nを3以上の整数とする。
(1)kを整数とする。k<a<b<c≦k+nを満たす整数a、b、cの選び方の総数をnの式で表せ。
(2)1≦a<b<c≦2nを満たす整数a、b、cのうち、a+b>cとなるa、b、cの選び方の総数をLとする。このとき、L>n3であることを示せ。
(注)
2n→2×n
n3→異なるn個のものから重複を許さず3個のものをとる総数(この記号を知っている小学生もいるでしょうね)

 

文字になっていて難しそうな感じがしますが、(2)はともかく、(1)は小学生でも簡単に解けるでしょうね。

(1)を小学生向けの表現にすると、1以上n以下の整数から、異なる3つの整数を選ぶとき、選び方は何通りありますかという問題にすぎませんからね。

(2)は(1)の誘導をどう利用するか考えれば解決策が見つけられるでしょう。

(1)の答えを問題文に出してまで誘導してくれているので、Lを直接求めようとしてはいけません。

詳しくは、下記ページで。

 北海道大学2025年前期理系数学第5問(問題)

 北海道大学2025年前期理系数学第5問(解答・解説)

 

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 大、中、小の3つのさいいころを投げて出た目をそれぞれa、b、cとする。このとき、積abcが5の倍数となる確率は[ ]である。また、a+b+c≧15となる確率は[ ]である。
(注)
abc→a×b×c
確率→小学生の場合、とりあえず、すべての場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。

 

高校入試数学の場合の数・確率の問題は、最難関高校の問題であっても、強引な融合問題(大学入試問題などでもありがちですが、方程式が解を持つ条件と絡めるような意味のない融合問題など)でない限り、小学生でも解ける問題が結構あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回取り上げる大阪星光学院高校の問題は今年の灘高のさいころの問題と同レベルで、最難関中学校の受験生なら解けるのが望ましい問題です。

前半の問題は、東京慈恵会医科大学2025年数学第1問の前半の問題を簡単にしたもので、小学生でも秒殺できるでしょう。

後半の問題は、3つのさいころの出た目がほぼ6という感じなので、書き出して解いています。

別解として、重複組合せの処理(しきりの考え方)をしています。

最難関中学校の受験生ならマスターしておくべき考え方です。

この後半の問題は20年ぐらい前の京大の後期の問題(さいころをn個振ったときの出た目の和がn+3となる確率を求める問題)をアレンジしたものでしょうね。

余裕のある人は京大の問題を解いてみるとよいでしょう。

大阪星光の問題はさいころの出た目がほぼ6というイメージでしたが、京大の問題はさいころの出た目がほぼ1というイメージです。

解法としては同じです。

因みに、理系はn+3でしたが、文系はn+2でした。

文系の問題になると、選び出した後並べ替える解法と重複組合せを考える解法との差がほぼなくなってしまうんですけどね。

文理共通で、n+4、n+5あたりでよかったと思います(安易に重複組合せを考える人にトラップを仕掛けるのなら、n+6にすればいいでしょうね)。

詳しくは、下記ページで。

 大阪星光学院高等学校2025年数学第1問(4)(問題)

 大阪星光学院高等学校2025年数学第1問(4)(解答・解説)

 

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 次の□にあてはまる数を答えなさい。
  (15/7+0.6)×□+6・7/13-19/91=9
 (6・7/13は帯分数(6と7/13)のことです。)

 

最難関中学校の受験生であれば、91=7×13となることは覚えているでしょう。

解説では、式全体を7倍して処理しています。

汚らしい答えですが、大した計算をしていないので、間違えていないという確信が持てるはずです。

仮に、ぐちゃぐちゃと計算していたら、汚らしい答えが出てくると、間違えたかなと不安になるでしょう。

安心して2問目以降を解くのと不安になりながら2問目以降を解くのとでは、精神面で大きな差が生じたでしょうね。

この消去算的手法は最難関中学校の計算問題を解くうえでぜひマスターしておくべき解法です。

下の問題もぜひ解いてみましょう。

 灘中学校2022年算数1日目第1問

 桜蔭中学校2023年算数第1問(1)

 開成中学校2018年算数第1問(1)

 開成中学校2022年算数第1問(1)

詳しくは、桜蔭中学校2025年算数第1問(1)の解答・解説で。

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 Tさんが昨年、商品Aと商品Bを合わせて10個買ったところ、全部の代金は20400円でした。今年になって、商品Aの値段が1.1倍に、商品Bの値段が1.5倍に値上がりしたため、商品Aを昨年の2倍の個数、商品Bを昨年の1/3倍の個数だけ買ったところ、商品Aと商品Bを合わせた個数も、全部の代金も昨年と同じになりました。
(1)今年は商品Aを何個買いましたか。
(2)今年の商品Bは1個いくらですか。

 

基本的な文章題です。

消去算で解くこともできますが、解説では、(1)も(2)もてんびん算で処理しています。

なお、(1)は整数条件(倍数条件)に着目しても簡単に解けます。

割合のつるかめ算として処理すると、次のようになります。

(1)

Bの個数も昨年の2倍であれば、AとBの合計個数も2倍の20個となったはずですが、実際は、Bの個数が1/3倍になっているから10個となっていて、20-10=10個少なくなっています。

これが昨年のBの個数の2-1/3=5/3倍に相当するから、昨年のBの個数は10×3/5=6個となり、今年のAの個数は(10-6)×2=8個となります。

説明のために長々と書いただけで、実際には、昨年のBの個数は(10×2-10)÷(2-1/3)=6個というように式だけですぐに求めることができます。

(2)

今年は、Aの代金総額が1.1×2=2.2倍、Bの代金総額が1.5×1/3=0.5倍となっています。

昨年のAの代金総額は

  (20400-20400×0.5)÷(2.2-0.5)

 =10200×10/17

 =6000円

となり、昨年のBの代金総額は

  20400-6000

 =14400円

となります。

したがって、今年のBの値段は

  14400×1/6×1.5

 =3600円

となります。

詳しくは、下記ページで。

 東海中学校2025年算数第3問(問題)

 東海中学校2025年算数第3問(解答・解説)

下の割合のつるかめ算の問題もぜひ解いてみましょう。

 

 

解説ページでは3つの解法を紹介しています。

 

 

 

 半径1の円周上に反時計回りに点A、B、C、Dを順にとり、線分ADは直径で、AC=CD、AB=BCが成り立つとする。
(1)∠ACBを求めよ。
(2)略
(3)略

 

(2)と(3)は三平方の定理とルートがからむので、省略しています。
一応高校の三角比の問題ですが、三平方の定理を利用して中学生の範囲で解けます。

(1)は小学生でも解ける角度の基本問題です。
図をかくと下のようになります。
  
三角形ACDは角Cが直角の直角二等辺三角形ですね。
2点B、Dを直線で結び、円周角の定理を利用すると、角ACB=角ADB=45/2度というように一瞬で解けますが、小学生の場合、円周角の定理を知らないので、円周角の定理を知らないふりをして解くことにします(西大和学園中学校など数学的な問題が出されることがある中学校を受験するのであれば、円周角の定理を知っておいた方が時間の短縮になっていいとは思いますが・・・)。
点B、Cと円の中心(点Oとします)をそれぞれ直線で結びます。
三角形COAは角COAが直角の直角二等辺三角形となりますね。
AB=BCだから、角COB=90/2=45度となります。
三角形OBCはOB=OCの二等辺三角形だから、角BCO=(180-45)/2=135/2度となり、角ACB=135/2-45=45/2度となります。