2つの地点SとTを結ぶ道があります。AさんはSからTへ、BさんはTからSへそれぞれ一定の速さで歩きます。AさんはBさんより時速2km速く歩き、2人はそれぞれ一定の速さで歩きます。そして、Aさん、Bさんは、それぞれT、Sに着くとすぐに引き返し、最初にすれ違った時刻から54分後に、Sから900mの地点で再びすれ違いました。次の問いに答えなさい。
(1)2人が同時に歩き始めてから最初にすれ違うまでにかかった時間は何分か求めなさい。
(2)Aさんの歩く速さは時速何kmか求めなさい。また、2つの地点SとTの距離は何kmか求めなさい。

 

旅人算の有名問題(N回目の出会いの問題)で、昔から様々な中学校で出されています(神戸女学院中学部2003年算数第7問洛南高等学校附属中学校2024年算数第2問など)。

(1)も(2)も比例を使うとすぐに解決します。

解説では(2)を相当算で処理していますが、下のように消去算に持ち込んで解いてもよいでしょう。

ST間の距離を□mとします。

Bに着目します。

  (□-2000×27/60)×1/2×3=□+900(なぜこの式を作ることができるのか自分で考えてみるとよいでしょう。)

  □×3/2-1350=□+900

  □×1/2=2250

  □=4500(以下略)

詳しくは、下記ページで。

 滝中学校2025年算数第5問(問題)

 滝中学校2025年算数第5問(解答・解説)

 

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数学の中学準備講座の授業の内容を少し紹介します。

 

 (-14)×5÷(-7/2)-(-3)×(-14)÷(-6/11)
 まずどこから計算?  (-14)×5÷(-7/2)
 符号は?  マイナスとマイナスでプラス
 じゃあ、あとは14×5×2/7を計算するだけで  20
 次に、-(-3)×(-14)÷(-6/11)の部分の符号は?  マイナスが4個でプラス
 じゃあ、あとは3×14×11/6を計算するだけ  77
 じゃあ、答えは?  20+77=97

ちまちまの計算式を書くのではなく、かたまりを見つけてその部分を一気に処理します。

まず、符号を判定して慣れ親しんだ小学生の計算にいち早く持ち込みます。

最初は符号のミスが起こりやすいので、それをしっかり確認することが大切です。

細かいことですが、(-3)×(-14)÷(-6/11)の部分で符号判定するのではなく、引き算の記号も含めて符号判定するのもポイントです。


 (-6)5÷24×(-52)÷(-3)3÷(-10)2

 まず、それぞれの符号は? マイナス、プラス、マイナス、マイナス、プラス

 全体の符号は? マイナス3個でマイナス

 じゃあ、あとは65÷24×52÷33÷102を計算して、マイナスをつけるだけ。

 6=2×3、10=2×5だよね。2,3,5はそれぞれ何個残る?  2は分母に1個、3は分子に2個、5は0個

 じゃあ、答えは?  -9/2

指数については、例えば、(-52)と(-5)2の違いを確認するため、パーツごとに符号をいったん確認しています。

 

洛南高等学校2024年数学第1問(1)
 {1-(2)3÷(-4)}×56÷(-7/8)+9を計算しなさい。
 まず、どこから計算? -(2)3÷(-4)

 符号は?  マイナスが1個、3個、1個の合計5個でマイナス

 数字は?  2

 結局、{ }の中は?  -1

 次に、どこを計算?  -1×56÷(-7/8)

 符号は?  マイナス2個でプラス

 じゃあ、あとは56×8/7を計算するだけで  64

 じゃあ、答えは?  64+9=73

 

 (-5x3)×(-6y2)÷(-3x2y/2)+(-6x4y)÷(-xy)2×(-3x)

 まず、どこから計算? (-5x3)×(-6y2)÷(-3x2y/2)

 符号は?  マイナス3個でマイナス

 数字は?  5×6×2/3で20

 文字は?  xが1個、yが1個

 それで?  -20xy

 次に、+(-6x4y)÷(-xy)2×(-3x)の符号は?  マイナスが1個、2個、1個の合計4個でプラス

 数字は?  6×3=18

 文字は?  xが3個、yが分母に1個

 それで?  18x3/y

 じゃあ、答えは書き並べるだけだね。

文字式になったところで、正と負の数の計算と指数の計算などの組合せにすぎません。

 

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 整数a、b、cは条件
  2≦a<b<c≦6
を満たすとする。
(1)不等式a+b>cを満たすような(a,b,c)をすべて挙げよ。
(2)不等式a2+b2≧c2を満たすような(a,b,c)をすべて挙げよ。
(3)省略
(注)

a2→a×a(他も同様)


(3)は、(2)で求めた(a,b,c)が三角形の成立条件((1)がそうですが、これは小学生でも知っていますね)を満たすことを確認して高校で習う余弦定理を使うだけの計算問題だから、省略しています。
(1)と(2)は小学生でも簡単に解けます(記号の意味を教えれば、低学年の子でも普通に解けるでしょう)。

手を動かすだけですからね。

(1)
与えられた不等式より、aは2以上で、bは3以上だから、cは4以上(6以下)となります。
cの値で分類して書き出します。
 c b a
 432
 543
   2
 654
   3
   2
  43
上の7通りが答えですね。
実際には、(2,3,4)などというように書かないといけないですが、面倒なだけなので省略します。

解く作業より答えを書く作業の方が時間がかかりますし、答えが7通りもあると採点が大変そうですね。
(2)
2以上6以下の整数をそれぞれ2乗した(2回掛け合わせた)ものは4、9、16、25、36となります。
c2の値で分類して書き出します。
9+25<36<25+16、25=16+9、16>9+4だから条件を満たす数はほとんどないですね(というより、この時点で答えが求められてしまいますが・・・)。

  c2  b2  a2
 36 25 16
 25 16  9
(a,b,c)=(4,5,6)、(3,4,5)が答えとなります。

 

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 〇と書いてあるカードと、△と書いてあるカードが、それぞれたくさんある。これらのカードを、△と書いてあるカードが隣り合わないように横一列に並べていく。例えば3枚のカードの並べ方は〇〇〇、〇〇△、〇△〇、△〇〇、△〇△の5通りである。次の問に答えよ。
(1)4枚のカードの並べ方が何通りあるか求めよ。
(2)5枚のカードの並べ方が何通りあるか求めよ。
(3)n枚のカードの並べ方がはじめて200通りを超えるときのnの値を求めよ。

 

高校入試だけでなく、中学入試や大学入試でも昔からよく出される問題です。

(出題例)

 京都大学1999年前期文系数学第5問

 京都大学2007年理系乙数学第1問 問2

 大阪星光学院高等学校2022年数学第4問

 大阪星光学院中学校2007年算数第4問(ラ・サール中学校1996年算数1日目第5問の表記が変わっただけの問題)

 灘中学校1996年算数1日目第9問

 ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問

 ラ・サール中学校2004年算数第4問

 洛南高等学校附属中学校2024年算数第5問

上の出題例からわかるように、カードを並べるという表面的なことに本質があるわけではありません。

最難関中学校の受験生であればルーティーンワークと言える問題で、表(のようなもの)をかいておしまいです。

(3)はともかく、(1)と(2)は低学年の子でも解ける問題です。

因みに、この問題を小学生向けの表現にしたものを教え子に出して、まず1枚の場合から考えてみようかとヒントを出したら、次のようにして解けていました。

 1枚・・・〇、△の2通り

 2枚・・・〇〇、〇△、△〇の3通り

 3枚・・・5通り

 4枚・・・〇〇〇〇、〇〇〇△、〇〇△〇、〇△〇〇、△〇〇〇、△〇△〇、△〇〇△、〇△〇△の8通り

ここで、何か思うことはある?って尋ねると、2+3=5、3+5=8という規則性に気付いて、(3)も解けていました。

低学年の場合、こういう風に手を動かして解くということが非常に大切です。

受験生なら、この程度の問題はもっと理論的にさっと解けないといけませんが。

詳しくは、下記ページで。

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第3問(問題)

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第3問(解答・解説)