椿姫 by Verdi 閉鎖前の最後のオペラ

<22nd Mar Sun>

週末は自宅で映像オペラ三昧。昨夜はウィーンのチェレントラとパリのマノン（実際に行く予定だったのに行けなかったやつ）、今朝はメトのルチア（ネトコちゃんとべチャワ。映画館で生中継観て以来）。生パフォーマンスと映像は全く別物で両方好きですが、映像の方は観たいところを繰り返せるのが良い点で、マキシム君とバンジャマン君は何度もしつこくうっとり。　

他のオペラハウスのオンデマンドもどっさりあるのですが、ロンドンで実際に観たオペラやバレエも合間にアップしないとね。

まずは、閉鎖前のＲＯＨで最後の公演となったヴェルディの椿姫。

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今シーズン、椿姫は１２月１７日から３月２３日まで、５人のヴィオレッタがひしめき合って、かなりの回数やることになってました。有名歌手出さなくても切符が売れるドル箱ですから。

知らない人も二人いますが、１人目と４人目は断固聴きたくないソプラノだし、素晴らしいけど見飽きたプロダクションなので、今回はアラーニャ夫人であるアレクサンドラ・クルチャクだけにして、予備も含め３回分買っておいて、まず３月１４日（土）の初日に行きました。

最初はなんかちょっと声も乾いててパワー不足でしたが、ぐんぐん良くなって、歌も芝居もさすがでした。でも、やっぱり、彼女にはロッシーニとかで軽く転がす役をの方が大好き。夫アラーニャと共演できないので、どんどん重い方にシフトしてるのは、夫婦円満には良いことなのでアラーニャファンとしては嬉しいですが、オペラ界の損失。軽やかで滑らかなコロラチューラ・ソプラノは貴重なんだから。

「こんな時はパリで家族と一緒に過ごしたいから、初日だけ歌って２回目からは降りる」と公言してたので、閉鎖がなくても彼女を聴けたのはこの日だけでしたが、本当に聴けてよかったです。夫婦で道化師をやる予定だったけど、これはないでしょうね。残念。

因みに、椿姫の２回目は１６日だったのですが、その日に急に閉鎖になった歴史的な日。代役ヴィオレッタが誰だったか知りませんが、あまりに開演直前の発表だったので、既にオペラハウスに到着してた人もたくさんいたでしょう。私は翌日にフィデリオ最終日に行く予定でした。

アルフレッド役のフレデリック・アントゥーンは、かなり前にフローレスが出られない日に一回だけ連隊の娘を歌ったことがあり、とても良かったので、注目テノールの仲間入り。その後何度か聴いてて、その時ほど良かったことはないのですが、それでもそこそこ実力のある人なので期待してたのですが、なぜか最初は声量不足で全くぱっとせずがっかり。でも、徐々に調子が出て、最後はベテランらしい落ち着いた演技と歌で感動的な最後になりました。

ジェルモン・パパの（ゲオルグ）・ぺテアンは、フィガロなどでＲＯＨでもお馴染み。　ルックスが地味なので目立ちませんが、いつも安定の歌唱力で便利に使えるバリトン。この役なんかお茶の子さいさいでしょう。