瑞垣の外に
五所御前（ごしょごぜん）があります。
住吉大神降臨の地
ともいわれており、
神功（じんぐう）皇后の
命によって
祭祀をはじめた
田裳見宿禰（たもみのすくね）が、
この地の杉の大樹に
３羽の白鷺がとまり
歓喜・称賛する姿をみて
ここに鎮座地を
決めたといいます。
ですからここは、
祭祀をはじめた場所であり、
住吉大社はじまりの地
ということで、
ミアレ所（御阿礼所/御生所）と
いわれているようです。
杉の木にとまったという
「しらさぎ」も、
「かなさき」と
どこか響きが似ています
第１～第４本宮につぐ
５番目の神跡であるとか、
清仏習合のときに
神宮寺で祀られていた
五大力（ごだいりき）尊の
神徳を得られるから、
五所御前というようですが、
さてどうでしょう。
ここでは、
垣内の玉砂利から
『五』『大』『力』と書かれた
石を見つけだしてお守りにすると
五大力尊の
５つの力である
体力
智力
財力
福力
寿（命）力
を得られるといいます。
そして
心願成就のさいは、
あたらしい石に
じぶんで五大力と書いて、
いままでの石と
あたらしい石と、
両方をこの地に
お返しするといいます。
この神籬のすぐ南には
若宮八幡宮
（わかみやはちまんぐう）という
摂社がならんいました。
この鳥居は
柱が四角になっていて、
住吉鳥居というのだそうです。
本宮の表参道にも
住吉鳥居がありましたが、
こちらも摂社も、
住吉鳥居というのは
それだけ社格が高い
ということでしょうか。
神功皇后の子である
第15代・応神（おうじん）天皇が
祀られていました。
ともに祀られるのは、
武内宿禰（たけうちのすくね）で
神功皇后とともに
三韓征伐を果たした
優秀な大臣であり、
応神天皇の父親なのではと
ささやかれる人物でもあります。
若宮八幡宮のとなりには
海龍社という
祠がありました。
磐座のようなものがあるばかりで
よくわかりません。
ただ、
ぼくはとても好きな祠でした。
ところで、
祭祀氏族の始祖である
田裳見（たもみ）宿禰を
祀るお社が
第４本宮の裏手、
南側の瑞垣内にあります。
瑞垣の内側にあるという
この不思議な末社が、
侍者（おもと）社です。
初代神主の
田裳見（たもみ）宿禰と
妻の
市姫命 (いちひめ)を
祀っているといいます。
大神に備える御食を
検視したとか、
神と人とのあいだを
取り持つといわれ
縁結びの神として
信仰されているといいます。
けれども、
ここに奉納されている
男女一対の裸雛をみると、
古代の
歌垣（うたがき）を思わせます。
歌によって
男女の距離を縮めたのは
ホツマツタヱにもあるように
ワカヒメさまと
オモイカネさまです。
ワカヒメを養育した
住吉大神のカナサキは
ふたりの仲人にもなっています。
ワカヒメの生まれ変わりが
神功皇后かもしれない
という話は何度かしましたが、
『オモイカネ』という文字をみて
『五大力』を思い出してしまいました。
「大」は「オ」、
「五」は「モ」と「イ」の混合、
「力」は「カ」、
そして神籬である杉の木の
「根」が「ネ」です。
強引であはりますが、
思いついたので
載せてしまいました。
この五所御前と
神功皇后の第四本宮が
東西にならんでいるのも
気になるところです。
夫婦や男女の円満を
祈願されるかたは
ぜひおふたりで
侍者社に入ってみてください。
神さまの力を感じられるような
不思議な空間になっています。
またなかでは、
住吉大神さまのお姿も
拝見することもできます。
カナサキ翁さまが
見届けてくださるようです。
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☆住吉大社全記事リスト☆
摂津国の住吉大社① ～スミヨロシ～
摂津国の住吉大社② ～カナサキ～
摂津国の住吉大社③ ～六船霊～
摂津国の住吉大社④ ～オリオン～
摂津国の住吉大社⑤ ～初辰まいり１・種貸社～
摂津国の住吉大社⑥ ～初辰まいり２～
摂津国の住吉大社⑦ ～五所御前～
摂津国の住吉大社⑧ ～津守氏～
摂津国の住吉大社⑨ ～まとめ～
摂津国の住吉大社⑩ ～生根神社と金拆神社～