角川歴彦(つぐひこ)会長(79)が贈賄容疑で逮捕という驚きとその裏側
角川幹部2名と角川歴彦(つぐひこ)会長(79)が新たに贈賄容疑で逮捕の報。「会長は裸の王様」「逆らえない社風」、社員に衝撃と怒り…経営多角化の角川容疑者逮捕(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件は14日、出版大手「KADOKAWA」のトップに君臨していた角川歴彦(つぐひこ)会長(79)が新たに贈賄容疑で逮捕される事態になった。業界団体の要職を務め、五news.yahoo.co.jp【五輪汚職】KADOKAWA会長を逮捕 社員に衝撃「逆らえない」…“元専務ら供述”影響か(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース東京オリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は、出版大手「KADOKAWA」の会長を逮捕しました。大会組織委員会の高橋治之元理事におよそ6900万円の賄賂を渡した疑いが持たれています。 ■“賄news.yahoo.co.jp過日の会長への会見で、贈賄を否定し、社員を信じていると語っていたが、東京地検特捜部が逮捕に踏み切ったということは、有罪立証可能と読んでいる査証だろう。KADOKAWAは上場会社であるため、本件逮捕に対する会社のコメントは以下となっている。https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/tdnet/2182027/00.pdf代表取締役社長名は、あの夏野剛氏だ。売上約2,400億円(営利率8%程度)の上場企業であるが、実態は角川氏のワンマン会社と見ていいだろう。逮捕翌日の株価は5%ダウンだ。特捜のホンネは、森元総理への贈賄だろうが、どうやら立件が難しい公算になった。そうすると、次のターゲットというのがKADOKAWAなのだ。本件は表向き、KADOKAWAから高橋氏側への贈賄なのだが、実は過去の高橋氏の仕事のやり方を知っている人たちの間では、高橋氏からKADOKAWA幹部たちにキックバックがあっただろうとみられている。つまりKADOKAWA幹部の業務上背任がありそうだ、ということだ。それにしても、上場企業が7000万円近い支出をする際、通常であれば、役員かそれに相当する人間の決裁を経るのが普通だ。また、7000万円近い支出に対する支出先との契約等も存在するだろう。業務委託なら委託契約書があり、コンサルティングならそれに類似する契約書があるはずだ。契約書は、法務部が関与するはずだから、契約内容に関して、問題があるかないかのチェックは、法務部がしていることになる。実際、法務部は、契約内容が贈賄になる可能性を指摘していたという。当然だが、これほどの支出を伴う契約には、実態が伴うはずで、成果物、納品物等が現実になければ、決裁内容とは違い支出をしたことになり、内容によっては業務上背任や横領罪となる。下記はKADOKAWAの主要株主構成だ。 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) ↑ 11.94 16,925,000 KSD-NH(韓国) ↑ 8.88 12,587,000 ゴールドマン・サックス・インターナショナル 7.27 10,303,000 日本カストディ銀行(信託口) ↑ 5.85 8,300,000 川上量生 5.78 8,193,000 日本電信電話 2.88 4,080,000 日本生命保険 2.42 3,428,000 バンダイナムコホールディングス 2.16 3,060,000 角川歴彦 2.06 2,920,000 本件に伴い、株主としては、会長退任や次期社長等の人事を考えなければならなくなるだろう。現社長が続投ならその理由も必要となる。特捜案件の逮捕となれば、関係者が無罪放免ということは考えにくい。執行猶予付きでも有罪となれば、その責任を取る方法は限られている。KADOKAWAのその後は、自身の経営に大きな影響を与えるに違いない。そもそも論だが、オリンピックのスポンサー選定の在り方が恣意的過ぎた事も、こうした事件を誘発する一因だと思っている。本来は、入札資格だけ決めて、あとはくじ引きにしてしまえば、利権の発生する余地はなくなる。オリンピックのスポンサーになることで箔を付けたい、そういうところに付け入った連中に絡めとられたのが、KADOKAWAやAOKIだった言っていいだろう。ある意味、経営者としては実に情けない判断だったと言っていい。