<25th December Sun>

心臓に問題があって2日前から入院中の女王様のご主人である90歳のプリンス・フィリップの様子が気掛かりなイギリスのクリスマス。来年は女王様にとって大切な年ですから、フルに回復して下さらなくては困ります王冠1

我が家はトーチャンの手料理でオニーサン夫婦とクリスマス・ディナーを頂きます。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

10月から来年1月までやってる4チーム計22回のトラヴィアータ・マラソン、予算不足のために取りやめになった新作オペラの穴埋めのためとは言え、さすがROHのドル箱、切符の売れ行きも上々。


第二チームを12月6日と20日に舞台近くの席から左右一度づつ観ましたが、レオ・ヌッチだけが良かった第一チーム(ポプラフスカヤとヴァレンティだもんむっこちら と→こちら )と比べると、主役3人のケミストリーもマッチ・ベターで楽しめましたアップ

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Director Richard Eyre

Revival Director Rodula Gaitanou

Designs Bob Crowley
Lighting design Jean Kalman
Director of Movement Jane Gibson

Conductor Patrick Lange
Violetta Valéry Ailyn Pérez
Alfredo Germont Piotr Beczala
Giorgio Germont Simon Keenlyside
Baron Douphol Eddie Wade
Doctor Grenvil Christophoros Stamboglis
Flora Bervoix Hanna Hipp
Marquis D'Obigny Daniel Grice
Gastone de Letorières Ji Hyun Kim
Annina Gaynor Keeble

         London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

ゲオルギューの降板でご迷惑をお掛けした昨年秋のROH日本公演に代役の代役で登場して好評だったと聞くアイリーン・ペレスが一番楽しみでしたが、いつもハアハアと苦しそうで息継ぎも下手だった以外は、コントロールの利いたナチュラルな声がむらなく出て心地良い歌声でした。

そして、数年前に好演したインヴァ・ムーラを思い起こさせる小柄で可憐な容姿と真摯な熱演で、上手にヴィオレッタを演じているというよりも若くて心優しい薄幸の娼婦そのものだったのがペレスの一番の魅力でしょう。彼女が他の役を歌うのも聴いてみたいけど(こないだドミンゴと一緒にちょこっとだけリゴレットのジルダをやってくれたけど)、この涙を誘ったヴィオレッタの印象が強過ぎるかも。

ご主人であるテノールのコステロ君と共演して欲しかったけど、なぜか彼は1月に別のソプラノ(ヤホとネトレプコ)とチームになってるのが残念。でも、この後出演予定のヤホとネトレプコがもしキャンセルしたら代役でまたペレスに出て欲しいです。


       London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)         London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
アルフレード役のピョートル・ベチャラをこの役で聴くのは初めてだけど、今までに嫌というほど聴いてるので想像がつき、まさにその通りの立派な歌唱だったけど、段々太るなってる声を力まかせに出してるだけみたいな場面が多くて、去年のロメオとジュリエットではじめて彼の良さがわかったのに(こちら )、またその前の「上手だから文句のつけようはないけどなぜか魅力の少ないテノール」に戻ってしまい、田舎の能天気な坊ちゃんにしてはちょっと老けてるし、来月出る予定のグリゴーロに全ての面で負けるのは明らか。

 
ジェルモン・パパは我らがサイモン・キーンリーサイド。初日は白髪の老人だったそうだけど、50も過ぎたことだし、そこまでしなくてもいいかと思い直してか、私が行った2回は毛染めはほとんどしてなかったようです。

でもそれだと44歳のベチャラと親子には見えないので、身のこなしをヨタヨタにして、一生懸命老け役を演じてました。レオ・ヌッチみたいに、しゃんとしててもナチュラルに年食ってる人はそのままでいいけど、と努力でなんとかしようとするサイモンは偉い。こないだヌッチの代役でも出たホロ(ディミトリ・ホロストフスキー)なんて、そんなことやろうともしなくて若いままのダンディなパパでしたよ(リゴレットの時はハゲかつらまで被ったのに)。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
あら嫌だわ、話がついホロのことになってしまったけど(本当は愛してるんでしょうか?って冗談きつい?にひひ)、サイモンに話を戻すと、演技にこだわる彼が提案したのでしょうか、いつもとちょっと演出が異なり、パパが息子をひっぱたくところを今回は息子がパパをどつき、パーティでアルフレードに罵倒されて悲しむヴィオレッタにパパが手を差し伸べるんです。いつもより老いぼれてるけど優しいパパ像を作ろうとしたのかしら?

いずれにしても、わざとらしくても演技上手のサイモンとヴィオレッタそのもののペレスのおかげでことさら感動的な第二幕になりました。


若い指揮者ははじめて見る人ですが、出だしは死ぬ程のろかったのに、途中でやたらスピード上げて歌手とずれてしったり、テンポに問題ありでした。2回目は慣れたのかかなりましだったけど。


このチームはきっと回を重ねる毎に良くなったんでしょう、私が観た2回のうちでも2回目の方がドラマとして盛り上がりました。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
  London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


さあ、これで来月はいよいよ真打登場で、ネトレプコとグリゴーロです。一緒に出てくれなくて、別々に2回づつだけってのがおおいに不満だけど、コステロ君も聴きたいので、まあいいか。



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