右の図1のような2n個のマスのそれぞれに〇、×のいずれかの記号を入れる入れ方を考える。ただし、180°回転して同じになるものは1通りと考えることにする。たとえばn=1のとき、記号の入れ方は図2のように3通りある。
(1)n=2のとき、記号の入れ方は[ ]通りある。
(2)n=3のとき、記号の入れ方は[ ]通りある。
(3)nが自然数のとき、2n個のマスに記号を入れる入れ方はnを用いて[ ]通りと表せる。
(注)
2n→2×n
自然数→1以上の整数(小学生は無視して考えればよいでしょう。)
「180°回転して同じになるものは1通りと考える」という条件があるので、ダブりに注意する必要があります。
解説ではあえてダブらせて後で調整するという方針で解いています。
この方針は非常に大切なので、最難関中学校の受験生はしっかりマスターしておく必要があります。
下の問題を解いてみるとよいでしょう。
大阪星光の問題に戻ります。
n=1のとき(問題の例)とn=2のとき((1))を理論的にきっちり分析することができれば、メインの(3)の問題も同様にしてすぐに解けます。
(1)と(2)だけなら、書き出して解くという方針でも解けないこともないですが、その方針では、(3)は厳しいでしょう。
何も考えずに書き出しても意味はないですが、n=2の場合を書き出したときに、はじかれたものがどういうものであるかということと問題文の例ではじかれたものがどういうものであるかということを考えれば、解説の方針にたどり着ける可能性は十分あります。
ところで、解説では、n=1のときとn=2のときにぎりぎりまで計算していませんが、これは非常に大切なことです。
計算してしまうと見えなくなってしまうことがありますからね。
例えば、次のような問題を低学年の子に解いてもらうことがあります。
最初の数が3で、2ずつ増えていく数を左から順に並べます。左から20番目の数は何ですか。
初めて教えた子は、たいてい3、3+2=5、5+2=7、・・・というようなことをして答えを出そうとします。
これで答えを出せること自体はいいことですが、計算はしなくてもいいから、番号と式だけ書いてくれればいいよと必ず言います。
すると、
① 3
② 3+2
③ 3+2+2
④ 3+2+2+2
⑤ 3+2+2+2+2
というように書いてくれるので、⑤って数字が何個並んでいるか問うと、5個とすぐに答えてくれ、2は何個並んでいるか問うと、4個とすぐに答えてくれます。
これをいくつかの番号でやった後、⑳はどうかなと問うと、数字は全部で20個で、2は19個だと答えてくれ、3+19×2=41が答えだと言ってくれます。
最初が2だったら楽だったよねと言うと、2×20+1=41としたほうが楽だとたいていの子が気付いてくれます。
低学年のうちはこういう勉強法が非常に大切で、等差数列の□番目の公式を覚えせてそれを当てはめて解くなどという学習法では、高学年で破綻することがあります(公式を忘れたと言って手が(思考も)止まってしまうような状態です)。
もちろん、等差数列の□番目の公式を自分で導き出せるのであれば問題ありません。
詳しくは、下記ページで。