摂津国の住吉大社⑥ ~初辰まいり2~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

住吉(すみよし)大社には、

 

毎月はじめの辰の日に

末社を巡拝する
『初辰(はったつ)まいり』

あるといいます。




1番参りの

種貸(たねかし)社

ひとつ前の記事で書きましたので、

つづいて2番参りの、
楠珺(なんくん)社です。

 



樹齢1000年を超える
楠(くす)を祀るお社で、

その巨樹には、
蛇が棲むといわれるようです。

 



『初辰(はったつ)まいり』の
中心地であり、

願いの発達(はったつ)を
祈る場所だといいます。



しかしながら
こちらで有名なのは
蛇ではなく猫のようです。

毎月のお参りで授かる
招福猫(しょうふくねこ)は、

奇数月は
左手をあげて
人を招き、

偶数月は
右手をあげて
お金を招くといい、

この小猫の置物を
1年で12体、
4年で48体あつめると

ひとまわりおおきな中猫と
交換するのだそうです。



48体は、
48辰(始終発達)と
掛けてあるといい、
満願成就だといいます。

さらに、
この中猫を2体と
子猫48体をそろえたら

「大猫」1体と
交換するといいます。
ここで12年ですね。

大願成就となるのは、
大猫を2体あつめるといいます。
最短で24年だそうです。

いやあすごいびっくり



祭神は
宇迦魂命(うがのみたま)

だといいます。

1番参りの
種貸(たねかし)社で祀られる
倉稲魂命 (うがのみたま)とは

漢字違いでも
おなじ神様ですね。

日本古来の神さまですが、
お稲荷様と習合していますから、

狛犬ではなく
狛狐になっています。



ちなみに、
楠珺社の「珺」の字は
「美しい玉」という意味だそうです。

大海(だいかい)神社

玉の井に沈められたという

神宝・潮満珠(しおみつたま)
思わせます。

楠珺社と本宮のあいだには
高蔵(たかくら)が

2棟ならんでいて、

 



北高蔵と

南高蔵というようです。

この高床式倉庫に
神宝が納められていた
ともいうようです。

 



楠珺社の裏手には
貴船(きふね)社と
立聞(たちぎき)社という

小さな末社がありました。

 



貴船社は、
京都の貴船神社の勧請で
高龗神(たかおかみ)という
龍神を祀るといいます。



立聞社は、
春日(かすが)社

長岡(ながおか)社ともよばれ、


天児屋根命(あめのこやね)
祀るといいます。

 



種貸社には、

天児屋根命の父・

ココトムスビが祀られていました。

そういえば、楼門内の
第4本宮前には
楯(たて)社があり、


武甕槌命 (たけみかづち)
祀っていました。

 



また、
楯と向かいあうように北には

鉾(ほこ)社があり、


経津主命 (ふつぬし)
祀っていました。

 

 

ホツマツタヱによれば、

ココトムスビも

タケミカヅチも

フツヌシも

住吉大神の
カナサキ翁とともに
ハタレ退治の武神ですから、

 

カナサキさまゆかりの神々が
そろっているということにも

なりそうですね。


立聞社は、
酒断ち・煙草断ちに
神徳があるといいますから、

断ち効き社
でもあるようですね。



3番参りの
浅澤(あさざわ)社へと
向かう途中、

南へぬける
橋のうえには
石舞台(いしぶたい)があります。

 



大阪の
四天王寺(してんのうじ)
石舞台、

広島の
厳島(いつくしま)神社の
板舞台とあわせて

日本三舞台だといいます。



写真おくにみえる

南門とともに、
 

豊臣秀頼の造営だといい、
1600年ごろのものだといいます。

 

 

橋のうえからは

となりの神館や

 

朱い楼門もみえて

とても美しい景色を

堪能できます。

 


橋をぬけて、

神功(じんぐう)皇后ゆかりの
卯の花園をぬけると

 


境外すぐに、
浅澤(あさざわ)社が

ありました。



かつては、
清水の湧くおおきな池であり

奈良の興福寺ちかくの
猿沢(さるさわ)池、

京都の嵯峨御所の
大沢(おおさわ)池とともに
名勝だったといいます。

 



カキツバタの

美しい池であり、
 

おおくの歌人がここで
歌を詠んだといいます。



そんな池の中央に
お社があります。

 



芸能上達・女性守護として
市杵島姫命(いちきしまひめ)が
祀られているといいますが、

神仏分離以前は
弁財天だったようです。

 

と、この手水・・・

 



なにか

見覚えがあるとおもったら、、、

 


やっぱり、でしたてへぺろ

京都・亀岡の

桑田(くわだ)神社さん



奈良・北葛城の

廣瀬(ひろせ)大社さん

 

などなど、

意外にあるようですね。

 

はげしい手水、を

これからも探してゆきます。

さて浅澤社から
細井川(ほそいがわ)をはさんだ
向かいにあるのが

4番参りの
大歳(おおとし)社です。

 



願いを成就させたり、
収穫や集金の神徳が

あるといいます。

祭神は
大歳神(おおとし)であり、

ソサノヲの子で、
八将神(やまさかみ)にも

かぞえられる
稔の神さまとされています。



ですが、
行列ができるのは本殿ではなく、

となりにある
『おいとしぼし社』のようです。

 



落とし星、
お愛しぼし、
老年星、
御歳宝祠とも
あらわされるお社には、

『おもかる石』、
別名「おぼっさん」があり

持ち上げたときの
重さによって吉凶を占うといいます。

 

気になるのは

この奥にあるお社です。

 


祀られているのは、
龍神さんや金竜さんと
いわれているようですが、

おいとし『星』というように
隕石を祀るとも
いわれているようです。



だとしたら、
住吉大社のオリオン星
大歳社でも
いいかもしれませんキラキラ爆  笑キラキラ

 

初『辰』の『龍』は、

隕石だったのでしょうか?

 

ところで、

おいとしぼし社の手水は、

かえるでした。

蛇(辰)に食べられてしまいそうですが、

空(宇宙)に「かえる」とすれば

また意味深ですね。


浅澤社には
社務所はありませんので、

初辰まいりの際は、
大歳社で受付するようです。



また、
初辰まいりの日に
各社でご祈祷を受けると、

『稲種引換券』を
いただけるといいます。

そうして
次回の初辰まいりに
その券をもってくると、

種貸社で、
券と籾種を交換し



楠珺社で
籾種と稲穂を交換し、


大歳社で
稲穂と御神米を
交換するといいます。

いただいた御神米は、
一粒万倍日に
ご飯に混ぜていただくと
御利益にあずかるようです。



とてもユニークな

参拝ですね。

 

 

摂津国の住吉大社⑦ へ つづく

 

 

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摂津国の住吉大社② ~カナサキ~
摂津国の住吉大社③ ~六船霊~
摂津国の住吉大社④ ~オリオン~
摂津国の住吉大社⑤ ~初辰まいり1・種貸社~
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摂津国の住吉大社⑦ ~五所御前~
摂津国の住吉大社⑧ ~津守氏~
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