本ブログでは毎年フォローしているPayscaleのアメリカにおける大学の専攻別の年収ランキング。去年は更新されなかったのですが、今年はランキングが出ていました(2023)
 

本ブログの最近の関連記事はこちら。データソース・用語の定義などは過去記事をご参照ください。

 

2年前に比較的、細かくレビューしたので、今年は本ブログ的に興味がある分野のスクリーンショットをいくつか張っておくだけにします。2年前のランキングと比べてもインフレが凄まじく、インフレについていけている分野、いけていない分野もあるかと思いますので、そちらにも注目してみました。


 

今年のMid-Career Payの上位15専攻。1位「Petroleum Engineering」のMid-Career PayはついにUSD200Kを超えました。相変わらず似たような名前の専攻がたくさんありますので、解釈には注意が必要です。上位は理系中心ですが、ビジネス・経済関係からは「Applied Economics and Management」「Managerial Economics」がランクインしています。

 

参考:
国際経営専攻と国際キャリア

「国際関係学は役に立たない」か?




ワードサーチ「International」で検索してみた結果。複数の分野を横並びで見られるので過去記事でも良く使っています。2年前と比べてみると、まずトップに「Global & International Studies」がジャンプアップしているのが目につきますが、それ以降は順当に国際金融・経済・ビジネス系が上位に来ています。ただ、後に続く国際政治関連も比較的、インフレにはついていっているように見えます。

 

以下、いくつかワードサーチの結果を張り付けておきます。

 

 1.コンピュータ・IT

 

参考:
サイバーセキュリティ
アメリカのIT系専門職教育
学部のビジネス・アナリティクス

 

 


 

「Computer Engineering(CE)」「Comptuter Science(CS)」「Information Systems(IS)」の検索結果。過去記事の通り、いずれも高収入の専攻(今年はCEはUSD150K近くに達しており、CSも概ねUSD140K以上、ISはばらつきはありますが、ビジネス関係ならUSD120~130K以上)です。主だった専攻名で2年前と比べてみると、CEとCSは概ねUSD15K以上、ISでもUSD15K近く年収が上昇しており、もともと高収入なだけでなく、今般のインフレにも負けず年収を伸ばしていっている専攻と言っていいと思います。
 

 2.経済学・ファイナンス・会計学 

 

参考:
経済学の活かし方・学び方
ビジネス経済学
海外のコーポレート・ファイナンスの役職
企業価値評価(バリュエーション)の資格達
アメリカの公認会計士養成課程

 

 

 


経済学・ファイナンス・会計学の検索結果。経済学は「Applied Economics and Management」「Managerial Economics」「Econometrics」「Quantitative Economics」等が極めて高い年収(USD150K超、理系トップ級と同等以上)を叩き出しており、「Economics」も年収130K、またこの2年間でUSD15K程度の年収上昇を達成しています。ファイナンス(「Finance」でUSD120K近く)も比較的、高い(USD15K近くの)成長を達成しているように見える一方、会計学の中で年収の高い「Public Accounting(USD150K超)」「Accounting and Computer Systems(USD120K超)」はやや伸び悩んでいるように見えます。
 

 3.人文・社会科学 

 

参考:
アメリカで人気の外国語

地域専門家の育成
ビジネススクールのアカデミックな源流

 

 



こちらの記事でスクリーンショットが取れている専攻の中から、「Language」「Psychology」のワードサーチを拾ってみました。「Language」は、トップの日本語こそ伸び悩んでいますが、それに続く中国語、イタリア語、ドイツ語等は着実に(USD15K程度)年収を伸ばしています。一方、「Psychology」は全般に伸びが鈍いように見えますね。