日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2023年予選の問題
今回は、JJMO2023年予選第3問の場合の数の問題を取り上げます。
中学受験生でも、ダブりの処理をきっちりすれば簡単に解けるでしょう。
AA、BB、CCをそれぞれセットにし、a、b、cとし、残り1文字をdとします。
dはA、B、Cの3通りあります。
そのそれぞれに対して、a、b、c、dの並べ方が4×3×2×1通りあるから、場合の数は
3×4×3×2×1
=72通り
となりそうですが、この中には、AAABBCCのようにある1文字が3つ並ぶ場合がダブルカウント(例えば、d=Aのときにadとdaがダブルカウント)されてしまっています。
そこで、同じ文字が3つ並ぶ場合の数を引く必要があります。
Aが3つ並ぶ場合は、AAA、BB、CCの3つのかたまりを並べると考えればよいから、この場合は3×2×1=6通りあり、Bが3つ並ぶ場合とCが3つ並ぶ場合も同様に、6通りずつあります。
したがって、求める場合の数は72-6×3=54通りとなります。
上の解説でダブルカウントされてしまっていますと書いてありますが、実際は、わざとダブルカウントして、その後、ダブりを除外するという手法で解いています。
意図せずにダブりが生じることはいけませんが、意図的にダブルカウントするのは問題ないのです。
この手法は応用性が高く、高校入試や大学入試でも利用できます。
次の灘高校の入試問題をぜひ解いてみましょう。