こんばんは。
蒸しりんご店長のりんごです。
今日はアトピーとステロイドの話で
【酸化コレステロール】について書きます。
ではまず、こんな文章をご紹介。
”ステロイドとはコレステロールを
合成して作られたものです。
ステロイドは患部に塗って
炎症や痒みを抑える作用をした後は
皮膚組織にとどまり酸化され
「酸化コレステロール」というカスになります。
通常コレステロールは尿などで排出されますが
酸化変性したものは極めて排出されにくく
さらにステロイドの長期使用によって
体にどんどん蓄積されていきます。
それが皮膚の刺激になり
皮膚の炎症を引き起こすことになるのです。
つまりは、ステロイドを使うことで
アトピー性皮膚炎ではなく
ステロイド性皮膚炎を起こしているのです。”
はい。
だいたい、ステロイド批判に
酸化コレステロールを理由とする場合は
こういう文章が多いです。
すご~くもっともらしく
ある意味、きれいな理論ですよね。
なるほど!と思いやすいんじゃないかな。
更に、もっと難しそうな説明が加えられてたり
専門家が説明していたりすると
すごく納得しやすいんじゃないかな?と思います。
でもね、実際には
酸化コレステロールの説は
根拠となる実験結果などの論文は見つからず
あいまいな説みたいですよ。
論文としては、ね。
そもそも、何事もにも疑う視点は大事で
『ステロイドは患部に塗って
炎症や痒みを抑える作用をした後は
皮膚組織にとどまり酸化され
「酸化コレステロール」というカスになります。』
この前提が本当なのか。
まずここから疑って見る必要があるわけです。
これまで私が読んできた
書物を読む限りでは
皮膚科医師の中で少数派だけど
ステロイドに関して批判的な立場を取る医師たちが
ステロイドの是非を議論するときも
基本的に、酸化コレステロールを論点としていることは
ほとんどありません。
ネットなどを見ても
酸化コレステロール説を中心に話を展開しているのは
代替療法の専門家(鍼灸とか整体とかその他)や
一般の人の中でアトピーのことをまとめたサイト
もしくはアトピーの商品の紹介に繋がるサイト
そういうところが多いです。
そしてその多くが、
私が最初に書いたような内容を書いていますが
それらは多くに、参考にしたんだろうな、というのが
こちらの本から。
図解 脱ステロイドのアトピー治療 (健康双書)/農山漁村文化協会
これは医師の書いた本ですが
この本では、酸化コレステロールが
アトピーの悪化の原因だという立場に立って
しっかり書かれています。
そしてネットで見られる
酸化コレステロール支持の方は
この本の内容を使って理論展開しています。
文章の引用も多い。
アンチステロイドとして理論が綺麗なだけに
説明しやすく理解されやすく
使いやすい理論だなと思います。
で、この著者が【酸化コレステロール】の提唱者かというと
そうではなく、この本の参考文献を見ると
おおもとに行き着きます。
それは、多くの書物を書く免疫の話で有名な
安保徹先生なんですよね。
安保先生の書いたもので
酸化コレステロールの説が載っているものは
こちらのものとか。
『体調と免疫系のつながり アトピー性皮膚炎患者のためのステロイド離脱』
普段お目にかかる安保先生の本と違って
割と難しい言葉も出てくるし
専門的な論文のようで
ほうほう!なるほど
『ステロイドは酸化コレステロール!悪だ!』と
なってしまいがちだけれど
実はこの説は
福田先生の仮説、ということで
誰もが認める正しいデータというわけではないようです。
ですので、
『酸化コレステロールがアトピー悪化の原因』説は
ステロイド推進派の医師にはもちろん
脱ステロイド派の医師からも疑問視されたりしています。
たとえば脱ステ派の医師のサイトで有名な
・深谷元継先生の記事はこちら
・普通にステロイド推進派の医師の書いたブログで
見つけたものはこちら
このあたりは、やはり
皮膚科医ではなく、しかも臨床医でもなく
基礎研究の先生が提唱しているということで
実際の皮膚科医たちからは
批判されやすいのかな、とも思います。
でも、実際やっぱり『酸化コレステロール』の論文となると
基本的には食べ物摂取によるコレステロール
脳血管障害などとの関連
そういう論文はたくさん出てくるけど
アトピー、皮膚との関連のものは見つからない。
ただ、理論はどうあれ
ステロイドを塗ること、塗り続けること
そして長期使用をした結果やめた時に起こる現象
そういうことへの危惧が
ゼロではないわけで
そしてそれはもしかしたら
今は論文的に確証されていないだけで
酸化コレステロールの説、もしくは
それに似たような説が
あるのかもしれない。
そもそも、ステロイド=コレステロール骨格=脂
つまり油!なわけで
なにも難しく考えなくても
油の体内の蓄積の弊害などを考えたら
やっぱり問題がある、と思うんじゃないかな?
(この辺り、私の思う最もプロな
代替医療師Vanillaさんのブログ参考になりますよ)
でも本当にね
いろんなまじめに研究してそうで
偉いお医者さんたちが
ステロイド一つとっても
いろんなことを言っていて
いろんな考えを提唱していて
もう、素人にはどう判断していいかわからない世界。
それがステロイド、アトピーの世界なんですよね。
【酸化コレステロール】ってそれをよく表しているような気がする。
素人が聞くともっともらしい説に聞こえるし
有名な先生が提唱しているし
そして、悲しいかな
やっぱりあんまり疑い、調べたりしないよね。
それに、ステロイドは良くない、という立場を取る人は
それに合うもっともらしい説を探し
『ステロイドは駄目だ』に納得したがっているとも言えるから
この酸化ステロイドの説なんて、やっぱり!って思うよね。
結局は、アトピーの答えは一つではないからこそ
やっぱりしっかり勉強しなくちゃいけないし
知識は絶対必要だけど
ただ、その知識も疑う姿勢を持たなくちゃならなくて
結局は知識を持ったうえで
自分自身の感覚とか
観察眼とか
あと勘なんかも
とっても重要。
いろんな理論があっても
すべて実態のあるからだが背負うことになるし
個々人の体のタイプは違うし
だから自分、自分の子の
トータルな意味で見る目、判断する目を
養わければならないなと。
そんなことを
改めて思うのでした。
本当は、酸化コレステロールの説にのっとって
ステロイド批判をして
代替療法がいいよって理論展開するほうが
楽なんですけどね~私の立場は。
でも、私自身が、本当にそうなの?って
思っちゃったからしょうがない。
まだまだ続く、探求の道~。
ではでは。
ステロイドと「患者の知」アトピーの本
逆子の方はぜひお読み下さい!
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