整数a、b、cは条件
  2≦a<b<c≦6
を満たすとする。
(1)不等式a+b>cを満たすような(a,b,c)をすべて挙げよ。
(2)不等式a2+b2≧c2を満たすような(a,b,c)をすべて挙げよ。
(3)省略
(注)

a2→a×a(他も同様)


(3)は、(2)で求めた(a,b,c)が三角形の成立条件((1)がそうですが、これは小学生でも知っていますね)を満たすことを確認して高校で習う余弦定理を使うだけの計算問題だから、省略しています。
(1)と(2)は小学生でも簡単に解けます(記号の意味を教えれば、低学年の子でも普通に解けるでしょう)。

手を動かすだけですからね。

(1)
与えられた不等式より、aは2以上で、bは3以上だから、cは4以上(6以下)となります。
cの値で分類して書き出します。
 c b a
 432
 543
   2
 654
   3
   2
  43
上の7通りが答えですね。
実際には、(2,3,4)などというように書かないといけないですが、面倒なだけなので省略します。

解く作業より答えを書く作業の方が時間がかかりますし、答えが7通りもあると採点が大変そうですね。
(2)
2以上6以下の整数をそれぞれ2乗した(2回掛け合わせた)ものは4、9、16、25、36となります。
c2の値で分類して書き出します。
9+25<36<25+16、25=16+9、16>9+4だから条件を満たす数はほとんどないですね(というより、この時点で答えが求められてしまいますが・・・)。

  c2  b2  a2
 36 25 16
 25 16  9
(a,b,c)=(4,5,6)、(3,4,5)が答えとなります。

 

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 〇と書いてあるカードと、△と書いてあるカードが、それぞれたくさんある。これらのカードを、△と書いてあるカードが隣り合わないように横一列に並べていく。例えば3枚のカードの並べ方は〇〇〇、〇〇△、〇△〇、△〇〇、△〇△の5通りである。次の問に答えよ。
(1)4枚のカードの並べ方が何通りあるか求めよ。
(2)5枚のカードの並べ方が何通りあるか求めよ。
(3)n枚のカードの並べ方がはじめて200通りを超えるときのnの値を求めよ。

 

高校入試だけでなく、中学入試や大学入試でも昔からよく出される問題です。

(出題例)

 京都大学1999年前期文系数学第5問

 京都大学2007年理系乙数学第1問 問2

 大阪星光学院高等学校2022年数学第4問

 大阪星光学院中学校2007年算数第4問(ラ・サール中学校1996年算数1日目第5問の表記が変わっただけの問題)

 灘中学校1996年算数1日目第9問

 ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問

 ラ・サール中学校2004年算数第4問

 洛南高等学校附属中学校2024年算数第5問

上の出題例からわかるように、カードを並べるという表面的なことに本質があるわけではありません。

最難関中学校の受験生であればルーティーンワークと言える問題で、表(のようなもの)をかいておしまいです。

(3)はともかく、(1)と(2)は低学年の子でも解ける問題です。

因みに、この問題を小学生向けの表現にしたものを教え子に出して、まず1枚の場合から考えてみようかとヒントを出したら、次のようにして解けていました。

 1枚・・・〇、△の2通り

 2枚・・・〇〇、〇△、△〇の3通り

 3枚・・・5通り

 4枚・・・〇〇〇〇、〇〇〇△、〇〇△〇、〇△〇〇、△〇〇〇、△〇△〇、△〇〇△、〇△〇△の8通り

ここで、何か思うことはある?って尋ねると、2+3=5、3+5=8という規則性に気付いて、(3)も解けていました。

低学年の場合、こういう風に手を動かして解くということが非常に大切です。

受験生なら、この程度の問題はもっと理論的にさっと解けないといけませんが。

詳しくは、下記ページで。

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第3問(問題)

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第3問(解答・解説)

 

 

 

 

 nを3以上の整数とする。
(1)kを整数とする。k<a<b<c≦k+nを満たす整数a、b、cの選び方の総数をnの式で表せ。
(2)1≦a<b<c≦2nを満たす整数a、b、cのうち、a+b>cとなるa、b、cの選び方の総数をLとする。このとき、L>n3であることを示せ。
(注)
2n→2×n
n3→異なるn個のものから重複を許さず3個のものをとる総数(この記号を知っている小学生もいるでしょうね)

 

文字になっていて難しそうな感じがしますが、(2)はともかく、(1)は小学生でも簡単に解けるでしょうね。

(1)を小学生向けの表現にすると、1以上n以下の整数から、異なる3つの整数を選ぶとき、選び方は何通りありますかという問題にすぎませんからね。

(2)は(1)の誘導をどう利用するか考えれば解決策が見つけられるでしょう。

(1)の答えを問題文に出してまで誘導してくれているので、Lを直接求めようとしてはいけません。

詳しくは、下記ページで。

 北海道大学2025年前期理系数学第5問(問題)

 北海道大学2025年前期理系数学第5問(解答・解説)

 

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 大、中、小の3つのさいいころを投げて出た目をそれぞれa、b、cとする。このとき、積abcが5の倍数となる確率は[ ]である。また、a+b+c≧15となる確率は[ ]である。
(注)
abc→a×b×c
確率→小学生の場合、とりあえず、すべての場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。

 

高校入試数学の場合の数・確率の問題は、最難関高校の問題であっても、強引な融合問題(大学入試問題などでもありがちですが、方程式が解を持つ条件と絡めるような意味のない融合問題など)でない限り、小学生でも解ける問題が結構あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回取り上げる大阪星光学院高校の問題は今年の灘高のさいころの問題と同レベルで、最難関中学校の受験生なら解けるのが望ましい問題です。

前半の問題は、東京慈恵会医科大学2025年数学第1問の前半の問題を簡単にしたもので、小学生でも秒殺できるでしょう。

後半の問題は、3つのさいころの出た目がほぼ6という感じなので、書き出して解いています。

別解として、重複組合せの処理(しきりの考え方)をしています。

最難関中学校の受験生ならマスターしておくべき考え方です。

この後半の問題は20年ぐらい前の京大の後期の問題(さいころをn個振ったときの出た目の和がn+3となる確率を求める問題)をアレンジしたものでしょうね。

余裕のある人は京大の問題を解いてみるとよいでしょう。

大阪星光の問題はさいころの出た目がほぼ6というイメージでしたが、京大の問題はさいころの出た目がほぼ1というイメージです。

解法としては同じです。

因みに、理系はn+3でしたが、文系はn+2でした。

文系の問題になると、選び出した後並べ替える解法と重複組合せを考える解法との差がほぼなくなってしまうんですけどね。

文理共通で、n+4、n+5あたりでよかったと思います(安易に重複組合せを考える人にトラップを仕掛けるのなら、n+6にすればいいでしょうね)。

詳しくは、下記ページで。

 大阪星光学院高等学校2025年数学第1問(4)(問題)

 大阪星光学院高等学校2025年数学第1問(4)(解答・解説)

 

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 次の□にあてはまる数を答えなさい。
  (15/7+0.6)×□+6・7/13-19/91=9
 (6・7/13は帯分数(6と7/13)のことです。)

 

最難関中学校の受験生であれば、91=7×13となることは覚えているでしょう。

解説では、式全体を7倍して処理しています。

汚らしい答えですが、大した計算をしていないので、間違えていないという確信が持てるはずです。

仮に、ぐちゃぐちゃと計算していたら、汚らしい答えが出てくると、間違えたかなと不安になるでしょう。

安心して2問目以降を解くのと不安になりながら2問目以降を解くのとでは、精神面で大きな差が生じたでしょうね。

この消去算的手法は最難関中学校の計算問題を解くうえでぜひマスターしておくべき解法です。

下の問題もぜひ解いてみましょう。

 灘中学校2022年算数1日目第1問

 桜蔭中学校2023年算数第1問(1)

 開成中学校2018年算数第1問(1)

 開成中学校2022年算数第1問(1)

詳しくは、桜蔭中学校2025年算数第1問(1)の解答・解説で。

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