日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2009年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2009年予選第7問を取り上げ、解説します。

算数オリンピックやジュニア算数オリンピックのファイナルに参加する子は解いてみるとよいでしょう。

直線が通る2点で分類して数え上げようとしてももれなくダブりなく数え上げることは困難でしょう。

当ブログで取り上げた数学オリンピックやジュニア数学オリンピックの問題などで何度も利用している方法(あえてダブらせて後で調整する方法)で解きます。

もとの小立方体の頂点は3×3×3=27個あります。
異なる27個の頂点から異なる2個の頂点を選ぶ(選び方は(27×26)/(2×1)=351通り)と直線が1本できますが、3個以上の頂点を通る直線に関しては重複して数えてしまっている(わざとですが・・・)ので、それを取り除く必要があります。
4個以上の頂点を通る直線はありませんね。
3個の頂点を通る直線は3回(例えば、図のA、B、Cを通る直線であれば、2点A、Bを選んだとき、2点B、Cを選んだとき、2点C、Aを選んだときの3回(実際には、3点A、B、Cのうちどの1点を選んでいないか考えればよいでしょう))カウントしているので、2回分取り除く必要があります。

  
3個の頂点を通る直線は、以下の場合が考えられます。
(あ)大きな立方体の辺と平行な直線
(い)大きな立方体の面の対角線と平行な直線
(う)大きな立方体の対角線
(あ)について
大きな立方体の高さ方向で考えると、3×3=9本あります(図の青色の直線が右の面、真ん中の面、左の面にありますね)。
大きな立方体の縦方向、横方向も条件的に同じだから、全部で9×3=27本あります(条件の対等性を利用して作業を減らします)。
(い)について
大きな立方体の水平面(「上下方向」)で考えると、2×3=6本あります(図の赤色の直線が上の面、真ん中の面、下の面にありますね)。
大きな立方体の「左右方向」、「前後方向」も条件的に同じだから、全部で6×3=18本あります。
(う)について
大きな立方体の8個の頂点のうち最も離れた2個の頂点をペアにすると立方体の対角線ができるから、全部で4本あります。
したがって、条件を満たす直線は全部で
  351-(27+18+4)×2
 =253本
あります。

なお、甲陽学院中学校で、この27個の頂点のうち3個選んで三角形を作るとき、正三角形が何個できるかという問題と4個選んで四角形を作るとき、正方形が何個できるかという問題が出されている(2003年算数1日目第5問)ので、ぜひ解いてみましょう。

 

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