第15回キッズBEEトライアル問題6(キッズBEE2023年トライアル問題6)

今回は、キッズBEE2023年トライアル問題6を取り上げ、解説します。

 和が3になる組み合わせ・・・(1,2,3)
 和が4になる組み合わせ・・・(1,3,4)
 和が5になる組み合わせ・・・(1,4,5)、(2,3,5)
 和が6になる組み合わせ・・・(1,5,6)、(2,4,6)

6通りの組み合わせをすべて調べつくすのではありません。

二つの数が共通している組み合わせを一気につぶすのがポイントです。

二つの数が見えているのに自分の数が決まらないというのがどういう状況かよく考えればこの解法が思いつくはずです。

(1,2,3)と(2,3,5)について考えます。

2と3のカードを見た人は自分のカードが1か5かわからないので、この場合はありえません。

(1,3,4)と(1,4,5)について考えます。

1と4のカードを見た人は自分のカードが3か5かわからないので、この場合はありえません。

(1,5,6)と(1,4,5)について考えます。

1と5のカードを見た人は自分のカードが4か6かわからないので、この場合はありえません。

残った候補は(2,4,6)となり、このときに条件を満たすことがすぐに確認できますね。

 

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 第28回ジュニア算数オリンピックトライアル問題9(ジュニア算数オリンピック2024年トライアル問題9)

今回は、ジュニア算数オリンピック2024年トライアル問題9を取り上げ、解説します。

この問題はひらめきが必要というものではなく、平面図形の頻出論点の単純な組合せにすぎず、きっちり勉強していれば解ける問題です。

問題を見た瞬間に、与えられた図形が線対称図形であることと斜めの正方形があることに気付くでしょう。
まず、線対称の軸で2つの図形に分け、右半分だけで考えます。

  
黄色の部分の面積の2倍が求める面積ですね。
次に、斜めの正方形の処理(水平な正方形に埋め込む処理)を行います。
水平な正方形の一辺の長さは1/2cmとなります。
図の赤線はこの正方形の点対称の中心を通るから面積を2等分していますね。
したがって、求める面積はこの正方形の面積にほかならず、1/2×1/2=1/4cm2が答えとなります。

中学入試に出された線対称を利用する問題と斜めの正方形の処理の問題を紹介しておくので、ぜひ解いてみましょう。

線対称の利用

 東海中学校2017年算数第4問

 灘中学校2013年算数1日目第9問

斜めの正方形の処理

 東海中学校2009年算数第9問

 東海中学校2016年算数第8問

 灘中学校2023年1日目第10問

 西大和学園中学校2024年算数第1問(3)

 

 
 

 

 0以外の数字を使ってできる整数を小さい方から順に1から999まで並べると、
  1,2,3,4,5、6,7,8,9,11,12,……,999
となります。
 これらの整数について、次の問いに答えなさい。
(1)整数は全部でいくつ並んでいますか。
(2)並んでいる整数をすべてたすといくらになりますか。
(3)並んでいる整数をすべてかけ合わせた整数を考えます。
(ア)0は一の位から続けていくつ並びますか。
(イ)一の位、十の位、百の位、…と順に見ていくとき、0以外で初めて現れる数字は何ですか。

 

(3)の(ア)までは標準的な問題で、洛南の受験生(特に合格最低点が高い女の子)なら、絶対に落としてはいけない問題です。

(3)の(イ)は算数オリンピックレベルの難問で、受験生にはきつい問題だったかもしれません。

実際、ジュニア広中杯(算数オリンピックの中1、中2版)のファイナルで同じような問題が出されたことがあります(ジュニア広中杯2012年ファイナル第2問(3)で、2012以上4024以下の整数の積の末尾に並ぶ0をすべて取り除いた数の一の位を求める問題)。

昔、ジュニア広中杯で入賞した教え子が、一応解けたけど、もっと簡単に解ける解法はないですかと質問してきた問題で、この問題を見た瞬間に面倒だなぁと思いましたから。

ジュニア広中杯の問題も洛南の問題も安易に一の位だけを考えると間違えてしまいます。
例えば、15×2=30の0を取り除くと3になりますが、一の位の数だけを考えた場合、5×2=10の0を取り除くと1となり、一致しませんからね。

5の倍数と偶数の積によって新たに生み出される「一の位」を考える必要があるわけです。

ただ、答えとして考えられるものは2、4、6、8であることがすぐにわかるので、適当に答えを書いて偶然正解した受験生が結構いたかもしれませんね。

検証していませんが、安易に一の位だけ考えたときに偶然正しい答えと一致していたらよくない問題でしょうね。

詳しくは、下記ページで。

 洛南高校附属中学校2025年算数第4問(問題)

 洛南高校附属中学校2025年算数第4問(解答・解説)

 

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 121、2332、3003のように数字の並び方が右からも左からも同じである数を回文数といいます。4桁(けた)の整数で15の倍数である回文数のうち、もっとも大きい数を答えなさい。

10秒以内に解ける問題です。
条件を満たす4桁の整数は、□△△□と表される数となります。
15=3×5だから、5の倍数で3の倍数であるものを求めることになります。
□=5となることはすぐにわかりますね。
(5+△)を2倍したものが3の倍数となることから、5+△は3の倍数となり、最も大きいという条件を満たす△は7ですね。
したがって、答えは5775となります。

下の回文数の問題もぜひ解いてみましょう。

 

 

 

 

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 nは2以上の整数とします。
 n以下の正の整数のうち、nとの最大公約数が1であるものの個数を<n>と表すことにします。
 例えば、n=4のとき、4以下の整数のうち4との最大公約数が1であるものは1と3の2個なので、<4>=2です。
 また、n=5のとき、<5>=4です。
 次の問いに答えなさい。
(1)<99>を求めなさい。
(2)aは正の整数とします。n=3aのとき、<n>をnの式で表しなさい。
(3)a、bは正の整数とします。n=3a×5bのとき、<n>をnの式で表しなさい。
(4)a、bは正の整数とし、p、qはたがいに異なる素数とします。n=pabのとき、<n>=24をみたす整数nのうち、100以下のものをすべて求めなさい。
(注)
正の→0より大きい
a→3をa個かけあわせた数(他も同様)
ab→paとqbの積

 

オイラー関数にまつわる有名問題で、(1)~(3)は小学生でも秒殺できます。

ヴェン図をイメージしたり、1周期分調べたりして解く解法でもそれぞれの小問を解くのに1分もかからないでしょう。

実際、中学入試にも同じような問題(武蔵中学校2024年算数第1問(1)洛南高等学校附属中学校2021年算数第2問(1)など)が出されていますからね。

ただ、(4)が面倒です(難しいのではありません)。

p、qに使える素数が2、3、5、7、13だけであることがすぐにわかるので、パワーで押し込むことも可能でしょうが、面倒そうで、しかも、ミスが起こりそうなので、していません。

解説では、24に素因数2がたくさん含まれることに着眼し、唯一の素数2が含まれるかどうかで場合分けした上で、偶奇性を利用して解いています。

詳しくは、下記ページで。

 筑波大学附属駒場高等学校2025年数学第2問(問題)

 筑波大学附属駒場高等学校2025年数学第2問(解答・解説)

余裕のある人は次の問題も解いてみるとよいでしょう。