1月17日、20日、23日、29日と4回もロイヤルオペラハウスの椿姫(La Traviata)に行きました。


ネトレプコ椿姫降板騒ぎはこちら でご覧頂くとして、他の人たちのことも一応手短に書いておきましょう。


筋書きをご存知ない方はこちら 、これまでの役柄別ランクにご興味ある方はこちら(ヴィオレッタアルフレードお父さん )。


Composer Giuseppe Verdi
Production Richard Eyre
Revival Director Patrick Young
Designs Bob Crowley

Conductor Maurizio Benini


Violetta Ermonela Jaho/Anna Netrebko
Alfredo Germont Jonas Kaufmann
Giorgio Germont Dmitri Hvorostovsky/Andrzej Dobber

Baron Douphol Eddie Wade
Doctor Grenvil Mark Beesley
Flora Monika-Evelin Liiv

Gastone Ji-Min Park
Annina Sarah Pring


    

   



アルフレード役のジョナス・カウフマンも今回ネトレプコと同じくらい楽しみにしてました。

数年前にゲオルギューと共演したプッチーニのLa Rondine「つばめ」ではアンジェらの貫禄に圧倒されて、頼りない年下のツバメにしか見えなかったけど(そういう意味のツバメじゃないんですよ、タイトルは)、去年のカルメンではアントナッチ相手に堂々のドン・ホセぶりで、一気に注目。

いや~、素敵なアルフレードでした恋の矢

まず、顔がこれですもん。
容貌の乏しい人の多いテノール界にあっては、際立つ美貌です。

しかし、顔のよさはあくまでオマケ得点であって、オペラはスポーツ選手と同じで、実力があってこそ。

その点もカウフマンはバッチリで、彼の重い暗い声がこの役にぴったりかどうかは別にして、立派な歌唱で堂々たるものでした。

私が3回もネト子なしでも我慢できたのは、彼がいたからです。

ひとつ残念だったのは、バリトンとしては軽い声のお父さん役のホロストフスキーと声が似すぎてて、掛け合いのときはどちらが歌ってるのかわからなくなった程。



でもそれはカウフマンが悪いんじゃなくて、そう、ホロストフスキーのせいだ。

ねえ、ディーマさん、もうロンドンでこの役歌うのはやめてくんない?

年が若過ぎるのもロシア語訛りでどうしてもイタリア語には聞こえないないのは我慢するとしても、あんたじゃこの父親の重みが足りないのよ。

この役は出番が少ない割にはお馴染みアリアもあって得な役だし、あなたが一番大きな拍手をもらった日もあったけど、他にもっと適役のバリトンはゴマンといる筈だから、そういう人にここは譲って、あなたはオネーギンとかスペードの女王のロシア物に特化したほうが身のためでは?

それに、あなたの美貌とスター性で、例の「お客様は神様」的歌謡ショーでも新境地を開拓してるしさ、もう充分忙しいでしょ?

他の人で聴きたいという私の望みが叶って、29日は喉頭炎でキャンセルしてくれました。

でも、代役のAndrzaj Dobberというバリトン、かっしりして威厳あるし、ゴマシオ頭は年齢的にもぴったりなんだけど、可もなく不可もなく、どうってことのない人でした。折角ホロが出なくて喜んだのに、がっかり。



脇役は皆とてもよかったです。

中でも私はアルフレードの友人ガストーネ役の韓国人テノールJi-Min Parkのファンなんです。

去年の秋にROHの若手育成ブログラムのワークショップで聞いて気に入って、12月のワーグナーのパルジファルでも光ってました。

今回は、東洋人顔というだけでもどうしても回りから浮いてしまうのに、大袈裟悪ふざけで、目立たない役の筈なのに妙に目立ってました。

でも、癖がなくて素直に伸びる彼のリリカルな歌声は素晴らしいですからね、将来が楽しみな若者です。そろそろもう少し大きな役をやらせてもらえるといいね、パーク君。容貌とキャラからして、コミカルな役が似合ってるけど、適当な役が少ないのが問題ね。

17日、終了後にステージドアにPark君が立っていたので、握手してもらいました。「私、あなたの大ファンだからね」、なんてまだそんなに言われてないだろうから、喜んでくれたら嬉しいけど。

ROHには端役でたくさん出るだろうから、楽しみです。

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