第25回広中杯トライアル問題2(4)(広中杯2024年トライアル問題2(4))


広中杯(算数オリンピックの中学生版)の問題ですが、九九の7の段を少し拡張しただけの問題なので、算数オリンピックのキッズBEEにチャレンジする子にもぜひチャレンジしてもらいたい問題です(桁数は減らしてあげるとよいでしょう)。

難しい知識は何もいりませんからね。

さて、広中杯の問題を解いていきましょう。
2桁の7の倍数(7で割り切れる数)を書き出します。
 14
 21、28
 35
 42、49
 56
 63
 70、77
 84
 91、98
 (条件を満たさない数は消しています。)
上で書き出したものを見て、次(右隣)にどのような数が来るか調べていきます。

 1の次は4の1通り
→4の次は2か9の2通り・・・(☆)
→2のとき、次は1か8の2通り、9のとき、次は1か8の2通り(いずれにしても1か8の2通りとなりますね。)
→1のとき、次は4の1通り、8のとき、次は4の1通り(いずれにしても4の1通りとなりますね。また、この後は、(☆)以降の繰り返しになりますね。)
1、2、4、8、9は同じグループになります。

 3の次は5の1通り・・・(★)

→5の次は6の1通り

→6の次は3の1通り((★)以降の繰り返しになりますね。)

3、5、6は同じグループになります。

 7の次は7(ずっと7が繰り返されるだけですね。)

7だけで「グループ」になっていますね。

それぞれのグループで右隣にどのような数がくるかまとめると次の図のようになります。

  

これで解く準備が整ったので計算していきます。
先頭が1のものについて考えます。
先頭から順に各位の数は、1、4、(2か9)、(1か8)、4、・・・となり、先頭から2番目目以降は、4、(2か9)、(1か8)の繰り返しが6セットあり、最後に4が来ます。
この場合は、
 1×(1×2×2)×(1×2×2)×・・・×(1×2×2)×1 ((1×2×2)が6セットあります。)
=212通り
あります。
先頭が2のものについて考えます。

先頭から順に各位の数は、2、(1か8)、4、(2か9)、(1か8)、・・・となり、先頭から2番目以降は、(1か8)、4、(2か9)の繰り返しが6セットあり、最後に(1か8)が来ます。
この場合は、
 1×(2×1×2)×(2×1×2)×・・・×(2×1×2)×2 ((2×1×2)が6セットあります。)
=213通り
あります。

先頭が4のものについて考えます。

同様にすると、この場合は、

 1×(2×2×1)×(2×2×1)×・・・×(2×2×1)×2 ((2×2×1)が6セットあります。)
=213通り
あります。

先頭が8のものについて考えます。

同様にすると、この場合は、

 1×(1×2×2)×(1×2×2)×・・・×(1×2×2)×1 ((1×2×2)が6セットあります。)
=212通り
あります。

先頭が9のものについて考えます。

同様にすると、この場合は、

 1×(2×1×2)×(2×1×2)×・・・×(2×1×2)×2 ((2×1×2)が6セットあります。)
=213通り
あります。

因みに、「同様にすると」と書いてありますが、実際には先頭から2番目が1通りか2通りかだけ確認すれば、212通りか213通りかがわかるので、実際には同様の作業をしていません(一応式を書いていますが、コピペしているだけです)。

また、先頭が1と8のもの、先頭が2と9のものをそれぞれまとめてもよいでしょう(上の図をみれば、まとめられることがすぐにわかるはずです)。

先頭が3、5、6、7のものについて考えます。

いずれの場合もただ1通りに確定するので、この場合は全部で4通りあります。

したがって、20桁のセブンな数は全部で

  212×2+213×3+4

 =1024×(4×2+8×3)+4 (210通り=1024であることを利用して分配法則を利用しました。)

 =1024×32+4

 =32000+768+4

 =32772通り

あります。

次の問題もぜひ解いてみましょう。

今回取り上げた広中杯の問題と同じような問題です。

 

 

 算数オリンピック・キッズBEE対策プロ家庭教師なら、プロ家庭教師のPTへ

 算数オリンピック・キッズBEE対策プロ家庭教師のお申込み・ご相談

 

 

 

 

 

 

 

 

 図のようなA町からB町へ行く道があります。A町からB町へ行く最短経路は何通りありますか。ただし、図の線の部分が道です。

  

 

場合の数(最短経路)の有名問題です。

灘中入試やジュニア数学オリンピックで同じような問題が出されたことがあります(灘中学校2017年算数1日目第8問日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2009年予選第2問)。

因みに、慶應普通部の今年の入試にも同じような問題が出されています。

最短距離で進むためには、できるだけ斜めの線を通る必要があります(三角形の成立条件を考えればすぐにわかりますね)が、斜めの線を2か所以上通ることはできませんね。

詳しくは、下記ページで。

 南山中学校女子部2025年算数第2問(問題)

 南山中学校女子部2025年算数第2問(解答・解説)

なお、斜めの線が絡む経路の場合の数の問題で、最短経路でなくてもよいものが1970年の東大入試で出されています。

(参考問題)東京大学1970年1次文科第5問

 次の□にあてはまる数は何か。

 右図の(イ)、(ロ)について、点Aから出発して点Bに到達する行き方は全部で幾通りあるかを考えす。ただし、道は必ず左から右へ、または下から上へ進み、斜めの道は左下から右上へ進むものとする。このとき

(1)点Cを通ってゆく行き方は、(イ)については□通り、(ロ)については□通りある。

(2)点Cを通っても通らなくてもよいとすれば、(イ)については□通り、(ロ)については□通りの行き方がある。

  

(解答・解説)

いわゆるいちいち解法を利用して(2)から解きます。

ある地点への行き方は、左、下、左斜め下までの行き方を合計したものになります。

  

(1)の答えは、(イ)も(ロ)も4×4=16となりますね。

因みに、いわゆるいちいち解法を使わなくても簡単に解けます。

Cを通る場合ですが、AからCまでの行き方が4通りであることは経路をなぞっていっても求められますし、CからBまでの行き方はAからCまでの行き方と同じ(BからCまで行くと考えれば明らかですね)こともすぐにわかりますからね。

また、Cを通らない場合は、Cとつながる道をすべて消した上で経路をなぞっていけばすぐに求められますからね。

キッズBEEにチャレンジする子が解くのにちょうどいい問題ですよ。

 

 中学受験算数対策プロ家庭教師の生徒募集について

 中学受験算数プロ家庭教師のお申込み・ご相談

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第26回ジュニア算数オリンピックトライアル問題6(ジュニア算数オリンピック2022年トライアル問題6)

今回は、ジュニア算数オリンピック2022年トライアル問題6を取り上げ、解説します。

ある長さが与えられたときに方向の異なる線の長さを求めたり、比率を求めたりするのは難しくなることが結構ある(灘中学校2013年算数1日目第11問など)ので、一工夫が必要です。

図の赤色の線、緑色の線、青色の線の長さは等しくなりますね(正十二角形の点対称の中心の周りに、赤色の線を反時計回りに120度回転すると緑色の線となり、緑色の線を反時計回りに120度回転すると青色の線となり、青色の線を反時計回りに120度回転すると赤色の線となりますね)。

このバランスを崩さないように図のような補助線を引く(直線ADを引くと、正十二角形の点対称の中心の周りに、ADを反時計回りに120度回転した直線を引き、さらにこの直線を反時計回りに120度回転した直線を引きという感じです)と、黄色の三角形、黄緑色の三角形、黄色と水色を1つずつ組み合わせた三角形はすべて正三角形となります。

 

六角形ABCDEFの周りの長さは、赤色の線の長さの3倍となりますが、これはADの長さの3倍となります。

ADの長さは15cmだから、求める長さは15×3=45cmとなります。

 

 

 

 
 
 

 

 第15回キッズBEEトライアル問題6(キッズBEE2023年トライアル問題6)

今回は、キッズBEE2023年トライアル問題6を取り上げ、解説します。

 和が3になる組み合わせ・・・(1,2,3)
 和が4になる組み合わせ・・・(1,3,4)
 和が5になる組み合わせ・・・(1,4,5)、(2,3,5)
 和が6になる組み合わせ・・・(1,5,6)、(2,4,6)

6通りの組み合わせをすべて調べつくすのではありません。

二つの数が共通している組み合わせを一気につぶすのがポイントです。

二つの数が見えているのに自分の数が決まらないというのがどういう状況かよく考えればこの解法が思いつくはずです。

(1,2,3)と(2,3,5)について考えます。

2と3のカードを見た人は自分のカードが1か5かわからないので、この場合はありえません。

(1,3,4)と(1,4,5)について考えます。

1と4のカードを見た人は自分のカードが3か5かわからないので、この場合はありえません。

(1,5,6)と(1,4,5)について考えます。

1と5のカードを見た人は自分のカードが4か6かわからないので、この場合はありえません。

残った候補は(2,4,6)となり、このときに条件を満たすことがすぐに確認できますね。

 

 キッズBEE対策プロ家庭教師なら、プロ家庭教師のPTへ

 キッズBEE対策プロ家庭教師(金賞・長尾賞等の実績があるプロ家庭教師による直接指導)のお申込み・ご相談

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第28回ジュニア算数オリンピックトライアル問題9(ジュニア算数オリンピック2024年トライアル問題9)

今回は、ジュニア算数オリンピック2024年トライアル問題9を取り上げ、解説します。

この問題はひらめきが必要というものではなく、平面図形の頻出論点の単純な組合せにすぎず、きっちり勉強していれば解ける問題です。

問題を見た瞬間に、与えられた図形が線対称図形であることと斜めの正方形があることに気付くでしょう。
まず、線対称の軸で2つの図形に分け、右半分だけで考えます。

  
黄色の部分の面積の2倍が求める面積ですね。
次に、斜めの正方形の処理(水平な正方形に埋め込む処理)を行います。
水平な正方形の一辺の長さは1/2cmとなります。
図の赤線はこの正方形の点対称の中心を通るから面積を2等分していますね。
したがって、求める面積はこの正方形の面積にほかならず、1/2×1/2=1/4cm2が答えとなります。

中学入試に出された線対称を利用する問題と斜めの正方形の処理の問題を紹介しておくので、ぜひ解いてみましょう。

線対称の利用

 東海中学校2017年算数第4問

 灘中学校2013年算数1日目第9問

斜めの正方形の処理

 東海中学校2009年算数第9問

 東海中学校2016年算数第8問

 灘中学校2023年1日目第10問

 西大和学園中学校2024年算数第1問(3)