2013年2月13日、出張時に午後の数時間空いたタイミングで敢行した、最初で最後の新潟徘徊。以前に中野橋梁を記事にしたが、今回ご紹介するのはその続きに訪れた物件。
場所はコチラ。
中野橋梁(仮)を後に、 線路西側の道を北に数百m、長年会いたかったアイツがついに現れた。
車場川(くるまばがわ)橋梁。一部の趣味者には超?有名なヤツである。
切石積みの坑門と、巻厚四層の煉瓦アーチ。だが、
まず地味に気になったのが
アーチに合わせてキレイに整形されたこの高さ制限バー。珍しくないコレ?
って、そんなんどうでもいいのだ!
何でこの物件が有名かといえば…
そう、この橋梁はいわゆる「ねじりまんぽ」物件なのである。
…えーと、見ました?(笑)
この「ねじりまんぽ」、れっきとした土木用語なわけだが、全国で確認されている施工例は約30ヶ所。だがその分布は、ほとんどが西日本。三重県、岐阜県、福井県を東日本とするか西日本とするかは意見が別れるところだろうが…。
で、この物件。
もうおわかりだろう、この車場川橋梁、実に東日本で唯一のねじりまんぽなのである。だから、というわけではないけど、土木学会選近代土木遺産のCランクとなっている。
そんなレア物件なんで、仕事で新潟にご縁ができたのをこれ幸いと、「いつかは必ずシバく!」と狙っていたわけで(笑)。
で、ねじりまんぽの醍醐味といえば、一つは…
この端部の煉瓦処理ですな~。
斜めに積まれるために生じるこのギザギザ。物件によっては均してツライチに処理されてるものもあるけど、個人的好みでは圧倒的にこっちが好きだ。
そしてねじりまんぽ最大の醍醐味が、タイムトンネルのごとき摩訶不思議な煉瓦積みの妙を視覚的に愛でることなのだが…
封殺!
残念ながら、肝心のアーチ部分が分厚くコンクリ補修されてしまい、ねじりの真髄部分を鑑賞することができない。うーん、現役物件につき補修は必須だろうけど、もうちょっとなんかこう。…しょうがないのかなあやっぱり。
だが幸いなことに、より特徴的な部分は、いまもしっかりと鑑賞することができる。
それがコチラ。
アーチを受ける石を迫受石と呼ぶ。通常は下の二段と同じような方形の切石が用いられ、それに合わせて煉瓦を斜めに整形したものから積み始めるパターン。しかしここは違う。
ご覧のように迫受石のほうが斜めに整形され、それをまさに「受け」として煉瓦を積んである。
この手法が採られている物件は、たたでさえレアなねじり物件においてもそう多くはない。これまた個人的には、よりガッチリ受け止めてる感のあるこの積み方が好みだ。
くぐって、東側より。