちに与えてくれているのだろう
と思いました。
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