次の□の中に適当な数を入れなさい。
 1+18÷(1/7-1/16)+1/17÷(1/25-1/81)×119=225×□

 

与えられた式を見た瞬間に、左辺から225を取り出してくださいねという出題者の意図が読み取れるはずです。

この意図をきっちり読み取れれば解くのに30秒もかかりません。

なお、計算の途中で25×81が出てきますが、2025としてはいけません。

計算の途中で和と差の積が2乗の差となることを利用していますが、和と差の積が2乗の差となることについては、関西学院中学部1996年2日目第1問(4)南山中学校女子部2024年算数第1問(4)の解説ページを参照しましょう。

詳しくは、甲陽学院中学校2025年算数1日目第1問(1)の解答・解説で。

 

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 第27回算数オリンピックファイナル問題6(算数オリンピック2018年ファイナル問題6)

今回は、算数オリンピック2018年ファイナル問題6を取り上げ、解説します。

素数がらみの問題を考えるとき、2と3が特殊な素数であること(2と3以外の素数は6で割ると1か5余ること)を常に意識しておく必要があります(一橋大学2014年前期数学第1問の解答・解説ページにあるエラトステネスの篩を参照))。
このことは、中学入試問題であっても大学入試問題であっても変わりません(南山中学校女子部2022年算数第4問(2)京都大学2006年前期理系数学第4問など)。
上の京大の問題は簡単すぎるので、少し改造した次の問題を考えてみましょうか。
 2以上の自然数nに対し、nとn2+2がともに素数になるnを求めよ。
最初に述べたことを意識していれば、この問題を見た瞬間に答えは2か3ではないかとあたりがつけられます。
n=2のとき、2×2+2=6は素数でないから、条件を満たしませんね。
n=3のとき、3×3+2=11は素数だから、条件を満たしますね。
あとは、6で割った余りで分類して条件を満たさないことを確認すれば解けるでしょうが、もう少し簡単に解けるかもしれないので、少し実験してみます。
n=5のとき、5×5+2=27
n=7のとき、7×7+2=51
n=11のとき、11×11+2=123
いずれの場合も3の倍数となって条件を満たさない(偶数ということは関係ない)から、3で割った余りを考えればいいということで、上の京大の問題の解説になるわけです。
因みに、大学入試問題では「すべて求めよ」となっていなくも、すべて求めるのが当たり前で、答えが1個の場合、その答え以外に答えがないということを示さないといけないので、答えが1個の場合にわざわざ「すべて求めよ」というのは頓珍漢なことです。
さて、算数オリンピックの問題を解いてみましょう。
〇が7個あり、20以下の素数が2、3、5、7、11、13、17、19の8個あるので、使わない(あるいは、使えない)素数が1個ありますね。
最初に述べたことを意識して入れば、使えない素数があるとしたら、2か3ではないかとあたりがつけられますね。
2以外の素数は奇数だから、2を含む3つの素数の和(偶数+奇数+奇数)は2より大きい偶数となり、素数となりえません。
このことから2が使えないことがすぐにわかります。
次に、特殊な素数である3の配置を考えます。
20以下の素数で2と3以外のものを6で割った余りで分類します。
 (あ)6で割ると1余る数・・・7、13、19
 (い)6で割ると5余る数・・・5、11、17
3を含む3つの素数の残り2つを異なるグループから選ぶと3つの素数の和が3より大きい3の倍数となってしまうから素数となりえず、同じグループから2個選ぶことになります。
3を含む3つの素数の和は最大でも2つ(同時に使えるものが2つということです)しか作ることができないので、3を正三角形の真ん中と正三角形の頂点に配置するこができず、正三角形の辺の真ん中のところに配置することになります。
ここからが(多少)試行錯誤するところになります。
答えをすべて求めることもできますが、面倒なので、答えを1つ求めることにします。
3を含む3つの素数の和を確定させます。
 3+7+13、3+7+19(この2つの組は一方だけしか使えませんね。)
 3+5+11、3+11+17(この2つの組は一方だけしか使えませんね。)
とりあえず、数字の小さい組(3+7+13と3+5+11)を考えます。
3+5+11を辺のところに配置してみます(どの辺に配置しても同じことですし、5と11の配置が逆になっても同じことです)。
3+7+13を正三角形の高さのところに配置することになりますが、7と13が入れ替わったものは条件が異なりますね。
とりあえず、7を正三角形の真ん中に配置してみます。

  
5+7=12に17か19をたして素数となるものを考えることになりますが、両方とも素数となるので、とりあえず11+7=18に17か19をたして素数となるものを考えます。
こちらは19だけが条件を満たしますね。
あとは、5+19+13=37と11+17+13=41がともに素数となることを確認して答え(の1つ)が確定します。
因みに、使える7つの素数を確定させた後、3つの素数の和が素数となるものを書き出して解くことも一応可能ですが、やめておいた方がいいでしょう。
(7×6×5)/(3×2×1)=35通りの和について素数かどうかを考えることになり、面倒ですからね。

 

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 ある分数の分母に5を加えると分数の値は1/3となり、分子に3を加えると分数の値は1より大きく2より小さい。この分数を求めよ。ただし、この分数は既約分数とする。
 

小学生でも簡単に解ける問題です。

中学入試で同じような問題でもっと難しいもの(神戸女学院中学部1998年算数2日目第3問)が出されています。

もとの分数の分母に5を加えたものが分子の3倍で、3の倍数となることから、分母は3で割ると1余る数となります。

このことを見抜ければ、次のようにして、答えをすぐに見つけることができます。

 分母1 分子2(範囲の条件を満たしませんね。)

 分母4 分子3(範囲の条件を満たしますね。)

よって、答えは3/4となります。

解説では、もっと難しい問題が出されたときにも対応できるよう、もう少し丁寧に解く解法を紹介しています。

詳しくは、下記ページで。

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第1問(2)(問題)

 慶應義塾志木高等学校2025年数学第1問(2)(解答・解説)

下の問題もぜひ解いてみましょう。

 

 

 
 

 

 

 

 

 次の計算をしなさい。
  202・1/4-28・4/5-109・1/2
(帯分数を・を使って表記しています。例えば、202・1/4は202と1/4のことです。)

 

引く数をまとめるのは当然のこととして、何も考えずに通分して計算することもできますが、1/4=0.25、4/5=0.8、1/2=0.5を利用して小数で計算してしまったほうがはやいでしょう。

臨機応変に対処することが大切です。

詳しくは、高槻中学校2025年B算数第1問(1)②の解答・解説で。

 

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数学の中学準備講座の授業の内容を紹介します。

 

数学の中学準備講座の授業から(001) | 中学受験算数プロ家庭教師

 

 (3x-2y)(x+3y)を展開しなさい。

展開公式がありますが、公式を当てはめて解くのではありません。

最初は、面積図の利用と分配法則の利用を確認します。

 面積図の利用

   

 分配法則の利用

  与式

 =3x(x+3y)-2y(x+3y)

 =3x2+9xy-2xy--6y2

(前半のカッコは3xを分配しても係数の比率が変わらないこと、後半のカッコは-2yを分配しても係数の比率が変わらないことと符号の関係(同符号か異符号かということ)は変わらないことの確認)

 =3x2+7xy-6y2

実際には、次のように行います。

  

 ① 3x2

 ② +9xyと-2xyで+7xy 

 ③ -6y2

(実際には、計算できるところを頭の中でキープして結果だけ書くのがポイントです。)

さらに、応用的な展開の仕方も学習します。

前の( )内も後ろの( )内も1次の項のみだから、計算結果は2次の項のみとなり、x2とxyとy2が出てくることがわかります。

この係数を決定するだけですが、x2が出てくるのは、両方の( )で文字xを採用するときで、係数は(3×1=)3、xyが出てくるのは、一方の( )で文字xを、もう一方の( )で文字yを採用するときだから、係数は(3×3と(-2)×1=)7、y2が出てくるのは、両方の( )で文字yを採用するときで、係数は((-2)×3=)-6となります。

 

 (x-2y)3を展開しなさい。

一応高校の範囲ですが、中学生でも普通に解けます。

私立の中高一貫校であれば、中2の途中から高校数学に進むところもありますからね。

高校受験をしなくて済むメリットの1つに、意味のない中高数学の垣根を取っ払って学習できることがあります。

私が数学と英語を教えた教え子で、中2で2学年上の駿台、河合塾の高1模試で全国1位を獲得した子が2人います(それぞれ東大理Ⅲと京大医学部に現役合格)。

仮にこの子たちが高校受験をするのであれば、高校数学に踏み込む範囲を制限せざるを得ないので、同じような結果は出せなかったと思います。

さて、この問題ですが、地道に展開することももちろんできますが、面倒なので、頭を使って計算します。

高校の範囲では3乗の展開公式がありますが、公式を当てはめて解くのではありません。

先ほど紹介した最後の展開方法を利用します。

 (x-2y)(x-2y)(x-2y)

  ①  ②  ③

①、②、③の( )内はすべて1次の項のみだから、計算結果は3次の項のみとなり、x3とx2yとxy2とy3が出てくることがわかります。

この係数を決定するだけですが、x3が出てくるのは、①~③の( )で文字xを採用するときで、文字の採用の仕方は1通りあり、係数は1×1×1×1=1(実際は、式を考えるまでもなく1ですね)、x2yが出てくるのは、2つの( )で文字xを、残り1つの( )で文字yを採用するときだから、文字の採用の仕方は3通りあり、係数は3×1×1×(-2)=ー6(実際は、3×(-2)=-6)、xy2が出てくるのは、1つの( )で文字xを、残り2つの( )で文字yを採用するときだから、文字の採用の仕方は3通りあり、係数は3×1×(-2)×(-2)=12(実際は、3×(-2)×(-2)=12)、y3が出てくるのは、①~③の( )で文字yを採用するときで、文字の採用の仕方は1通りあり、係数は1×(-2)×(-2)×(-2)=-8となります。

文字yの係数が-2だから、文字yを1個採用するごとに-2を1個かけていくことに注意するだけです。

言葉で書くと長々しくなります(書いている私自身が面倒くさいなと思いますからね)が、実際にはこの作業を口頭で繰り返すことでスピードが上がります。

しかも、将来習う二項定理も暗記することなく当たり前の式として自分で導き出せるようになります。

 

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