0以外の数字を使ってできる整数を小さい方から順に1から999まで並べると、
  1,2,3,4,5、6,7,8,9,11,12,……,999
となります。
 これらの整数について、次の問いに答えなさい。
(1)整数は全部でいくつ並んでいますか。
(2)並んでいる整数をすべてたすといくらになりますか。
(3)並んでいる整数をすべてかけ合わせた整数を考えます。
(ア)0は一の位から続けていくつ並びますか。
(イ)一の位、十の位、百の位、…と順に見ていくとき、0以外で初めて現れる数字は何ですか。

 

(3)の(ア)までは標準的な問題で、洛南の受験生(特に合格最低点が高い女の子)なら、絶対に落としてはいけない問題です。

(3)の(イ)は算数オリンピックレベルの難問で、受験生にはきつい問題だったかもしれません。

実際、ジュニア広中杯(算数オリンピックの中1、中2版)のファイナルで同じような問題が出されたことがあります(ジュニア広中杯2012年ファイナル第2問(3)で、2012以上4024以下の整数の積の末尾に並ぶ0をすべて取り除いた数の一の位を求める問題)。

昔、ジュニア広中杯で入賞した教え子が、一応解けたけど、もっと簡単に解ける解法はないですかと質問してきた問題で、この問題を見た瞬間に面倒だなぁと思いましたから。

ジュニア広中杯の問題も洛南の問題も安易に一の位だけを考えると間違えてしまいます。
例えば、15×2=30の0を取り除くと3になりますが、一の位の数だけを考えた場合、5×2=10の0を取り除くと1となり、一致しませんからね。

5の倍数と偶数の積によって新たに生み出される「一の位」を考える必要があるわけです。

ただ、答えとして考えられるものは2、4、6、8であることがすぐにわかるので、適当に答えを書いて偶然正解した受験生が結構いたかもしれませんね。

検証していませんが、安易に一の位だけ考えたときに偶然正しい答えと一致していたらよくない問題でしょうね。

詳しくは、下記ページで。

 洛南高校附属中学校2025年算数第4問(問題)

 洛南高校附属中学校2025年算数第4問(解答・解説)

 

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 121、2332、3003のように数字の並び方が右からも左からも同じである数を回文数といいます。4桁(けた)の整数で15の倍数である回文数のうち、もっとも大きい数を答えなさい。

10秒以内に解ける問題です。
条件を満たす4桁の整数は、□△△□と表される数となります。
15=3×5だから、5の倍数で3の倍数であるものを求めることになります。
□=5となることはすぐにわかりますね。
(5+△)を2倍したものが3の倍数となることから、5+△は3の倍数となり、最も大きいという条件を満たす△は7ですね。
したがって、答えは5775となります。

下の回文数の問題もぜひ解いてみましょう。

 

 

 

 

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 nは2以上の整数とします。
 n以下の正の整数のうち、nとの最大公約数が1であるものの個数を<n>と表すことにします。
 例えば、n=4のとき、4以下の整数のうち4との最大公約数が1であるものは1と3の2個なので、<4>=2です。
 また、n=5のとき、<5>=4です。
 次の問いに答えなさい。
(1)<99>を求めなさい。
(2)aは正の整数とします。n=3aのとき、<n>をnの式で表しなさい。
(3)a、bは正の整数とします。n=3a×5bのとき、<n>をnの式で表しなさい。
(4)a、bは正の整数とし、p、qはたがいに異なる素数とします。n=pabのとき、<n>=24をみたす整数nのうち、100以下のものをすべて求めなさい。
(注)
正の→0より大きい
a→3をa個かけあわせた数(他も同様)
ab→paとqbの積

 

オイラー関数にまつわる有名問題で、(1)~(3)は小学生でも秒殺できます。

ヴェン図をイメージしたり、1周期分調べたりして解く解法でもそれぞれの小問を解くのに1分もかからないでしょう。

実際、中学入試にも同じような問題(武蔵中学校2024年算数第1問(1)洛南高等学校附属中学校2021年算数第2問(1)など)が出されていますからね。

ただ、(4)が面倒です(難しいのではありません)。

p、qに使える素数が2、3、5、7、13だけであることがすぐにわかるので、パワーで押し込むことも可能でしょうが、面倒そうで、しかも、ミスが起こりそうなので、していません。

解説では、24に素因数2がたくさん含まれることに着眼し、唯一の素数2が含まれるかどうかで場合分けした上で、偶奇性を利用して解いています。

詳しくは、下記ページで。

 筑波大学附属駒場高等学校2025年数学第2問(問題)

 筑波大学附属駒場高等学校2025年数学第2問(解答・解説)

余裕のある人は次の問題も解いてみるとよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1個のさいころを3回投げ、出た目を順にa1、a2、a3とする。次の問いに答えよ。

(1)集合{a1,a2,a3}が集合{2,5,6}と等しくなる確率を求めよ。

(2)a1<a2<a3である確率を求めよ。

(3)a1、a2、a3がすべて異なる確率を求めよ。

(4)集合{a1,a2,a3}と集合{2,3}が等しいとき、a1=3、a2=2、a3=3である条件付確率を求めよ。

(5)1/a1+1/a2+1/a3である確率を求めよ。

(注)

確率→小学生の場合、とりあえず、すべての場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。

集合{a1,a2,a3}が集合{2,5,6}と等しくなる→要するに、2と5と6の目が(1回ずつ)出るということです。

集合{a1,a2,a3}と集合{2,3}が等しい→要するに、2と3の目だけが出るということです。

条件付確率→小学生の場合、とりあえず、条件を満たす場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。

 

小学生にとってわかりにくい文章になっていますが、どの小問も中学受験生なら解けるような問題ばかりです。

さいころを3回ふる問題ですが、6×6の表をかくまでもありません。

因みに、(2)は先日取り上げた北大の理系の問題の(1)と同じです。

 

 

メインの(5)は、実質的には単位分数の和の問題で、中学入試にも出されています(大阪教育大学附属天王寺中学校2011年算数第1問(1)同志社国際中学校2024年算数第4問など)。

解説で紹介しているきっちりとした解き方(平均で範囲を絞る解き方)は、広大の問題でも通用します。

詳しくは、下記ページで。

 広島大学2025年前期文系数学第1問(問題)

 広島大学2025年前期文系数学第1問(解答・解説)

 

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 A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Kの11人の生徒を5人部屋と6人部屋に分けます。A、B、Cの3人の生徒が同じ部屋に入るとすると、11人の分け方は何通りありますか。

昔からよくある問題で、10秒以内に解けます。
透明人間Lがいるとでも考えましょうか。

5人部屋にはもう一人透明人間がいると考えると、部屋は2つとも6人部屋になり、場合分けを回避できますね。
A、B、Cと同じ部屋に入る3人をD~Lの9人から選べばよいから、求める分け方は

  (9×8×7)/(3×2×1)

 =84通り

あります。
 

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