<18th Jan Mon>

今日はトーチャンの誕生日なので、夜はムスメたちとレストランでお祝いディナー。仕事で忙しそうだけど、手描きカードはもらえるかな? 出掛ける前にオペラ記事をアップしときましょう。

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1月16日はトラヴィアータの初日でした。


えっ!また椿姫? 


そうなんです。去年の夏にやったばかりなのに、今年も又結構な回数やるんです。ヴィオレッタは3人。

そんなROHのドル箱オペラなんですが、今回はのっけから波乱の幕開けになってしまいました叫び



Music Giuseppe Verdi

Libretto Francesco Maria Piave
Director Richard Eyre
Designer Bob Crowley
Lighting designer Jean Kalman
Movement director Jane Gibson
Conductor Yves Abel
Violetta Valéry Venera Gimadieva
Alfredo Germont Samuel SakkerSaimir Pirgu の代役)
Giorgio Germont Luca Salsi
Flora Bervoix Andrea Hill
Gastone de Letorières Luis Gomes
Annina Sarah Pring
Baron Douphol Yuriy Yurchuk
Doctor Grenvil James Platt
Marquis D'Obigny Jeremy White


キャスト変更については何の発表も連絡もなく、キャスト表に紙切れも付いてなかったのですが、壁に「サイミール・ピルグが喉をやられてキャンセルしました」という貼紙がガーン

OMG!、今日はピルグが目的で来てるのに、なんてこと。

貼紙なんて誰も気付かないでしょうから、開演前に舞台でアナウンスされたら「え~っ、そんな!」、とどよめくかと思いきや、全く反応なし・・。ピルグってそんなに知名度低い?



       


で、代役はオーストラリア人のROHの若手アーチストのサミュエル・サッカー。と、言われても、秋に彼らがコンサートした時にたしかこいつは病欠してたので聴いたことがないですが、もしかしたら凄く上手で格好良いかもしれないし・・。などという期待は決してできませんが(だって、ジェット・パーカー・ヤング・アーチストはろくなテノールがいた試しがないので)、やっぱりこの程度か・・、という感じでした。当日になってピルグが降りたらしいので、アルフレードを歌えるもっとましなテノールは腐るほどいても呼んで来る時間がなかったんでしょう。


まあ、「下手くそ~っ、引っ込め~!」という程ひどくはないし、最初は緊張してたけど段々ほぐれてきて声が出るようになり、時々「あら、なかなか良いじゃないの」と思ったところもあり、この役はどこかで既に歌ったことがあるのだろうと思うくらい安心感はあったので、急な大抜擢にしてはよくやったと褒めてあげるべきでしょう。高音がすこーんと突き抜けない声も、おっさん的ルックスも私の好みではないけど、上背はあるので遠目にはサマになるし、田舎の素朴なボンボンという雰囲気という点ではピルグよりぴったり。 ピルグは6年前のまだ無名の時には素朴なアルフレードだったのに、その後リゴレットとかやってイメージが自信過剰の伊達男になってしまったのでね。




ええかっこしいになってしまったとは言え上手なピルグが聴けなかったのはがっかりでしたが、それを補って余りある素晴らしい歌手が聴けて、一気に幸せになれた夜でした。


ヴィオレッタ役はROHデビューのヴェネラ・ギマルディエヴァ。名前も聞いたことないし、今までマイナーな所でしか歌ってないので、全く期待してなかったんですが、その素晴らしさにびっくり仰天目

細すぎず張りがあって声量もたっぷり、綺麗に突き抜ける私好みの美声で、ヴィオレッタの色んな要素を全てクリアして、うっとり聞惚れましたラブラブ 第一幕の最後もちゃんと一オクターブ上げて盛り上げました。


今までのROHのヴィオレッタはこれまでのブログ記事で下記にまとめた通り、ネトレプコ、ルネ・フレミング、アンジェラ・ゲオルギュー、ダムラウ、ヨンチェバ、と人気ソプラノが出てるんですが、私はこのヴェネラ嬢が一番好きかも


手垢が付いてなくてフレッシュだから余計そう感じるのかもしれないことを差し引いても、心地良く響く声で、しかも舞台映えする美貌で演技も真摯。代役じゃなくて、最初から抜擢したのは実力を知ってたからでしょうが、2014年のグラインドボーンのヴィオレッタを聴いてスカウトしたんでしょうね。こないだのオネーギンのニコール・カーと言い、無名の若い素晴らしいソプラノを発見してくれて感謝です。

ヴェネラ嬢はこれをきっかけに更に世界に羽ばたくこと間違いなしで、すでに、ROHの後はベルリン、ドレスデン、マドリッドと続いてます(→こちら )。 他のオペラでも聴きたいです。アップ


プンプン嗚呼、こんなことなら、このチームの切符を他の日も買っておけばよかった・・。ピルグも回復するかもしれないし、そうじゃなかったらきっと他のテノールを引っ張ってくるでしょうから。なによりもヴェネラ嬢をもう一度聞きたかった・・。


    

 題名をクリックすると記事に飛びます

椿姫(これまでのヴィオレッタ比較)  2006年1月 ROH

椿姫(これまでのアルフレード比較) 2006年1月 ROH 

椿姫(これまでのジェルモン比較)  2006年1月 ROH

椿姫(ネトレプコ騒動)  2008年1月 ROH Aネトレプコ、Eヤホ

椿姫(ヴィオレッタ以外)  2008年1月 ROH Jカウフマン、Dホロストフスキー

椿姫  2009年6月 ROH Rフレミング、Jカレヤ、Tハンプソン

椿姫  2009年6月 ROH Rフレミング、Jカレヤ、Tハンプソン

椿姫 2010年5月 ROH Eヤホ、Sピルグ、Dホロストフスキー

椿姫 2010年7月 ROH Aゲオルギュー、Jヴァレンティ、Zルチッチ

椿姫 (ゲオルギュー降板) 2010年7月 ROH Mレベカ、Jヴァレンティ、Zルチッチ

椿姫  2011年10月 ROH Mポプラフスカヤ、Jヴァレンティ、Lヌッチ

椿姫  2011年10月 ROH Mポプラフスカヤ、Jヴァレンティ、Dホロストフスキー

椿姫 2011年12月 ROH Aペレ、Pベチャラ、Sキーンリーサイド

椿姫  2012年1月 ROH Aペレ、Sコステロ、Pガヴァネリ

椿姫  2011年1月 ROH Vグリゴーロ、Bボブロ、Pガヴァネリ

椿姫 (主役二人降板) 2012年1月 Bボブロ、Cカステルノーヴォ、Pガヴァネリ

椿姫(全チーム比較)  2012年1月

椿姫 2014年4月 ROH Dダムラウ、Fデムーロ、Dホロストフスキー

椿姫  2014年5月 ROH Dダムラウ、Fデムーロ、Dホロストフスキー

椿姫 2014年5月 ROH Aペレス、Sコステロ、Sキーンリーサイド

椿姫  2015年5月 ROH Mレベカ、Iジョルディ、Fヴァッサロ

椿姫  2015年6月 ROH Mレベカ、Dポポフ、Gペテアン

椿姫   2015年6月 ROH Sヨンチェバ、I ジョルディ、Fヴァッサロ





   

バリトンには興味のない私、ジェルモン・パパはどうでもいいんですが、今回のルカ・サルシはなかなか良かったです。指揮者はお馴染みの手堅いイヴ・アベル


尚、今回のトラヴィアータは3月にもう一回だけ行きます。嫌いなテノール(ロランド・ヴィラゾン)とソプラノ(ニコール・カベル)は避けますが。




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