【前回】より続く。
皮肉なことに、

ここへ来てセンターラインが登場。ニクイねえ、わかってるねえ(笑)。
しかしながら(写真左下に写り込んでいるように)「ゆめみる」からすぐに、もう明確な「兆し」が…。
センターラインが現れたのにもかかわらず、

浸食された路肩と、波うちひび割れた路面!
「ゆめみる」の入り口にあったやる気のない「通行止」。やはりこの道は使われていない。にもかかわらず、ビシッと通行止めにしないのはなぜなんだろうか。いや、わたくしは嬉しいんだけど(笑)。
こことか普通に、

「徐行」ってなってるし。
さらにその先、

またようわからん…。
けどやっぱり、

通ってもいいようだった。
ここを過ぎると、

ちょっとしたストレート区間。しかし、そこはかとなく漂う「気配」は隠せない…。
また狭まってきて、そして左カーブ。

その先で…。
予想されていたとは思うが、

サドン・デス。いきなりの終~了~。
まさに未成道あるある、

惚れ惚れするほど鮮やかなぶった切れっぷりだった。
ここでようやく地図を。現在地はこちら。
マピオン地図だと、ゆめみるとんねるが何故か「ひめみるとんねる」と誤記されていて、キラキラネームを超えてもはやカオスとなっている(笑)。
かねてから、ここのぶった切れっぷりを地図で見て気になっていたもので、これは間違いなく未成道でしょうと。
ふたつのトンネルだけは事前にネットで見ていたが、道そのものは初見であり、

期待に違わぬ「ザ・未成道」だった。この先に一切道の気配なし。
改めて調べてみて判明したこの道路の名称は、「九度山町道44号線」。
果たしてこの道路がどのように生まれ、そして未成となっているのか。その事情を過不足なく知れる資料を発見した。
それは九度山町民に向けた議会レポートである「くどやま こんにちは!議会です」第111号(令和3年5月1日発行)、議員による一般質問とそれに対する町長答弁の中にあった。
山下晴夫議員の質問はまさに「町道44号線について」。以下にノーカットで書き起こしておく。
(質問)
昭和54年、国交省が「紀伊丹生川ダム」の建設の準備を進め、平成9年に「紀伊丹生川ダム建設事業審査委員会」が設置され、ダム建設のために動き出しましたが、その年の1月に「ゆめさきトンネル」が完成し、2000年3月には「ゆめみるトンネル」も完成しています。
このことから考えるとダム建設のためのトンネルではなかったと思われますが、道路建設の理由をお尋ねします。
(町長)
町道44号線については、老人福祉施設とゴミ焼却場の建設とそれらを利用するための道路として工事を行い、ゆめみるトンネルから奥720mまでは事業区間の終点で事業を完了しています。
(質問)
ダムの中止が決まったのは2002年5月16日になっていますが、この工事が終わったのも2002年頃と聞いています。何らかの関わりがあったのかお尋ねします。
(町長)
当時は、紀伊丹生川ダム建設の計画がありました。ダムの付帯設備として国道371号線の付け替え計画があり、2期工事として、国道371号線と町道44号線を繋げる計画をしていましたが、ダム建設が中止となったため、2期工事が廃案となったものです。
(質問)
44号線については、過去にも度々質問があり、「本町道の必要性は高い」とあります。今現在の進捗状況と方向性はどうなっているのかお尋ねします。
(町長)
県道の代替路線として県事業で実施するよう県及び県議会に要望を出していますが、現在までよい回答をもらっていません。町での事業が可能かどうかについて検討を考えております。
以上が質疑応答の全てだが、わたくしの知りたかったことも全てこの中に含まれていた。と同時に、いくつかの新たな疑問が生じた。
ひとつは、2期工事として見込まれていた、付け替え国道371号との接続について。町道と国道、それぞれどのようなルートが想定され、どこで接続する予定だったのか。これはまだ調べていない(たぶんこのまま調べない可能性大・笑)。
もう一点、なぜダム建設が中止となったのか?これは別途調べた(笑)。要するに、水需要の縮小、建設予定地の地質不良、そしてコスト抑制が期待できる代替案の存在、という複合的要因によるところのようだった。まあ至って「健全な理由」で事業中止となった印象ではある。
まあとりあえず、

「事業区間の終点で事業を完了」した姿がこれだということだ。
しっかり「完了」って言っちゃっているのと、最後の回答で「町での事業が可能かどうかについて検討を考える」って表現、要は町としてはやる気はないですよ、と同義だと読めるんだが、それは意地悪な見方?(笑)
とりあえず、今のままだと何の役にも立たない道路だが、南側の丹生川沿いをゆく県道102号宿九度山線は確かに比較的狭小かつ屈曲しており、また生活道路でもあるためにそれなりに交通量があるので、この町道44号を国道371号までつなげば一定のメリットはあるかも。かつ橋本市と跨ってもいるので、確かに県の事業としてやってほしいという町長の立場はわからなくはない。
ただ、R371もまあまあの酷道なので、ダム計画にあった通りこれも併せて整備しないと意味がない/費用対効果には見合わない、という判断なのかなやっぱり。知らんけど。
こうした背景を知ると、浮ついた名前のトンネル…いやとんねるがなおさら悲しい。
つうわけで、夢の先には黄泉の国があったという戦慄のストーリーでありました。
戻りの「ゆめみる」。

夢も希望もない感じだけどな~(笑)。
ここで、一本の動画をご紹介。わたくしチャンネル登録している「和旅チャンネル」さんがここを採り上げられたものだ。
サムネ画がわたくしの写真とほぼ同位置(笑)。この町道44号の衝撃的メリハリがよくわかるので必見ですぞ。
「和旅チャンネル」さんは和歌山を中心に、道路趣味者にも、そうでない人にも興味深い動画を精力的にアップされていて、楽しませていただいております。ご興味ある方は是非ご訪問あれ~。
最後におまけ。
同じ町道44号線だが、ここはゆめさきとんねるの手前(場所こちら)。
ここに

このようなカルバートが。
航空写真で見ていただいた方がよくわかるんだが、
この上を跨いでいるのも、未成道路…のような気がする。町道44号建設時に既存の小道を渡す目的で架けられたにしては、幅員が立派過ぎるからね~。
位置的に、もしかしたら県道118号高野橋本線の未成バイパスだったりして?
それを認識した上で見ると、

よけいに空虚な印象を受ける。向こうには「ゆめさき」。
なぜだか、この上に登って確認することはしなかった。

まあ実質この日朝一発目の物件で、まだまだ行きたいとこてんこ盛りだったから割愛したんだろうが、このくらいささっと見に行ってもよかったな~。
以上、ゆめ半ばで潰えた哀れな九度山町道44号線のご紹介でした。