鹿児島本線・折尾駅 福岡の駅をぐるり21 | 日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

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 空旅、企画旅、鉄道クイズもあります。

この時間は、福岡県の駅をぐるりします。

本日の駅は、鹿児島本線と筑豊本線(福北ゆたか線、若松線)の接続駅、折尾駅です。

 

写真は,平成10〜20年代撮影のものが多くあります。現在の状況とは変わっていることがありますので、参考にする際はご注意ください。

また、当ブログをご利用される際は、必ずこちらの記事「免責事項について」をお読みの上、ご覧くださいね。

では,最後までごゆっくり!

 

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折尾駅は明治24年開業、鹿児島本線の駅と筑豊本線の駅は若干時期はずれますが同じ年度に開業しています。
その4年後には日本で最初の立体交差駅となり、平成の時代に入るまで、古い歴史が残る立体交差駅として知られていました。
 
現在は筑豊本線のルートを水巻駅方から大きく迂回するように折尾駅に進入するようにルート変更がされ、2路線がそれぞれ高架構内を持つ変則的な高架駅となっています。
 
駅舎は、その2路線の高架線の根元にあたる部分に設置され、駅業務部分もここに集約されました。
折尾駅と言えば、木造の駅舎が有名でしたが高架化に際して木造駅舎の保存はかなわず、新駅舎はできる限り旧駅舎の面影を残すデザイン、それに一部の部材を使用して旧駅舎に近いものとなりました。
 
今回の記事、駅構造の複雑さと、旧駅舎の写真も併せてご紹介するため、写真がかなり多めになりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
 
さて、上の折尾駅の写真、もう少し解説しますと、左側の高架が鹿児島本線、右側の高架が筑豊本線となります。
かつての筑豊本線の線路は、ざっくりいうと駅舎の写真左端から右端中央に見える街灯あたりの地表を抜けていました。
 
駅前です。
駅舎から駅前を向いたものではなく、筑豊本線の高架構内の外側から駅前をみたところです。
このあたりは旧駅舎の頃から再開発が進んだエリアで、産業医科大学に向かう道路を中心に整備され、新しいマンションなどもめだつエリアです。
 
昭和の時代の折尾駅しかご存じない方にとっては、鹿児島本線の水巻方面から筑豊本線の若松方面への短絡線の築堤などが残っていたり、雑居ビルや古い民家が密集する下町的な雰囲気が強かったイメージのエリアかもしれません。
 
上写真で立っている部分から視線を右に向けて筑豊本線の高架を見たところです。
実はこちら側からも駅舎に入れる、駅看板があるだろうと思って撮影してみたのですが、新駅舎になって駅の入口は新駅舎の入口1カ所に集約されたため、こちらの駅前から直接筑豊本線の高架構内に上がる改札などはありませんでした。
 
筑豊本線の高架下の奥に鹿児島本線の高架構内が見えますが、折尾駅を発車すると、黒崎方面へ向かい、あっという間にふたつの高架線が遠ざかってしまうのがよく分かります。
 
では筑豊本線の高架構内の外側から、最初の駅舎正面に戻ってみることにしましょう。
 
筑豊本線の高架下をくぐっていたらこんなものをみつけました。
 
古いレールでしょうか?
 
説明パネルがありました。
鉄輪の重みに耐え、その後はホーム上屋を支えたレールですが、今はこうやって折尾駅の歴史を物語るように静かに佇んでいました。
 
 
駅舎正面に戻って最初の駅舎写真の立ち位置から反対方向を向いたところです。
こちらはタクシープールになっていました。
かつては旧駅舎の前に並んでいたタクシーはこちらに移動しています。
駅前には、旧筑豊本線の地表線路が残されており、その脇には「日本初立体交差駅の地」という碑が建っています。
ただ、この線路が、旧駅舎のときから全く移設されていないかどうかはワタシには分かりません。

さらに鹿児島本線の高架構内をくぐってみましょう、その先にはかつての折尾駅の正面駅前と、鷹見口駅舎と呼ばれた、折尾駅6,7番ホームを有する鹿児島本線黒崎方面から続く筑豊本線との短絡線があったはずなのですが……
 
うわ~なんもない!
ただの工事現場と河川改修現場みたいになっています。
右に煉瓦造りの構造物が見えますが、ねじりまんぼになっていて、この上を、かつて西鉄北九州線が走り地表を鷹見口駅舎から続く短絡線が抜けていたと思います。
 
地表からだと分かりにくいので、先に鹿児島本線の高架ホームからこの部分をみてみましょう。
左の2階建てプレハブ現場事務所みたいな建物あたりに鷹見口駅舎があった気がします。
短絡線は左右に走っていました。
ねじりまんぼの横側の擁壁が正面右に見えます。
西鉄北九州線の折尾停留場はその手前にあって、たしかオリオンプラザとかいう商業ビルの中に駅がありました。
今は全くその面影はなくなっていますが、いずれこちらの駅前も整備されてきれいになるのでしょう?
 
なお西鉄北九州線も、短絡線とクロスするため大正時代から高架駅となっていました。
 
さらにホームを水巻方面に移動したところです。
ここから見えるフェンスに囲まれた部分が、旧筑豊本線の線路があった部分、手前の広がっているところが折尾駅の構内に入る部分でした。
筑豊本線は複線でしたが、写真中央のフェンス左側の道路に人影が見えるあたりだけ単線となっていて、その奥側で複線の短絡線が左側から合流していました。
 
かつての、筑豊本線は、この合流部分から先、中間駅までは複々線となっていて、次の東水巻駅があるあたりで短絡線と本線がクロスして線路の入れ替わりが行われていました。
複々線となったのは大正時代、複線となったのは明治20年代ですから、その当時の筑豊本線の重要性が分かります。
 
では長々と駅前のご案内をしましたが、駅舎に入ってみましょう。
 
外観は旧木造駅舎のデザインをそのまま受け継いでいますが、駅舎に入るとさすが新駅舎ということもあって明るく近代的に構造となっています。
左から改札、ウォークインタイプのきっぷうりば、自動券売機と並んでいます。
 
天井は旧駅舎の面影を残していますが、旧駅舎当時あった2階部分は、構造上存在するものの使用することはできなくなっています。
天井からの柱は、かつての駅舎部材を使用しているようで、このあと紹介する旧駅舎の駅舎内部写真をご覧いただくと似ていることがよく分かると思います。
 
柱の下部分はベンチとしても使われていています。
 
構内に入るまえに、訪問当日現在で営業を開始していた店舗についてもご紹介しておきましょう。
折尾駅にはJR九州の中小商店が並ぶ商業施設「えきまち1丁目」があります。
 
左側にあるのは有名なクロワッサン屋さん三日月屋です。
福岡空港などにも店舗があり、JALのDPラウンジの軽食メニューでも提供されています。
 
スタバもあります。
そのほかコンビニもすでに出店していました。
 
では改札を入ってみましょう。
 
両路線の高架構内を貫く形で改札内コンコースは設置されているのでとても長くなっています。
 
そのため乗換に時間を要する案内があります。
 
コンコースに折尾駅の構内案内図の模型がありました。
これをご覧いただいた方が新しい折尾駅の様子がよく分かりそうです。
 
手前が、工事現場みたいになっていたかつての木造駅舎があった駅前です。
かつて鷹見口駅舎でつながっていた短絡線が一番手前のホームとその向こう側2面2線、鹿児島本線はその向こう2面3線(模型では鹿児島本線が2面4線のようになっていますが中央の島式ホームは手前が短絡線、奥が鹿児島本線水巻方面のホームです。)、奥が筑豊本線の1面2線ホームで左手が東水巻方面の通称「福北ゆたか線」(電化)、右手が本城方面の「若松線」(非電化)として運行しています。
 
あれ、なんかガラスが張られた部分が……
 
……ここにも地表の筑豊本線の跡が残されていました。
旧駅舎の完全保存はできませんでしたが、至るところに遺構を残してくれているのは嬉しいです。
ところで上ふたつの写真である人物が写っているのがお分かりでしょうか?
そう立ち売りの駅弁屋さんです。
こうやって今でも折尾駅名物のかしわめしの駅弁が販売されています。
 
ちなみに、販売している東筑軒の店舗も健在です。
食べたいなあって思って……
 
……食べちゃいました(*^O^*)
 
全部入れてもらいましたが、とり天も追加でくるなら入れてもらえば良かったと思います。
満腹になったところで、ホームに上がってみましょう。
 
まずは1番のりば、短絡線のりば、奥が黒崎・門司港方面です。
 
こちら東水巻・原田方面、右には811系が停車していますが、3~5番のりばは、鹿児島本線のりば、水巻・博多方面です。
 
1番のりばの駅名標は、鷹見口駅舎を思わせる鹿児島本線と筑豊本線の前後表示の駅名標。
鹿児島本線のホームの駅名標は撮り忘れました(*^O^*)なんで撮らなかったんだろう(^^ゞ
 
ちょっと全部のせのかしわそばとかしわにぎりがオバサンには負担となり、息を切らせながら筑豊本線のりばに移動しました。
どこにも「筑豊本線」の表記がないのが寂しいです。
 
若松線は非電化なのですが、蓄電池車両のDENCHAが運行しているので、実質的に電化区間と変わりません。
 
筑豊本線のホームから見た鹿児島本線のホームです。
 
筑豊本線の駅名標。
 
本城・若松方面、この先で架線はなくなっています。
 
東水巻・原田方面。
かつての地表駅当時と同様、折尾駅の構内から短絡線との合流部分までは単線になっているようです。
この先で左側ソニックが走っている鹿児島本線をアンダークロスし短絡線と合流すると新しく掘られたトンネルを抜けて旧地表線のルートと合流します。
 

 
さてここからは、旧折尾駅をご紹介します。
 
かつての折尾駅木造駅舎。
 
現在のいかにもハリボテ的な建物と比べるとやはり風格を感じてしまいます。
クルマでゴチャゴチャしていた折尾駅前、この部分が何もない更地みたいになっているのはちょっとショックでした。
 
駅前を抜けたところにあった鷹見口駅舎。
いかにも国鉄の職員用売店みたいな商店がありました。
 
この鷹見口駅舎には6,7番のりばが割り当てられていて、自動改札機導入後でも、乗換をするときには有人窓口を通過すれば本駅舎と乗換をすることができました。
 
東水巻・原田方面は大きく左にカーブしていました。
筑豊本線の一部電化時からこの短絡線の電化されていました。
短絡線は以前から複線構造でした。
 
黒崎・門司港方面、こちらはそのまま黒崎まで鹿児島本線とは別線で複々線区間となっていました(現在も同様です)。
 
鷹見口駅舎のホームから見た鹿児島本線の列車です。
では旧駅舎に戻ります。
 
旧駅舎内部、新駅舎の天井とよく似ています。
 
改札です、抜けるとすぐに筑豊本線のホームがありましたが、鹿児島本線のホームへもここから入るようになっていました。
 
筑豊本線本城・若松方面、頭上を鹿児島本線の高架ホームがクロスしていました。
 
当時はDENCHAは登場していなかったので、電車と気動車が並んでいる姿を見ることができました。
右の駅舎側ホームは架線自体が張られていなかったようです。
なお817系が停車している側にも駅舎がありました。
 
鹿児島本線ホームへは改札を入って右手に進むようになっていました。
 
この煉瓦造りの通路、ここがいちばん折尾駅らしさがあった部分。
 
とても風格がある通路でしたが、夜間はちょっと怖さも感じることがありました。
 
鹿児島本線ホームは現在と同じようにカーブするホーム、2面3線でした。
奥が水巻・博多方面。
 
では最後に駅名標です。
 
地表の筑豊本線ホームの駅名標。
 
鷹見口駅舎の短絡線駅名標。
 
最後が鹿児島本線ホームの駅名標なんですが……
 
こちらには国鉄当時のものと思われる、こんな駅名標も残っていた時代がありました。
 
 
(平成15年3月、令和6年6月訪問)
 

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