本ブログでは毎年フォローしているPayscaleのアメリカにおける大学の専攻別の年収ランキング。今年もランキングが出ました(2024)。
今年はこちら(「ビジネススクールの学部」まとめ)の記事を更新したこともありますので、本ブログ的には初心(?)に戻り、ビジネス関係の諸専攻を取り上げることにしました。ビジネスは分野によってかなり卒業生のキャリアは異なっていますので、ご興味がおありの方は見比べながらご覧ください。
今年のMid-Career Payの上位15専攻。1位「Petroleum Engineering」のと2位「Operations Ressearch & Industrial Engineering」でMid-Career PayUSD200Kを超えを達成。相変わらず似たような名前の専攻がたくさんありますので、解釈には注意が必要です。上位は理系中心ですが、ビジネス・経済関係からは「Applied Economics and Management」「Quantitative Economics」「Public Accounting」がランクインしています。
ワードサーチ「International」で検索してみた結果。複数の分野を横並びで見られるので過去記事でも良く使っています。トップこそ「Global & International Studies」となっていますが、それ以降は順当に国際経済・金融・ビジネス系が上位に来ています。今年は「International Economics」が「International Business & Finance」を上回っており、全般的に見ても経済学はビジネス分野と比べても年収の伸び率は高いようです(経済学はかなり定量的な専攻と見なされますので、昨今のデータ分析ブームに乗っている側面もあるのかもしれません)。
ファイナンス
定番のファイナンス。Mid Career Payは「Finance」でUSD122K。高収入の専攻と言っていいと思います。「Corporate Accounting」「Real Estate」「International Business」「Economics」と他のビジネス・経済分野とのクロスオーバーが上位に入っています。
会計学
「Public Accounting」がUSD162Kで全体のトップ15入り。次いで「Finance」「Economics」「Taxation」とのクロスオーバーが高くなっています。一方、通常の「Acconting」はUSD108Kであり、上位専攻と下位専攻の格差が激しいランキングになっています。
経営学
「Business Management」でUSD98K、「Human Resources Management」で91K。やはり他のビジネス専攻と比べるとやや低い結果となりました。
経営情報システム
「Information Systems」でUSD124K、「Management Information Systems」で133K。下の「オペレーション」とのクロスオーバーが特に高年収(USD141K)となっています。「ファイナンス」と同じく高収入の専攻と言えると思います。
オペレーション・サプライチェーン
「Operations Management」で116K、「Supply Chain Management」で111K。「ファイナンス」「経営情報システム」よりは少し低いかもしれません。「情報システム」とクロスオーバーすれば年収はぐっと上がります。
マーケティング
「Marketing」で112K。こちらも「ファイナンス」「経営情報システム」と比べると全般的にやや下がる傾向。「Entrepreneurship」「International Business」とのクロスオーバーが高くなっています。
今回はこれだけです。全体的に見ると「ファイナンス」「経営情報システム」が高く、「オペレーション・サプライチェーン」「マーケティング」がそれに次ぎ、「経営学」はやや低い結果となりました。「会計学」は上位と下位の差が激しく、「公認会計士」やファイナンス・経済学等とのクロスオーバーであれば上位専攻と同等以上に稼げますが、そうでなければ若干低めになる印象です。また分野間のクロスオーバーにも特徴があり、定番の「ファイナンス」「会計学」「経済学」間の組み合わせに加え、「経営情報システム」と「オペレーション」、「国際経営」「起業論」と「マーケティング」等の組み合わせが比較的、高年収となっています。
アメリカの「ビジネススクールの学部」は日本の「商学部・経営学部」と比べても実学志向・キャリア志向が高く、学部の雰囲気や進路もかなり異なっていると思いますが、何らかの参考にして頂ければと思います。