NAVI旅 vol.8 ① ~越木岩神社~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

わたくしNAVI彦が、
これまで訪れた神社を
ご案内する『NAVI旅』です。

第8弾は、兵庫の
越木岩(こしきいわ)神社
六甲山(ろっこうさん)
行ってきました!!

 



六甲山の東のふもと、
西宮(にしのみや)市にある
越木岩神社は

甑岩(こしきいわ)という
巨大磐座をご神体としています。

 



六甲山周辺には、
巨石や奇岩がおおく

太古より
磐座(いわくら)信仰の地
だったようです。

 


ですからこの神社も、
創建は不明だだといいます。

由緒によると、
江戸時代にはいってから

お正月の福男で有名な
西宮(にしのみや)神社から

蛭子神(えびすがみ)を
勧請したといいます。



えびす様といえば
七福神(しちふくじん)でも
ただひとり日本の神さまであり、

本来のお姿は、
蛭子(ひるこ)』や
事代主(ことしろぬし)』と
いわれているようです。

『蛭子』は
イサナギ・イサナミの初子で、
未熟児だったため
川に流されたといいます。

『事代主』は、
出雲(いずも)
大国主(おおくにぬし)の子で、
国譲りに関わった方です。


 

この
まったく別々の神さまが
なぜ『えびす』になったのかも、

 

ホツマツタヱには

書かれているのですが、

 

今回は、

この地に深く関わる

『ひるこ』について

書いてゆきます。


『ひるこ』は、またの名を
『ワカヒメ』といい、

ホツマツタヱ
この方のはなしから
はじまります。

 




それわかは
わかひめのかみ
すてられて
ひろたとそたつ



和歌の語源は
ワカヒメの神であり、

捨てられた蛭子は
拾われて廣田宮にて
育てられました




この
廣田(ひろた)というのが

おなじく西宮市の
廣田神社といわれており、

かつて西宮神社は、
廣田神社の摂社でした。

 

つまり

ワカ姫ヒルコは、
幼少期をこの地で

暮らしたというのです。

 


歌の才能が豊かなワカヒメは、
想い人のオモイカネにも

歌で告白して
結ばれることとなります。




きしゐこそ
つまおみきわに
ことのねの
とこにわきみお
まつそこゐしき



紀州国にて去年
あなたにお会いしてから
胸は琴のように高鳴り
床についても眠れず
あなたを恋しく待っている




これは反対からも詠める
回文になっていて

返し歌さえ許されない
呪術によって、

 

ワカヒメは
願いを叶えたといいます。

 



また晩年、
天照大神は身罷るとき
后の瀬織津姫(せおりつひめ)
こういったそうです。


またきさき
ひろたにゆきて
わかひめと
ともにゐこころ
まもるべし



后は廣田にいって
ワカヒメとともに
妹心(女の道)を
守るように




こうして
天照大神の后・

瀬織津姫と


天照大神の姉・
ワカヒメは

この西宮の地で、
晩年を過ごしたといいます。



さらに、
回り歌にある
『まつそこいしき』
になぞらえて

ワカヒメは
「こしき」岩にて
身罷ったというのです。

 

 

岩を越して、

木が生えていることから

『越木岩』といったり、

 

お米を蒸す土器の

『甑(こしき)』に

似ていることから

「こしき」というそうですが、

 

もしかすると、

想い人を待つ

『恋しき岩』から

きているのかもしれません。

 

この磐についている

石塀がなんなのか、

よくわかりませんが、

 


排水もあるようですから

なかに空洞でも

あるのでしょうか?

 


ホツマツタヱは
偽書ともいわれていて
神社さんからも
疎まれる傾向にあるなか、

越木岩神社さんのHPには
「ホツマツタヱによれば」の
一言があるのは

とても嬉しいことです。



しかしこの霊岩も、
大阪城の石垣を築くときに
切り崩されたといいます。



ところが

ここにも伝説があって、

石切りの工員が、

くさびを打ち込んでいくと

 

巨大な磐座から
甑のように蒸気が

吹き出してきて、

 

蒸気を浴びた工員たちは、
卒倒してそのまま

帰らぬ人になったといいます。

これを祟りとして
岩の持ち出しは
断念されたといいますが、



六甲周辺には
ほかにもたくさんの
巨石があるなか、

わざわざご神体に
手を出したのは、


なにか意図があったように

思えてなりません。
 

 

岩に描かれたマークは、

大名の刻印で

 

どこの誰が持ち込んだか

わかるようになっているといいます。

境内にはほかにも、
六甲山頂ちかくにもある

六甲山神社や、

 

 

大国主西(おおくにぬしにし)神社という、

古くからあるという社があります。

 

 

こちらは、

大地主(おおとこぬし)を

祀っているというので、

 

こちらこそ、

事代主のことかもしれません。

 

また、

磐座もまだまだあります。

 

 

貴船(きふね)神社は

雨乞社ともいわれ、

 

祈雨の祭祀を

していたといいます。

 

 

さらに

境内の最奥には、
北の磐座がありました。

 



甑岩の
ワカヒメさまにたいして、

夫君の
オモイカネが祀られている
ともいいます。



また、
境内はさらに
北東に広がっていたと
いいますが、

土地開発によって
その地にあった磐座ともども
消失しているといいます。

 

しかしながら、

 

台風による被害を

建て直しているのか、

 

氏子さんら

近隣住民の努力なのか、

境内は美しく

整備されている途中でした。

 

 

霊地がひとの手によって

厚く祀られ守られてゆくのは

とても心地がよいことです。

 


甑岩の祭神は、


市杵嶋姫命

(いちきしまひめ)と
されていますが、

女性守護や

芸能の神徳は、
ワカヒメさま由来なのでしょう。

 

 

今回のNAVI旅は、

こうして

磐座めぐりをしながら、

 

六甲山にまつわる

女神さまのお話を

してゆきます。

 

 

NAVI旅 vol.8 ② へ つづく

 

 

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☆NAVI旅vol.8 全記事リスト☆

NAVI旅 vol.8 ① ~越木岩神社~
NAVI旅 vol.8 ② ~太陽石~
NAVI旅 vol.8 ③ ~目神山~
NAVI旅 vol.8 ④ ~六甲比命神社~

NAVI旅 vol.8 ⑤ ~六甲山神社~