先日、小池東京都知事から市場移転方針を表明し、豊洲に移転して築地を再開発することを述べました。

 

築地と豊洲の両方に市場機能を持たせるということですが、それは極めて非効率になるということです。築地で営業する業者があれば、その分だけ豊洲に空きができてしまい、豊洲の採算が悪くなることになります。

 

そして、築地の再開発によって得られる収益によって、豊洲市場の赤字を埋めるということですが、これは物凄い話だと思います。

 

もし、それが実現するのだとすれば、築地で超高収益の事業を行う必要があります。一つの場所で行う事業で二つの場所の建設費を賄うというのは、民間でもほぼ不可能な話です。

 

ましてや、民間よりも商売が下手な東京都が事業を行うのですから、夢物語と言ってもいいかもしれません。もしかしたら、東京都には民間以上にビジネス感覚に優れた人材が揃っているのかもしれないですね。仮に、そのような人材がいたら、現在の倍以上の給料を出すから是非来てくれと民間会社から誘われるでしょうね。

 

豊洲移転に関する費用は6,000億円といわれており、築地の売却代金と見込まれている4,500億円を移転費用に充てる計画でした。

 

この4,500億円を借り入れで賄うとすると、利息分として多くの支出が発生することになります(年利率1%で返済期間20年とすると合計で467億円。)。

 

しかも、築地を再開発するとなると、更に開発費用が掛かることになります。豊洲にも追加で安全対策を施したり物流機能を強化したりするようですので、合計で1兆円くらいの開発費になるのではないでしょうか。

 

築地を4千億くらいかけて再開発したと仮定すると、築地で稼いだお金で築地と豊洲を開発した資金を回収することになります。4千億円の投資で稼いだお金で、1兆円の投資を回収するのであれば、築地は物凄い高収益の事業を行う必要があります。

 

このように採算面から見ると、豊洲と築地の併用というのは最悪の選択肢だと思います。この併用案に疑問を持たない人というのは、よほどビジネス感覚に欠けていることが考えられます。

 

また、豊洲市場の赤字の中には減価償却費も含まれているようです。減価償却費は実際には支出されないので、費用としては計上されてもその分は内部に留保されます。その減価償却費分まで赤字ということにするというのは、豊洲市場の赤字を大きく見せようという思惑があるのかもしれません。

 

 

そして、築地ブランドということを盛んに言っていましたが、築地市場が世界最大規模の卸売市場というのが、築地ブランドとしての裏付けです。仮に、一部の市場機能が築地に残ったとしても、現在ほどのブランド力は到底持つことはできません。

 

築地は繁華街である銀座から徒歩10分ほどの好立地であることは確かですが、世界最大規模の卸売市場で多くの海産物が扱われているというブランドの裏付けがなければ、現在あるような築地の魅力はほとんど無くなってしまいます。結果として、築地の再開発に投じた資金さえも回収できない可能性もあります。そんなことになってしまえば、豊洲単体の場合以上の赤字を補填しなければなりません。

 

 

豊洲への市場移転に反対だった理由は、安全面だったはずです。小池氏は豊洲市場の安全面は確保されていると認めているのですから、築地を売却してさっさと豊洲に移転して、無駄なお金を垂れ流すのは一刻も早くやめるべきです。 



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