第22回ジュニア算数オリンピックトライアル問題8(ジュニア算数オリンピック2018年トライアル問題8)

今回は、ジュニア算数オリンピック2018年トライアル問題8を取り上げ、解説します。
色を付けていない部分の面積が正十角形の面積の何倍か考えます。
与えられた図形は線対称(左右対称)だから、とりあえず右半分だけで考えればいいですね(対称性を利用して作業範囲を減らします)。

  
一般に、正十角形を上の右側の図のように3つの部分(向かい合う平行な辺を2辺とする長方形とそれ以外の合同な2つの図形(五角形))に分割すると、(10-4)/2=3より、面積比は、左から順に3:4:3となります(因みに、ジュニア算数オリンピック2016年トライアル問題5はこの作業で秒殺できます)。
このことは正十角形に限らず、正□角形で□が偶数(6以上)であれば成り立ちます。

例えば、正六角形であれば、(6-4)/2=1より、1:4:1となり、正八角形であれば、(8-4)/2=2より、2:4:2=1:2:1となり、正百角形であれば、(100-4)/2=48より、48:4:48=12:1:12となります(詳細については省略しますが、正八角形について説明したものが、東海中学校2008年算数第9問解答・解説のところにあるので、参照しましょう)。
話が少しそれたので、元に問題の解説に戻ります。
色を付けていない部分の面積は、水色の五角形1個分と黄色の長方形1/2×1/2=1/4個分を合わせたものの2倍になるから、正十角形の面積の{3/(3+4+3)+4/(3+4+3)×1/4}×2=8/10個分となるから、灰色の部分の面積の和は、正十角形の面積の2/10×2=4/10個分、つまり80×4/10=32cm2となります。